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ISO〜運動音痴でもいいですか?〜  作者: 安
はじめてのVRと運動音痴
17/30

ep17

なんとなんと今日で投稿から1年です!

一年もやってる癖に全然話進んでませんけど、やっぱり月1でも定期的に投稿してエタらないようにと思ったのは読者の皆さんがいてくださったからです!

本当にありがとうございます!

また1年、どれくらい続くかは分かりませんが、宜しくお願いします!

ブクマ500、PV100000、ユニーク20000越え、本当に感謝です

「うぅ…私のアビリティレベルが低いせいかあんまり見えないなぁ」


現在セーフティエリアを視界に入れつつ周辺の探索をしている。セーフティエリア付近には敵が出てきにくいらしいけど、すぐ逃げ込めるという安心感が心に余裕を与えてくれる。私は避難経路を確認しつつ敵を探して行く。


「いた。やっと見つけたー。夜の森エリアの敵【ポイズンバット】」


夜の森エリアの【ポイズンバット】は普通のコウモリを少し可愛くして目を赤くした感じらしい。特徴としては名前の通りの毒攻撃とこの暗闇の中でも正確にプレイヤーを狙ってくるその夜目と機動力。そうしてプレイヤーに対する嫌がらせのような性能に対して体力は低めで極めて倒しやすいらしい。

これらは全部おの2人情報だから、極めて倒しやすいという情報だけは信じていない。というかあの2人は2人とも暗視系のアビリティを持っていないって言ってたのにどうやって極めて簡単に倒すんだろう???

やっぱりあの2人の言葉を信じてはいけない。私は私のやり方で倒すんだ。


「【集中】」


黄色い光が私を包み目が冴えてくる。【集中】アビリティ使用の証拠だ。

調合の時はあんまりわからなかったこのアビリティの効果を今ははっきりと感じることができる。ポイズンバットの挙動が分かる。どこを狙えばいいかが分かる。少しいつも練習している距離より少し遠い気がするけど今の私なら射抜ける気がする。矢筒から矢を取り出し弓に番え、しっかりと弓を引き絞る。狙うのはポイズンバットの頭。


「【長距離射撃】!」


システムのアシストが私を動かして、瞬間矢を放つ。これは外れない、そんな予感がした。しかし私は学ぶ女。ラビットの二の舞にはならないのだ。放った矢を見ることなくわたしはもう一つ、矢を番える。


「あ…れ…?」


その瞬間に気づく違和感。さっきまでの集中状態が、すでに効果切れだった。矢を引き絞る手も心なしか震えている気がする。ようやく第一射がポイズンバットに当たって赤い線が散るのが見えた。どうやら当たったのは胸のあたりみたい。もちろんまだ倒しきれてない。早く矢を構えないと。焦る気持ちとは裏腹にわたしの体の動きは遅い。


「っ!疲労状態…」


漸くこの状態の原因に気づくけど、今はただ早く。ポイズンバットは敵認定したわたしに向かってきている。この状態だといつもの半分くらいの距離まで来てくれないと多分当てられない。くぅ、こんなところにまでわたしのリアルが影響してくるなんて!

ポイズンバットはかなりの速さでわたしに向かってくる。ーーーー落ち着いて。速いけど真っ直ぐこっちに来てる。いつもの半分まで我慢。3…2…1、


「いまっ!」


わたしの弓から放たれた矢は真っ直ぐにポイズンバットに飛んでいきそのまま、


「外れた!?」


うそっ。接近されちゃったらわたしに対抗手段はない。また死に戻りかぁそんなことを考えつつ衝撃を待った。


「…あれ?」


いつまで経っても衝撃は襲ってこない。恐る恐る顔を上げてみる。ポリゴンとなって散っていくポイズンバットがいた。


「か、掠ってたのかぁ…」


わたしの放った弓はギリギリ、本当にギリキリポイズンバットに掠っていたみたいだ。


「あははは!やった!倒した!私一人でも倒せるんだれやったーーーーー!あいたっ」


ガッツポーズを取りながら飛び上がろうとして足を縺れさせて転んでしまった。


「疲労状態…そっか」


戦いの途中になったこの疲労状態の、原因は【集中】の使用で消費したスタミナっぽい。一回の戦闘の、ほんの数十秒で、私のスタミナが切れたみたい。リアル準拠で私の体力が無いのがこんなに影響があるなんて思ってもみなかった。

