Ep20
定期更新、6月分です!
大学に入っても忙しい日々が続き、執筆に時間が割けません。
なのでストックを貯めて夏休みぐらいに一気に更新する予定だったのですが、
もう1つの案として2つストックが作れた場合にその月にもう一度更新する、にしようとしているのですが、
まとめて更新するのと、若干更新頻度が上がるかもしれないのは、どちらの方が読者の方々には嬉しいですか?
ぜひご意見をお聞かせください。
長々と失礼いたしました。
それと活動報告にコメントくださった場合、その方に返信したいのですが、やり方がわからず…
あるのでしょうか?
なぜか最近ブクマが増えました!
謎ですがありがたいです!!
「Sクエ?このクエストって普通のクエストじゃないのか?」
おじいさんの前で大見得を切った私たちは取りあえずおじいさんが言ってた森、近くにあるのは初心者の森だけだから取りあえずそこに向かいながらさっき目の前にでたウィンドウの意味について話していた。
「Sクエストって普通じゃないの?私クエスト受けたことないからわかんないよー」
「はーちゃん。普通はクエストの前は何もつかないよ。攻略サイトというか情報共有サイトでも【クエスト】の部類に入ってたし。それに【Sクエスト】はまだ一つしか見つかってないんだよ~」
「へ―そうなんだ。。ちなみにそのクエストって何なの?」
「今知られてるのは【剣聖の試練】だな。β版に実装されてたわけわからん難易度のクエストだったなー。一対一で剣聖のNPCとやりあうだけなんだが、当時PvPでトップのやつが挑んでぼこぼこにされてたからな」
「何その鬼畜難易度」
「さあ?でも正規版では確認されてないし、正規版ではこれが初めてだな」
まさかそんなにレアなクエストに遭遇するなんて、私は運がいいみたいだ。
「何かこのクエストを普通じゃなくす条件があるのか…?いや…」
れーくんがどんどん深みにはまるようにぶつぶつ言い始めた。
「別にこのクエストが珍しいクエストとか今はどうでもいいでしょ。そんなの進めていけばいずれ分かるようになるって」
「ん…そうか?そうかもなー」
「レイはいっつも考えすぎなの!今はただ単に進めればいいんだって!」
「そうは言ってもさーそのレストランってどこにあるの?」
実際普通版のクエストですらまだクエスト達成者が出ていないのが現状だし、まったく迷わずずんずん森のほうへ進んでいく幼馴染たちなら何か知っているのかもしれない。
「んーとりあえず適当に進んでみてる感じだよー」
そんなことはまったくなかった。
「えぇー」
もしかしてノープラン?不満顔の私を見て私に気づいてか、二人は必死に弁解を始めた。
「いや、あのな?やっぱりすぐに終わっちゃうのもあれだし、まずは適当に森を散策してそれで見つかったらラッキーだし、情報収集はその後でもいいかなーいいかなぁーって」
「そ、そうだよ!」
「…そうなの?」
「ほんとの話すると町で情報収集してもまったく情報が出てこないって情報共有サイトのほうに書いてあってさ」
そ、そうなんだ…。というか運営は何を思って町を探しても情報がまったく出てこないクエストなんかを実装したんだろう?
そんなことを話しながら歩いて漸く森のセーフティエリアに着いた。
そこで少し休憩してから話し合った結果、情報もないしやっぱり適当に散歩しながら見つけることになった。確かにそんなに急いで攻略するのは冒険って感じはしないもんね。あのおじいさんのためにはなるべく早く見つけてあげたいけど、こればっかり仕方がない。
まだまだ日も高いし森といってもある程度の木漏れ日があって森林浴とかで散歩すると絶対癒されるやつだ。初心者の森だからというのもあるのかもしれない。まぁアクティブMOBが襲い掛かってこなければの話なんだけど…。
「そういえば二人はいつもパーティーでやってるんだよね?」
私の素朴な質問にふたりはきょとんと顔を見合わせた。
「そうだよ?お互いにパーティーを組むことはほとんどないけどね。お互い別のチームに入ってるし」
「それって何人パーティーなの?」
「俺は四人固定のパーティー組んでて――――」
「私はクランに所属してるから結構大所帯だよー?でも基本四人か五人でクランメンバーと組んでやってるかな」
つまり二人とも普段の冒険は今の人数よりも多いわけだね。
「じゃあ今は大丈夫なの?いつもより人は少ないみたいだけど…」
私の質問にまた二人はきょとんとした後、そろってため息を吐いた。解せない。
「そうだよねー。はーちゃんが攻略掲示板とか見ないよね」
「攻略掲示板がどうしたの?私は別に自分から見てないだけだけど」
攻略掲示板の存在くらいはさすがの私も知っている。私は運動が少し苦手なだけでその他普通だからね。
