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ISO〜運動音痴でもいいですか?〜  作者: 安
はじめてのVRと運動音痴
13/30

ep13

お久しぶりです更新日です。

勉強辛いです。全然解けません。

漸くリクエスト頂いたスポーツ的な何かが出来ました。

本来なら5話くらいで出る予定やったのにおかしいなぁ…

「今日は何がいいかな?」


冷蔵庫に貼ってある冷蔵庫内の食材のストック表を見つつ思案する私。顎に手を当てて考えるってちょっと大人の女性っぽい。

昨日の約束でふーちゃんとれー君が今日はお昼ご飯を食べにくるから、夏っぽいものを用意したいと思う。


「素麺…でもふーちゃんもれーくんもどっちも足りなさそうだしなぁ。夏っぽいもの、夏っぽいもの…。夏野菜…ボリューム…トマト…茄子…うーん夏野菜の冷製パスタ?」


素麺と違ってパスタなら大盛にすれば、二人とも足りそうだ。不思議なことにふーちゃんは食べても食べても全然太らないからうらやましい限りだ。

とりあえずまずは大きめのフライパンにお湯を沸かしてトマトの湯剥きをする。トマトの準備と並行してパスタ麺の方も茹で始めないと。この暑い季節の中濛々と蒸気を上げつつものを茹でるとさすがに暑く、汗がどんどん出ていく。これは作り終わったらシャワーを浴びなければならないかもしれない。

皮がめくれてきたトマトをお湯から外して冷水に付ける。その間に沸騰したお湯にパスタを入れてトマトを茹でていたお湯にキノコ→茄子→豚肉の順に湯通しする。

冷水に着けていたトマトを外して皮を剥き、5cm角に切って湯通ししたものと少しの油で一緒に炒め、味付けは梅のドレッシング。

これをお皿に盛りつけて大場を飾れば出来上がり。これで夏でもサッパリ食べられる冷製パスタの出来上がりと。

時計を確認すると現在12:00ぴったり。れー君はゲーム廃人のくせに部活は運動部に入っているから家に着くのは多分に45分位だろう。


「じゃあシャワー浴びよーっと」


料理で汗ばんだ体をリフレッシュするためにシャワーを浴びよう。





◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「おじゃまーしますー」


おそらくれー君に合わせて30分にふーちゃんが来た。


「何その恰好?」


ため息を吐きながらふーちゃんに質問する。ふーちゃんの今の恰好は夏用のジャージ。まあ幼馴染の家に行くんだから別に部屋着でもいいとは思うけどね。


「まーいいじゃんいいじゃん。3人しかいないんだし。それにほらこれ!」


そうやって持っている紙袋を私に見せてくる。


「なに?これ」


「これはねー」


ふーちゃんが中から取り出したのはISOのギア。


「お昼ご飯の後に3人で一緒にやろーよ!」


「れー君にも言ったの?」


「言ってないけど?」


「大丈夫?」


「まぁれー君はISO廃人だから言わなくて伝わるよ」


どうやらそういうことらしい。

その後予想した時間通りにれー君が来てしっかりと残りなく冷製パスタは平らげられた。


「うっしじゃあやるか!」


れー君はスポーツバッグを持ってきてたから持ってきてないかと思ったんだけど、いったん家に帰ってからシャワーを浴びて準備してから来たらしい。

男女が同じ屋根の下で気を失ってる状態は不味いかと思うかもしれないけど、今日は一緒に行動するらしいからすぐわかるよね。

一応れー君からログインしてもらったけど。


◇ ◇ ◇ ◇


RRR…RRR…RRR

「はーい」


『あ、はーちゃん?れー君とはもう合流したから第一の街の中央の噴水広場にいるからよろしくね』


「今から行くねー」


幸い前回ログアウトしたところからは近かったのでそんなに時間もかからずに合流することができた。


「おーい!」


「はーちゃんあの宿屋にいたんでしょ?ちょっと遅くない?」


「え?走ってきたんだけど…」


「リアル準拠って言っても普通はある程度補正かかるのに、これはほぼ最低値引いてるっぽいよな。」


「うぐっ」


「ま、それも最初のほうだけだろ。身体がVRのスピードに慣れてくれば人並みになるように成長するし。今はまだこんなもんだろ」


れー君が慰めてくれるけどそれは全然慰めになってないから!


