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ISO〜運動音痴でもいいですか?〜  作者: 安
はじめてのVRと運動音痴
14/30

ep14

ポイントご1000を超えました。本当にありがとうございます。

読者の方がいらっしゃるからこそ、続けていくことができます。

感想や誤字脱字等あれば宜しくお願いします。


2015/12/30誤解を招きそうな言動を修正

「え?」


「はーちゃん。このミニゲームの最高記録は何個だと思う?」


唐突の質問に若干の疑問を感じながら私は考えてみる。私が23個だったから、三倍くらいの


「69個くらい?」


「ざーんねん。答は96個。それでその記録保持者が…れー君なんだけどね」


「な…」


少し笑いを噛み殺しながらふーちゃんは私にそう告げた。そしてそれが聞こえたれー君は今度こそ錯覚ではなくて笑いながらこっちを向いた。


「ごめんはーちゃんそういうこと。じゃあ最後の仕上げな。【ディレイ解放:サンダー】」


れー君が今まだに聞いたことのない魔法を唱える。【ディレイ解放】?唱えた瞬間、大量の魔方陣がれー君の背後に現れた。どうやったかは知らないけど、その大量の魔方陣から放たれるのがサンダーだと分かったときには、すでにすべてのバルーンが吹き飛ばされていた。唖然とする私にれー君はさらにいい笑顔を作り――――


「【エリアボルト】」


回復したバルーンの上に小さな雷が落ちた。



「ちょ、今の卑怯だよ!そんな一位とか聞いてないし!それじゃ初めから勝てる試合じゃなかったじゃん!」


結果は惨敗。最後ので16個×2の32個も割られてしまった。もう最後の一押しだけでも私は負けていた。






◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「うう…まさか二人掛かりで騙してくるなんて酷いよ…」


「ごめんね!私たちが誘ったのにそのあとちょっとほったらかしみたいな感じになっちゃったから、一緒に冒険したいなあと思って!」


「普通に誘ってくれたら良かったのに…こんなことしなくても」


「いやーそれだと面白くないし?」


「面白くないって…」


「ほんとだよ全く…。そういうことに毎回毎回付き合わされるこっちの身にもなってほしいもんだな!」


「まーまーれー君。そんな小さいことを気にするなんて君は男が小さいんじゃないかい?」


「おめーが言うな!ま、これから行くとこは俺も気にはなってたからいいけど」


「れー君は素直じゃないなぁ。男のツンデレは見苦しいよ?」


「おまえなぁ…」


そのまま言い合いになってしまう二人だけど、これは昔からそうだから私はもう気にしない。って言うか最終的に子供の喧嘩みたいになるからちょっと恥ずかしい。

私が現実逃避気味にそんなことを考えていると、何か光るものが轟音を轟かせながら目の前を飛んで行った。


「え?」


その飛んで行った方を見ると、何と体の周りに雷を纏わせたれー君だった。


「あれ?」


「てっめそこまでやるか!」


呆気にとられているとそれは飛んできた相手にとっても想定外だったらしく憤慨していた。


「れー君がいきなり臨戦態勢に入るからじゃん!やられるかと思ったし~」


「そっちがその気ならこっちもやってやる!【エリアボルト】」


「近接武器に対して遠距離の範囲攻撃とかひどいなー【飛翔斬】」


「ちょ・・うわぁ!」


リアルじゃないからかどんどんエキサイトしていく二人。

れー君の範囲魔法に対してふーちゃんは刀を構えて光らせた刀から緑色の斬撃を飛ばして相殺する。

そしてその相殺されたエネルギーの逃げ場はもちろん二人の中間にいる私に向かってくるわけで――――


「「あ、はーちゃん!てめぇ!」」


「い、いや二人のせいだよ…」


そしてそれを二人はお互いのせいにしてさらに激化している。そしてお互いの技を相殺するたびに私のHPが削られていく。


「【ボルト】」


「【飛翔斬】」


「ちょ、ほんとにやばい…」


最弱のラビットにやられる紙装甲の私のヒットポイントは風前の灯火。

2回目のデスはまさかの友達の喧嘩に巻き込まれたからなんて、私の死ぬ理由にロクなのがない。私がデスを覚悟した瞬間…


「…あれ?」


私は死んでいなかった。ヒットポイントはなくなるかなくならないかの瀬戸際から減らない。何かの魔法?と思ったけどその答えは2人がくれた。


「あ、はーちゃんここでは死なないよ」


「覚えたてのスキルとか効果範囲わかんないと外で使ったとき危ないだろ?だからこうやって巻き込まれても大丈夫なようになってんのよ」


「そ、そういうことはもっと早く知りたかったーーーー!!!」


私の絶叫は虚しくも訓練場に木霊した。








◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「いや悪かったって!」


「もう許してよ〜」


必死で謝ってくる風の二人。こういうときは簡単に許しちゃダメだって経験が教えてくれる。…教えてくれる。


「いやあれだよ。俺ははーちゃんにな、こういう突発的なことが起こったときに瞬時に魔法薬を使える?そう!そういう訓練をしたかったんだって!」


「確かにあの時回復できてればはーちゃんは普通に死ななかった。そしたらこんなことも起こらなかった。つまり悪いのははーちゃんなんじゃ…」


「そんな悪いことを言う口はこれかー」


「い、いひゃいよはーひゃん」


でも、これからソロプレイをしていくにあたってとっさの回復っていうのはかなり重要になるはずだ。

そういう意味では良い経験と言えるかも…言えるわけない!