でもやっぱりゲームを始める前はアビリティを決めるためにちょこっと覗いたけど、実際にゲームにインしてみてこの地に降り立ったら掲示板を見る気はなくなった。
だってこのゲームの雰囲気をしっかり味わいたいし。
「んー…はーちゃんは今のトップ攻略層がどこまで攻略してるか知らないだろ?」
「まあね」
「今私たちは第三の街まで進んでるからねー」
「第三の街!?」
このゲームは今までのゲームと違って基本的に自分の足で歩いて目的地まで移動しきゃいけない。だから必然的に次の町への進軍なんかも遅くなるはずなのに…。
たとえベータテストを経験していたとしても、いくらなんでも早すぎるんじゃないかな。
「だからこの辺なら余裕だって!さすがにウルフ三体は止めて欲しいけどよ」
「私は三体でもある程度はいけるかな。五体ならさすがに逃げるけどね」
この辺は同じトッププレイヤーといえども前衛後衛の差なのだろうか。
「嘘付け。ふーちゃんが夜にウルフに突撃して行ってやられたっていうの聞いたぞ」
「たはは…。三体ならいけると思ったんだよねぇ」
なんだ、ただの見栄っ張りだったのか。そんなところで張り合わなくてもいいのに。
その後も何度か戦闘になったけど、本当に何事も無く、ふーちゃんの間合いに入る前に全部れー君が持って行ってしまった。そのせいでふーちゃん自身はちょっと不満げだけど私は安全が一番だと思う。
そしておじいさんが探しているお店が見つからないまま夜になってしまったので、いったん私たちは森のセーフティーエリアまで帰ってきている。
「見つからないね」
「ま、本来の目的は久々にゲーム内で一緒に遊ぶことだしこれでいいんじゃね?」
「はーちゃんのアビリティレベルも上げていきたいしねー」
「そんなこというなら全部れー君が倒しちゃだめでしょ」
「ハハ、次から気をつけます」
あまり反省の色のないれー君だったけどその後の戦闘には私も参加させてもらった。まあ、矢を一回放津くらいのことしかできないんだけど。その代わり魔法も併用して弓よりも魔法のほうがレベルが高くなって魔法のほうが威力が強くなるという事態に陥ってしまった。これじゃ本末転倒なのに…。
その後も狩りを続けて、陽が落ちるころにまたセーフティエリアに戻ってきた。
「うーん…俺ら的には経験値微妙だったけどはーちゃんには結構いい経験値入ったんじゃね?」
「どうだろ?確認してみるね」
確かに今までよりも全然効率のいい狩りをさせてもらったから上がり幅が楽しみなところだ。でも一回攻撃打つぐらいしかできてないけど大丈夫かなあ。
とりあえずメニューを操作してみて自分のステータスを確認してみた。
「おおー」
「はーちゃん見てもいい?」
「いいよ、はい」
「「どれどれ…?」」
「お!弓と闇魔法20越えてるじゃん!」
「アビリティは20を超えると上がりづらくなるけど、30で上位のにポイント払って変化させれるからこの調子でいこ!」
私の今のステータスはこんな感じ
【弓:22】【闇属性魔法:24】【観察:18】【細工:13】【料理:9】【調合:12】【視覚拡張:19】【魔力:17】【魔力制御:16】【集中:7】
弓とやみ属性魔法のアビリティレベルが20を越えたことで新しいアビリティうキルを手に入れたみたい。
弓は【衝撃矢】、闇属性魔法は【ダークニードル】って言うみたい。
【衝撃矢】は放った矢が周りに衝撃波を出しながら進むみたいだけど、衝撃波を出すせいで矢に負荷がかかって射程が短くなるみたい。そして衝撃波の攻撃力自体もプレイヤー、この場合は私のATK依存になるみたいだから本当に使いづらそう。まぁ接近されたときに便利なのかな?私が包丁振り回すよりもいい気がするし、弓を相手に当てれば攻撃力も高いみたいだし。
【ダークニードル】は闇属性魔法の第四魔法だ。初期魔法の【ダーク】・【ダークボール】、第三魔法の【ダークバインド】に続いてだけど、これは普通に攻撃魔法みたい。他の属性の魔法よりも攻撃力が高くて、追加効果がないみたい。
「でも攻撃魔法かぁ…」
「まぁはーちゃんはメインを弓にしたいもんな。俺は魔法メインのほうが強いと思うけど」
「まぁそうだよねーでもはーちゃんの好きにすればいいんだよ!だってこのゲームは無限のストリーを作るって名前のゲームなんだし」
「そう、そうだよね!」
「んじゃ、休憩も終わりにして探しに行きますか、お店」
「頼りにしてるよー、はーちゃん!」
「任せて!松明じゃ心許ないもんね」
そう気合を入れなおしてセーフティエリアを出た私たち三人だけど…。
「何か光ってるのが見えるんだけど…」
「ん?マジか?俺らはまだみえねえな」
気合を入れて十分後、あっさり森の中で明かりが灯っている建物を見つけちゃった。
次回はこのままですと
7月の第二土曜日朝6時更新です!