「い、いいよこれからだし。このゲーム最速狙うし」


「「それは無理」」


「そんなに超え合わせて言ってこなくてもいーじゃん!」


「まあまあそうへそを曲げないでよ」


「曲げさせたのは誰!?」


いや、ほんとに最速を狙うっていうのはもちろん嘘だけど、それなりに動けるように名はなりたいと思ってるんだよ。せめてVRの中で位はいい思いをしたっていいと思うんだよ。


「それで、今回は何をするの?」


そしていつもこういう我慢比べで負けるのは私。ふーちゃんとかれー君とかその辺のことを分かってやってるから尚たちが悪いというか…。


「このISOにはギルドがあるじゃない?」


ギルド――――この場合は冒険やギルドだと思う―――はISO内に存在する。ここでは武器の使い方を学べたり、アドバイスを聞けたり、図書館があったりする。よくあるようなクエストの斡旋所、というわけではないらしい。因みにプレイヤーたちの集団はクランというらしい。ふーちゃんはクランに入ってるみたいだし、れー君はいっつも固定パーティなんだとか。…私はソロだけど。


「そこでミニゲームでもしようと思って!」


「ミニゲーム?」


「ああ。ま、ゲーム内なんだしたまにはそういう遊び要素を楽しんでもいいと思ってさ。ほっといたらはーちゃんはいつまで経ってもギルドに行かないと思うし」


れー君に少し笑いながら言われたのは少しムッと来たけど、確かにその通りだと思う。まだVRになれたわけでもないからね。


「そんなわけでさ、とりあえずギルドの方に移動しようぜ」


ギルドの外観はレンガ造りでなんというか…威圧感がある。他の建物より一回りは大きいしそこだけ何故か文明が進んでいる気がする。…周りが木造なのに?運営は何を考えてここまでギルドをここまで孤立させたんだろう。

ギルドの中はクエスト斡旋所ではないせいでファンタジー小説に出てくるような内装ではないけど。


「俺らが用があるのは地下の修練場だから」


「ボーっとしてないで行くよー」


そしてれー君たちに急かされて全然観察ができなかった…。まぁあんまり来ないと思うし、また来ればいいしね。


「よしっ!着いたよ」


「こ、これは…何?」


地下には何故か草原のような空間が広がっていてそこに何故か人間台のバルーンが浮いている区画があったり、案山子が置いてある区画があったり、土俵が作られている区画があったりする。


「ここはアビリティレベルを上げれる施設で、戦闘する前にある程度まではアビリティのレベルを安全に上げれるんだ。レベル10までだけどな。まぁ戦闘よりは大分少ないけど、地上で振り回したりするよりかは効率がいいらしいぞ」


「え…」


「因みにここはダンジョンって設定らしい」


「ダンジョンですかー」


「なんで敬語?」


まさか態々外でやらなくてもここに来てればもっと早くレベルを上げれたなんて…。


「で、でもせっかくのISOという初のVRゲームなんだしこの世界を楽しむならやっぱりこんな施設に頼ることなくレベル上げするのが醍醐味だしこの前も矢を削りながらやってたし、そんなことしたら周りの人にも迷惑掛かるだろうし。私は間違ってなかった。私は間違ってなかった…」


「い、いや別にそのくらいいいんじゃ…」


「きにしてないよ?」


「ま、それはいいんだけど、それでなんでこんなとこ来たかってと遠距離武器のレベラゲにバルーン割りがあるんだけど、それを一分間で何個割れるかって遊びが最近流行っててさ。魔法の習熟度上げにもなるし。だからやろうと思ってさ。どう?何か賭けてやってみないか?」


「おお!それ面白そう!…でも」


「でも?」


「すでに勝てる気がしないんだけど…」


「それは大丈夫だよ、はーちゃん!魔法は弓と違って一回発動したらクールタイムがあるし、それに詠唱もあるから、早さなら結構いい勝負すると思うよ」


確かに魔法の発動はインターバルがあるし、それが攻撃力が高かったり飛距離が長いとさらにインターバルが長くなるらしいし、ここからバルーンまでは10メートルから30メートル。それに結構密集してるから少し狙いがそれても他のバルーンに当てることができそう。

でも練習よりちょっと遠いなぁ。


「じゃあはーちゃん。はーちゃんは10メートル、俺は20メートルでいいよ」


「それならやる!」


距離も二倍なら私にだって十分勝機はある!むしろ勝てる見込みの方が大きい!私の天下だ!