全く…二人はいつもこうなんだから仕方がない。ここは大人の余裕を見せる時…!

私はふーちゃんから手を離してインベントリからミルの実ポーションを取り出して一気に煽る。本番ではここもスピード勝負なんだろうなぁ。そして自分のHPバーを確認する。よし、結構な回復量だ。というか今の私にはオーバーヒールなきがする。


「ふ、ふーちゃん?」


「何?」


「その…大丈夫?」


「えっと…何が?」


「だってぽ、ポーション飲んだから。あれはもはや毒物とまで言われてるのに」


もはや毒物って…ただ想像を絶する不味さなだけなのにゲームの人達は表現が大袈裟だ。多分噂は知ってるけど飲んだことある人は少ないから、噂が一人歩きしちゃったんだろう。一人歩きしてる裏さに同意できるっていうのもどうかと思うけど。


「大丈夫だよ。このポーションは美味しい素材でできてる、飲めるやつだから」


「の、飲めるポーション?」


「それって…」


「多分今噂になってるやつだな…」


「噂?」


「ああ」


都市伝説、飲めるポーション。それは何処かの露店で売っていた回復ポーションである。製法、素材等は一切不明で謎に包まれている。

それを露店で買ったプレイヤー曰く、NPCの露店であったということ。

しかし目撃情報がほとんどなく、次にその場所に行った時にはすでにその場所に露店はなかったらしい。


「なんでそんなホラーちっくなの?」


「知るかよ。そっちの方がおもしれーからだろ」


でもNPCの露店っておかしくない?私が売ったのはプレイヤーのルーさんだし、本当にNPCにはあのポーションを作る技術があるのかも。

もしくはミルの実とは違う、全く新しいポーションかもしれないし、まだまだ探検が必要かもしれない。


「でも美味しいポーション私も飲みたかったなー。はーちゃんまだ在庫ない?」


「馬鹿野郎。あれって今存在を確認したけどかなりのレアアイテムだる?どうやって手に入れたかは、その人のアドバンテージにも繋がるから、そう簡単に教えていいもんじゃねーぞ」


「それくらいわかってるけど…きなるじゃん」


「あげるよ?はい」


「「えっ」」


「れーくんとふーちゃんだから言うけど、このポーションは私の自作だから。材料とかは教えていいのかわかんないから言えないけど。あと、多分私のポーションはその都市伝説のポーションとは関係ないと思うよ」


「まあ、製法なんかは生産職アドバンテージになるからそれはいいと思うけど。それに俺らが聞いたって実際作れねーもんな」


「そうだねー。でもなんで都市伝説のポーションとは関係ないって言えるの?」


れーくんは笑い笑いし、ふーちゃんは不思議そうだ。


「だって私は確かにこのポーションを売ったけど、それは露店を開いて売ったんじゃないし、「「知ってる」」うるさーい!私が売ったのは露店にいるプレイヤーのお姉さんだもん」


「へえ。あの電話のあとにちゃんと買ってくれる人見つけられたんだな」


「、まあね。ちゃんと適正価格で引き取ってくれたし、良い人だったよ」


「はーちゃんよかったねー」


そもそもふーちゃんに騙されなければ金策はもっと簡単だったのにとジト目を向けるとスッと目を逸らされた。こっち見なさい。


「それで、罰ゲーム?ってどうするの?」


「あー罰ゲームって言うか噂の検証がしたいんだよ。まぁ噂の内容もないようだし、この3人でやろうと思ってな」


「そうだねーはーちゃんにとっては結構良い話だと思うよ」


「ふーん。どうせその日まで噂の内容は教えてくれないんでしょ?意地悪だなぁ」


たははと笑いながら頭を掻くれーくん。図星なんだなあ。


「コホン。検証日たけど、俺らはこの一週間はちょっと忙しいんだよ。だから一週間後でどうだ?」


「、私はソロプレイヤーだから基本的に暇だよ」


「じゃあそういうことで」


約束の日を一週間後に決めて、その日はそこでログアウトした。二人に振り回されて疲れちゃったからね。

次回1月第2土曜日朝6時

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