【状態異常:疲労】は自分のスタミナを使い切るとなる状態異常で、スタミナが半分回復するまで全ステータスに下降補正が掛かるというものらしい。私はもちろん初めてなったけどあんなに目に見えて動きづらくなるとは思わなかった。私でこれなんだから他の人たちはこんなものじゃないんだろう。


「よかった。セーフティエリアからあまり遠くまで来てなくて」


私はよろよろと体を起こしてセーフティエリアまで来た時の約倍の時間を使って戻った。


「うあ〜たった一回の戦闘でこんなになるなんて折角色んな種類の矢を用意したのにあんまり意味なかった〜」


適当な岩に体を預けてようやく一息つける。セーフティエリアで安静にしておけばスタミナのかいふくそくどはけっこうはやいらしい。実際はHPやMPと違ってバーがなくて残量が確認できないから体感で感じるしかないんだけど。でも実際検証ギルドみたいなのがあってそこが検証したらしい。この倦怠感を場所とか状況による回復量の差を検証するために何度も味わったのかぁ…不思議な人もいるなぁ。

でもそんな人たちですら検証しないポーションってどんだけなんだろ。β版の時に素行の悪いプレイヤーにポーションを飲ませたら礼儀正しいプレイヤーになったとか罰ゲームでポーション飲みをした人が一週間ログインしなかったとかそういう伝説に事欠かないポーションさんですからね!


「やっと楽になってきた…。とりあえず色々と確認しないとね〜」


これからはさっきまでの実戦の成果の確認タイムだ。まずはドロップ品から。インベントリを開いてドロップ品を確認する。インベントリにはしっかりとポイズンバットのドロップ品と思しき【毒小蝙蝠の飛膜】の文字が!

特に意味はないけど早速インベントリから取り出してみる。


「おおー」


インベントリから取り出された飛膜は本体の大きさも相まってそれほど大きいわせではない、というかぶっちゃけ小さかったけれど私の初めての狩の成果だからこれは額縁に入れて飾っておきたい。

その後十数分飛膜を見ながらニヨニヨしていたのに気付いたので周りに誰もいないのを確認して、顔を引き締めて、今度はアビリティがどれくらい上がったかを把握しよう。


「うーん…あ!結構上がってる!」


私の今のステータスは【弓:12】【闇属性魔法:10】【観察:9】【細工:8】【料理:4】【調合:7】【視覚拡張:11】【魔力:10】【魔力制御:8】【集中:3】まで上がってる。4つのアビリティがレベル10を超えていてちょっと嬉しい。レベル10まで行くとAPが1貰えるからまた何か別のアビリティが取れるようになる。でも今の私にはそんなに有用なアビリティはなさそうかな?


「あ!スキルも増えてる!」


【弓】が多分レベル10で【貫通矢】というスキルを覚えたみたい。

【貫通矢】

弓の攻撃力を上げる。2%の確率で相手に【失血】のバッドステータスを与える。

【闇属性魔法】もレベル10で【ダークバインド】を覚えた。

【ダークバインド】

相手に【盲目】のバッドステータスを与える。効果時間や強度はアビリティレベル、INTに依存する。


「こうやってやってることの結果が直接数字で見れるとやる気にもつながるなぁ」


こんな私でも弓のアビリティレベルがどんどん上がって行くしね!でもやっぱり訓練よりは実戦の方がアビリティレベルは上がりやすいみたい。毎日毎日夜の狩りでこうなっちゃいそうで怖い。


こうやって毎日【状態異常:疲労】を発動させながら、私の修行の一週間は過ぎていった。

次回はいつも通り第二土曜日の朝6時に投稿いたします。

最後まで書き溜められたら毎日更新になりますが、それまでば月1更新でご容赦ください。


こんな話が見たい!とか誤字脱字ありましたら感想欄等でお教えください

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