「それで――――何賭けるの?」


まだ何を賭けるか決まってなかったのでれー君とふーちゃんに聞いてみる。


「ぬーそーだなーお金やアイテムなんか今はいらないしなー」


「そもそもはーちゃんお金持ってないしね」


グサッ


「アイテムもmobからドロップするやつなんかはmob倒せないから持ってないだろうし」


「最弱のラビットに負けるもんな」


グサッ


「ちょ、ちょっと?何か趣旨変わってるよ?私を貶してるよ?」


「「いや事実確認を」」


グサッ

▽ハル は ちからつきた▽

そんなに言わなくても…。がっくりと地面に手をついている私に流石にあわれに思ったのかいいタイミングでふーちゃんはパンと手を鳴らした。


「じゃあ、お手伝い券っていうのは?」


「お手伝い券?小学生がよくやる奴か?」


お手伝い券―――小学校低学年くらいの子供たちが一度は親にプレゼントしたことがあるあれだ。かくいう私も昔、肩たたき券なるものをお母さんに渡した記憶がある。


「そうそう!ISOで何か困ったときに!」


「ん~それだとなんかあまりにも子供っぽ過ぎ無いか?でも案としては良いしな。じゃあ俺が勝ったらちょっとクエスト手伝ってもらおうかな」


「じ、じゃあ私が勝ったら狩りの手伝いね!」


「りょーかい。じゃあ早速やるか」


「先にはーちゃんからやる?」


「うん。でもちょっと矢を準備させて」


「矢を?へーはーちゃん自作してるんだ」


「うん。あんまりお金ないからね」


私はスキル【レシピ】から普通の矢と、今回の秘密兵器を量産した。これで勝てるかもしれない。


「じゃ――――はじめ!」


ふーちゃんの号令で始まった第一回バルーン割り対決。ふーちゃんはもちろん近接武器なので出場してないけど。そしておそらく第二回はない。

私は開始の合図と同時に矢を番えて、5×5に配置されているバルーンの一番後ろに狙いを定める。


「【長距離射撃】!!」


そしてアーツ【長距離射撃】で山なりの軌道で矢を打ち出す。打ち出したら自分の最速の動きで今度は10メートル地点のバルーンに狙いを定めて矢を放つ。急ぎ過ぎたせいで外れてしまったけど気にせずにある程度の狙いをつけてなるべく早く矢を放つ。

4×4もバルーンがあるから少しくらい狙いがずれても当たるはず。

さっきからは大体命中率は7割くらい。私は本番に強い方だからね。


「おー結構当てるなー」


「はーちゃんあと30秒だよー!」


「も、もう!?よーし」


ここで私の秘密兵器を投入する時が来た!矢筒から目印をつけておいた矢を番える。今度も真ん中を狙って…

ビャイン!!

気の抜けるような変な音がしてその矢は途中までまっすぐ的まで飛んで、途中で急に大きく曲がって他の的に当たっていく。


「やった!予想通り!」


「おっ?」


そのまま最終兵器の矢を射続けて30秒が経過した。


「ふぅー…。おわ――ぶっ」


ようやく終わった…。最終兵器はうまく機能したし、なんかやりきった感じがする。そう思って集中の糸を切って一息入れようとして―――背中をたたかれた。


「痛いよれーくん!」


「あ、ごめんごめんつい」


振り返ると満面の笑みのれー君。横を見るとふーちゃんも苦笑しながら拍手している。


「いやーまさかはーちゃんがここまで当てるとは思わなかった」


「そうだよねー合計はバルーン23個結構いい線言ってると思うよ?」


「ほんと!?でもれー君は女子の扱いをもう一度考え直すべきだと思うよ?」


「う、以後気を付けます…」


こう、ストラックアウトみたいな感じのゲームなんて、もちろん苦手な私。リアルでは届きすらしなかったり、スピードガン計測不能の遅さだったりするのに、このVRゲームではうまくいくし、やった後に達成感まである。ゲームってすごい。


「これは俺もまぁまぁちゃんとやらないとだなー」


れー君は気合を入れ直すと手元を操作してアイテムボックスから杖を取り出す。


「なんというか…すごい杖だね」


れー君の杖は黒い木が途中でねじれて先端部分の宝石を守るように囲まれていて長さもれー君の身長くらいある。


「お、これか?20万の杖を鉄さんのところで10万で改造してもらってさ~」


「さ、30万の杖」


急にそのまさに男の子が好きそうな外見の杖が光輝いて見える気がする。


「うっし。じゃあいっちょやるか」







「【サンダー】」


「れー君残り30秒」


ふーちゃんの呼びかけにれー君は手を上げて答える。れー君のチャレンジも佳境に入っている。ペースとしては私とそんなに変わらないように見える。確かに弓よりも魔法の方が速いけど、弓は魔法より早いのだ。距離も二倍だしね。


「ふーちゃんこのままいくとどうかな?」


「うーんこのままのペースだと若干はーちゃんの方が多いんじゃない?」


「本当!」


それを聞いて私は勝ちを確信した。さっきも言ったとおり魔法は早さを変えることができない。つまりこれ以上のペースアップは絶対に不可能!


「このままのペースだとね」


ふーちゃんの呟きと同時にれー君の口角が僅かに上がったように感じた。


来年4月までは月一維持できます。

次回12月第二土曜日朝6時。

お楽しみに!

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