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ISO〜運動音痴でもいいですか?〜  作者: 安
はじめてのVRと運動音痴
21/30

Ep21

たくさんブックマークが増えて嬉しかったので急遽今月は二回更新です!

でもすっとっくが消え行くので今度増えたらがんばるしかないですね…

意気込んですぐに目的地と思われる建物を発見してしまった私たち…困惑するこの状況で言った移動するのが正解なんだろう!?


「まあ無難に訪ねてみるのが普通だよな」


「ですよね」


とりあえずまだ二人は見えてないって言うから私がそっちの方向へ案内してあげる。ちょっと優越感を覚えたのは内緒。まだ私も明かりがそっちの方向にあるってことくらいしかわからないし。

二人を連れて少し歩くと、さっきまで明かりしか見えなかった建物の全貌が見えてきた。といってもそんなにすごいレンガ造りとかそんなんじゃなくて、普通の木造になっている。でもなんでこんなところに家が建っててモンスターに襲われないんだろう?この辺がセーフティエリアになってるとか?とにかくこの辺は安全ってことかな。


「でもとりあえずやったね!早速いってみようよ!」


「あ!ちょっと待て多分この辺はセーフティエリアじゃな―――」


れー君の忠告が聞こえたときにはもう遅かった。目の前に何かが立ちふさがったと思ったら、緑色のそれは凶悪な笑みで棍棒を振り上げていた。


「まずい!夜MOBのゴブリンエリートだ!間に合うかっ【サンダーバインド】!」


「【飛翔斬】!!」


後ろからあせった声を出す幼馴染たちの動きが遅く見える。現実じゃないのに走馬灯って見えるんだと、私は暢気な思考をしていた。コマ送りで流れるような状況で突如目の前の何かの首が飛んだ。そしてそのままHPが全損したのかゴブリンはポリゴンとなって消えた。


「え?」


混乱する私の前に大きな影が落ちた。れーくんともふーちゃんとも違う大きな影。恐る恐る見上げてみると―――――そこにいたのはリザードマンだった。


「おい…あれエリアボスじゃねーか!?」


「な、何でこんなところに!?」


エリアボスって名前は聞いたことがある。確か初心者の森の夜にフィールドを徘徊する系のボスだったはず。

確か会うパーティ会うパーティを全滅させて死に戻りさせる程の強さだったはず。

結局私の寿命は一瞬延びただけだったんだと諦めたところに上から声が降ってきた。


「大丈夫かい?」


リザードマンさんは渋いナイスミドルな声でそう私を心配してくれた。

…これっていったいどういう状況?

ふーちゃんと、れー君もなんだか困惑してるみたい。


「どうなってんだ?」


「エリアボスって聞いてたんだけど…」


「ああ、エリアボス?そんなことを言いながら襲い掛かってくる人族はいたね。殺されてもしょうがないから自己防衛で返り討ちにしちゃったけどまずかったかな?」


ふーちゃんとれー君の呟きを聞いて何でもなさそうに答えるリザードマンさん。

というか結構最前線にいる人たちが向かっていったけどそれを一人で返り討ちにできるってもしかしなくてもすごく強いのでは…。


「いえ、多分そいつらは人族以外はモンスターだと思ってたんで勘違いしただけだと思います。現に俺たちも間違えてましたから」


そうは言いつつ二人とも武器を収めていない。

リザードマンさんはそれでも気を悪くした様子はない。ただバツが悪そうにしてるだけだ。


「いやぁ僕がモンスターって言うのは間違ってないんだけどね。僕は実際にモンスターとして格を上げて最終的な進化でこうなっただけだから。あ、でもこの世界には普通に亜人種って言うのかな?もいるみたいだよ。そういう人たちは入れそうだけど根本がモンスターの僕は街に入れなくてねぇ」


リザードマンさんが自分がモンスターだって言うから二人は武器を納めるどころか逆に警戒を強めてしまったみたいだ。それにしても亜人種ってことは銃人とかってことだよね。街ではまだ見たことないなぁ。


「あはは…あんまり警戒させるつもりはなかったんだけどね。やっぱり人間とのコミュニケーションって難しいなぁ。今の僕は君たちを倒してもあんまり意味がないんだよね。というか今から仕込みをしないといけないから相手してられないっていうのはあるんだけどね」


「仕込み、ですか?」


「うん。僕はこんななりだけどレストランを経営しててね、結構評判いいんだよ」


「そ、それって…」


思いがけない情報に脳が追いつかない。あのおじいさんレストランの人が人じゃないって一言も言ってなかったのに…。


「あーだからか!」


行き来なり的を得たといわんばかりのれー君。


「どうしたの?」


「いやな、今までこのクエスト受けたやつって結構エリアボスってかそのリザードマンさんと遭遇してたんだわ。別に受けてないやつも遭遇してたから何とも言えないだけど、そいつらは結構正解の目まで来てたてことか!」


「あーなるほど!私たちもはーちゃんがいなかったらお店見つけられてないもんね」


「【視覚拡張】とか言う不遇アビリティの勝利ってことか…」


ま、まさか私が取った目がよくなるアビリティがこんなところで役に立つなんて…。やっぱり戦闘ができないからってこのゲームで役に立たないなんてことはなかったんだね。


「君たちは僕のお店を探してたのかい?」


「ええ、そうなんですよ。町のおじいさんに頼まれて!」


「あーあのおじいさんも、結構常連だったんだけどね。いつからかぱったり来なくなってしまって。あの人と食事前に一戦交えるのは楽しかったなぁ」


どこか遠い目をして語るリザードマンさん。


「一戦交えるんですか?」


「食事前の軽い運動だよ。あのおじいさんは強かったなぁ~勝敗は五分五分だったかな?」


まさかあの覇気のなくなったおじいさんがそこまで強いなんて思いもしなかった。今の最前線組みが束になって戦っても全員しに戻りさせられるくらい強いって聞いたのに…。


「私たちはそのおじいさんにここの料理をもう一度食べさせてあげたくてここに来たんです!」


「あのおじいさんならこの辺の雑魚は相手にすらならないと思うけど…」


「あのおじいさんおばあさんがなくなって何もやる気がおきなくなってしまったみたいで」


「あーそういうことか。それなら全然良いよ最近僕も戦える相手がいなくなって退屈してたんだ」


「やっぱり戦いは好きなんですね…」


「まあ元々がモンスターだからね。戦いは本能みたいなもんだよ」


なるほど。アクティブモンスターがこちらを見つけたら容赦無しに襲い掛かってくるのはそういう理由があったんだ。このリザードマンさんが特別戦いたがりっていう訳でもないのかも。


「でもおじいさんはここにはこれないと思います。依頼を受けたときのおじいさんには本当に覇気がなくて、ぜんぜん強そうに見えませんでしたから」


「ふーむ…。それは困ったね。僕は自分料理に自信を持っているからこそ出来立てを提供する主義でね。悪いけどお持ち帰りは認めてないんだ」


「そ、そんなぁ」


これが本職のこだわりなんだ。そうなるとおじいさんを護衛しながらここまで来なきゃいけないのかなぁ。私がそんなことをグダグダ考えてる間に、ふーちゃんが爆弾を落とした。


「じゃーさ、はーちゃんがこのお店の料理、覚えればいいんじゃない?」


次回こそ七月の第二土曜日朝六時更新です。

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