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ISO〜運動音痴でもいいですか?〜  作者: 安
はじめてのVRと運動音痴
2/30

ep2

はじめてということで連続投稿です。

流れを分かってもらおうと思ってやりました。

ストックは減りましたが後悔はしてません。


2015/03/06闇属性魔法の選択理由とその他諸々を編集

そして待ちに待った一週間後。

事前調べはバッチリ────と言っても見たのはアビリティの概要だけでモンスター等の情報は見ていないわけだが、華は自分の初期スキルを大方決めていた。

そして正午。

風奈とも約束がある華はいつもより早めの昼食をいつもより早く食べると、時間もぴったりISOにログインした。




◇◇◇◇◇◇◇◇


「うわーっすごい」


ISOの世界に入った私はまずそのグラフィックに驚かされた。

ほぼ現実と見分けのつかない石畳の道。

仮に今異世界に飛ばされたと言われても信じる自信がある。

そしてこの噴水のある広場にいる大量のプレイヤー達。

私は感動も薄れて絶賛人酔い中です。


「何か鳴ってる…?」


視界の端っこの方に表記されたのは『風』の文字。

どうやらふーちゃんからボイスチャットが来たらしい。


「もしもしふーちゃんどうしたの?」


『あー、はーちゃん?ちょっと思ったよりもプレイヤーのログイン早いし北のベンチで休んでて。すぐ迎えに行くから』


「ありがと。じゃあ休んでるね」


お大事に、と言ってくれたふーちゃんとのVC(ボイスチャット)を切り、私は人の波に呑まれつつノロノロと移動を開始した。

やっとの思いでベンチに着いた時には何もしていないのに既に満身創痍です。


「まだふーちゃん来てないし初期アビの確認でもしよーっと」


誰に聞かれるでもなく呟いて早速メニューを開く。

ちなみに初期にとれる10つのアビリティは

【弓】

【闇属性魔法】

【観察】

【細工】

【料理】

【調合】

【視覚拡張】

【魔力】

【魔力制御】

【】


の9つを選択した。

ひとつはゲームが始まった後に何かあるかもしれないから開けておこうと思う。

とりあえず私はメニューを開きそれぞれの説明を確認していく。


【弓Lv.1】

弓を射る時に命中や威力に補正がかかる。

補正の幅は習熟度に依存。

・使用可能アーツ

 ・【長距離射撃】


【闇属性魔法LV.1】

闇属性魔法が使えるようになる。

消費MPや回復量は習熟度に依存。

消費MP量を増やすことで効果時間、威力を上げることができる。


【観察Lv.1】

注意深くなる。

採掘ポイントや罠の位置がわかるようになったりする。

わかるポイントや罠の数は習熟度に依存する。

(このアビリティはパッシブです)


【細工Lv.1】

小物を削り出したり、宝石を研磨、加工できるようになる。

DEXにボーナス。

扱える素材や成功のしやすさは習熟度に依存。

・使用可能スキル

 ・レシピ登録


【調合Lv.1】

薬草からポーションなどの薬を調合することができる。

より高位の薬品を作るためには習熟度を上げる必要がある。

・使用可能スキル

 ・レシピ登録


【料理Lv.1】

ドロップした肉や野菜などから料理を作ることができる。

料理は空腹度を回復させる他、追加効果を得ることができるものもある。

扱う食材の種類の多さは習熟度に依存。


【視覚拡張Lv.1】

自分の視覚の能力を拡張させる。(例:目がよくなる)

拡張の度合いは習熟度に依存。


【魔力Lv.1】

魔法が使えるようになる。

MPゲージが現れる。

MPの多さは習熟度に依存。


【魔力制御Lv.1】

魔力を制御する。

制御の精密さは習熟度に依存。


我ながら良いアビリティを取った、と自画自賛できる。

因みに私の取ったアビリティはしっかりと考えた上でちゃんと取っている。

弓は矢が消耗品でコスパが悪いが細工で何とか作れるのではないかと思ってとった。

闇属性魔法は隠密に長ける魔法だということで、一発一発の威力を高めたり弓の射程を延ばしたりするより確実に隠れながら射るほうが私の場合確率が高いのでは?と思ってとった。

そうそうこのゲームは色んなロールをしたい人のために、魔法を使うのですらアビリティを取らないといけない。

魔法が使えない人のロールだね。

その時はスキルやアーツを使用するとスタミナをかなり持って行かれるらしい。私には絶対無理です。

そしてアビリティを取得する方法は実は一つじゃない。

普通はアビリティのレベルが10まで上がると1追加されるAP(アビリティポイント)を消費して取得するけどクエストの報酬でゲットできたり、かなり時間はかかるけどそのアビリティに合う動作を続けているとアビリティがゲットできることもあるらしい。

【剣】ならそれを振り回すとか。でもこれも私には絶対無理です。

とりあえず確認も終わったし、ふーちゃんを探そうと広場の中を探し始める。

すると、しばらくして見ず知らずの人に声をかけられた。


「君初心者?よかったらレベル上げとか戦い方とか教えてあげようか?」


声のしたほうを振り向くとそこには一人の男性。

男性にしては長めの青い髪が肩まで伸び、眼は赤く、人のいい笑顔を浮かべている。

顔はかなり整っているほうだったが、どこか不自然な、違和感を感じる。

この誘いをどうしよう?と考える。

今すぐに行くのはふーちゃんとの約束があるからもちろん無理だが、戦闘について教えてもらえる人がいるというのは素直にありがたい。


「えっと、これからすぐには無理です。今は友達と待ち合わせしていて…」


「あ、そうなんだ。じゃあフレンド登録でもする?そしたら暇なときに聞いてくれればいつでも駆けつけちゃうから」


フレンドに登録すると、そのフレンドが今現在ISOにログインしているかどうかがわかり、ログインしていればゲーム内で電話やメールきのうが使えるといった連絡機能だ。


「あ、それいいですねじゃあ―――「ちょっと待った」えっ?」

肯定の言葉を遮ったのはふーちゃんだった。

ISOのふーちゃんの顔は現実とほとんど変わらず、髪は緑色で髪型は変わっていなかった。

だからすぐにふーちゃんとわかったけど、


「どうしたの?ふーちゃん」


「いや、どうしたの?じゃないから!はーちゃ…ハルだめだよ知らない人とすぐにフレンド登録しちゃ」


「でもこの人戦い方とか教えてくれるって…」


そう返事をするとなぜかふーちゃんに苦笑いされた。


「とりあえず場所を変えよ?ここだといろいろ不都合だし」


ふーちゃんがさっと周りを見渡すと周りはそっと視線を明後日の方向に向けた。

それでようやく自分たちが注目されていたことに気づいて少し恥ずかしくなった。


「それとあんた。ちょっときなさい」


ふーちゃんはそういってさっきの男の人を連れて行った。

周りは「おいあれ神速の…」「やべぇ俺も声掛けようと…」「おいバカ死ぬぞ!」とか言って盛り上がっている。

私はまさか自分のことだとは思わず、ふーちゃんはこのゲームでは有名人?とかいうくだらないことをのんびりと考えていた。

しばらくしてふーちゃんが戻ってきた。


「次からは安易に誘いに乗らないでね」


と疲れた顔で言われてしまった。





◇◇◇◇◇◇◇◇

気を取り直してふーちゃんとパーティを組み早速フィールドに出発!と、思ったら


「もう一人パーティに加えるからもうちょっと待って」


と言われた。

そのもう一人がだれか聞いたけど、はーちゃんの知ってる人だよって言われて結局教えてくれなかった。


「そういえばはーちゃんはどんなアビリティを取ったの?」


待っている間暇なふーちゃんに聞かれて私は胸を張って自分のアビリティを教えた。

教えた瞬間ふーちゃんは固まってしまった。

多分私のアビリティ構成の奥深さに驚いているのだろう。


「な、なんで…」


「なんで?」


「そんな不遇アビ取ったのよ!!」


「え?え?」


どうやら違ったらしい。

そのあとふーちゃんを宥めて説明してもらったことを要約すると、

・まず【弓】は遠距離攻撃ができるが点での攻撃でそんな攻撃をするくらいなら魔法のほうが効率がいい。当たらない。コスパが悪い。

・【観察】とかなくても他のアビリティの方が使い勝手が良かったり、なくても困らない。

・【細工】は【鍛冶】などのより大きな生産アビリティの方がいいものができる。

・【料理】はそもそも食品をNPCが売っている。

・【視覚拡張】はそもそもあってもなくてもあまり変わらない。

ということらしい。

私のアビリティー選択って…失敗?

今度は落ち込んでしまった私を必死にふーちゃんが慰める番だった。

ああ…どうせこのアバターはゴミの塊なんだ…。


「おーい!」


「あぁ…やっときた…」


ほんとに…なんかそのごめんなさい。

心の中でしっかりとふーちゃんに謝っておく。

杖を持った手を振りながらこちらに走ってくるのはリアルでもよく見る顔の男の子。

顔は別に特別イケメンというわけでも不細工というわけでもない普通の顔。

ふーちゃんと並んで私の幼馴染のれーくん――――大藤蓮(おおふじれん)だ。身長は178㌢で髪の毛と髪型は現実と変わらない黒。眼は金色だった。

あー、れーくんのこのゲームやってたんだ。


というかふーちゃんもそうだけどれーくんも私とは何か装備してるモノ的な意味で若干違う気がする。


「れーくんだよね?れーくんもISOやってたんだ。でもなんで二人は私とそんなに装備が違うの?」


「あーそれはあたしもれーくんもβテスターだからだね。テスト時代のお金はそのままでレベルに合わせて装備が若干優遇されるのよ」


「ま、そういうことだ。あと俺はゲームの中ではレイだから間違えんなよ」


「風とレイね。間違えないように気を付けます。それにしても羨ましいな」


私は心底羨ましいけど、ふーちゃんもれーくんも肩をすくめるだけ。なんで?


「この装備って確かに初期装備よりカッコいいけど、基本それだけだからね」


苦笑しながらもふーちゃんは教えてくれた。


「ああ。確かにほとんど意味はないな。まぁ気持ち性能が高いかな?くらいだからな」


「ふーんそうなんだ」


でも普通より性能高いならいいよね。いいよね?





◇◇◇◇◇◇◇◇

「ところでこれからどうすんだ?」


あの後れーくんも私のアビリティを見て絶句してた。

そんなに酷いかなぁ?

私的には魔法だと『運動してる!!』って感じがないから嫌なんだけど。

でもそのあと


「ゲームは楽しむもんだしいいんじゃね?」


って言ってた。

なんかもう投げやりだったとかでは決してない。


「まだハルが戦闘慣れしてないだろ。だから今からパーティ組んでとりあえず初心者向けの南のフィールド行こうぜ。どうせハルはソロでやるんだろ?」


「ん~そうだね。今のところはソロで考えてるかも」


一応三人の名前は二人きりや三人きりの時を除いてゲームのアバター名で呼ぶことにした。

リアルを引っ張り出すと色々面倒なことになるらしい。

郷に入っては郷に従えって言うしそうしておきましょう。


「よし!じゃー出発進行!」


ふーちゃんの元気な声に後押しされて私たちは南門に向った。

こんなイベントして!とか

誤字脱字があればお願いします

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