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ロストメモリー  作者: ツカサ
1/2

瞬間移動者の「覚醒」

「は…?」

おそらく早朝、小鳥のさえずりが聞こえる公園のベンチで、俺は目を覚ました。

頭はボーッとしている。そのため思考は恐ろしくノロい。

情報処理能力が欠如した俺の頭は、まず自分が公園で目覚めていることに対する違和感を感じ取った。ごく一般的な生活を送る高校生である俺の目覚める場所は、自分の部屋か授業中の自分の席以外あり得ない筈だ。集中力の欠けた俺の頭は疑問に対する答えを深く追求しようとせず、とりあえず自分の部屋に戻ることに方針を固めた。ベンチから立ち上がろうとしたところで、自分の足が地面についていないことに気づく。

足のリーチが異様に短い。

そういえば視界の端に映る自分の手も異様に小さい。

得体の知れない恐怖に襲われつつ

急いで自分の姿を確認できるものを探す。結果鉄製の滑り台を見つけ、自分の姿を映す。

直後、ボーッとしていた頭を一気に覚醒させるほどの衝撃が貫く。

鉄製の滑り台に映った自分の姿。

やや茶色がかった髪。

一重まぶたなのに大きめの目。

総じてそこには、俺の知らない

小学生くらいの少年が、呆然とした顔でそこに立っていた。

「なん、で…」

最初に気づくべきたった。

今発した疑問の声も、最初の声も、それは自分の声とは異なる、

やや高めの声だった。

「どうして…え……ッ」

終わらない疑問の声を発しつつ

聞いたことのない声が自分の口からでる状況にいちいち驚き、怯える。そんなことを繰り返していると、ふと自分の肩に手が置かれていることに気づく。

「うわあああぁぁぁッッ」

情けないほど怯えた悲鳴をあげつつ。振り返るとそこには、フードを目深にかぶった高校生くらいの少年が。静かに俺を、見下ろしていた。



黒いフードの少年に手を引かれて俺は歩き出した

「どこに行くんだ?」そう聞いても

少年は黙ったままだった

俺は複雑な心境の中で、少年と歩いた

暗くてジメジメした路地裏に連れ込まれた。

そして路地裏の影から出てきたのは、メガネを掛けた少年だった。

「君はもう、『入れ代わって』いるんだろう?」

メガネの少年はニヤニヤしながら、囁くようにいった

「入れ替わってる?何を言ってるんだ?」と俺は言ったが

少年は不敵な笑みを浮かべて消えて行った

俺のそばにいた少年も、『またいずれ、、』

と言い残し去って行った

取り残された俺は、とりあえず出口を探すことにした。

だが俺はまだ知る由もなかった、これから起きる出来事を……………

突然、路地の一角が爆発した。壁が吹きとばされる。辺りが炎に包まれ

その中から大量の「人」

が溢れかえってきた。

ゾンビのような足どりでこちらへ歩いてくる。

殺す気満々だ、なんというか、目がヤヴァイ。

ヒトじゃない。

「助かりたいか?」

ふと、頭に声が響く

「助かりたいなら、

自分を忘れろ」

何分走っただろうか、、

俺は自分がどこを走っているのか分からなかった

「そろそろ答えが解ったか?」

頭の中に語りかけてくる

自分を忘れろ?とんちなのか!?

その時あの黒いフードの少年が現れた

ところで、遠くからその様子を観察するメガネの少年は世界最高の催眠術師と呼ばれていた

「あー何アイツ勝手に出しゃばってんだよ、実験が台無しだ…」彼は

フードの少年に対し愚痴をこぼす



フードの少年を押しのけ、俺はひたすらに走っていた。頭の中の声がとてもうるさくて、忘れろ!忘れろ!忘れろ!と

謎のコールをしていた。

ゾンビ人間の手はもうすぐ後ろに迫っていて、俺は焦り、絶叫した。

「ああ、もう、何を忘れろって言うんだよ‼」

その刹那、背中がゾンビ人間の手に引き裂かれる。

周りが真っ暗になる。

時間の流れが止まる。

そんな情景の中で誰かが

ニヤりと微笑むのが見えた。この笑顔は、頭の中の声の主だ。


いいや、オレだ。


俺の質問にオレが答える

ニヤニヤしながら、

「存在をだよ、存在を忘れろっつってんだ」

俺は尚質問する

「何…言ってんだよ…」

俺は空中に飛ぶ血飛沫を指差し、

「この、血飛沫だって、

俺の存在証明で、だから、だから…」

オレは真顔で答えた

「だがアイツらに切り裂かれば、お前という魂の存在は消える」

オレは続ける。

「だから、そのために

自分の存在を一旦消せっつってんだ」


ていうか、なんでさっきから俺の質問にオレが答えてるんだ….?俺はオレの筈で、いいや、違う

俺は俺なんだ。だから、

つまり、

「つまり、俺は、オレなんだ。」

オレは俺に諭すように言う

更にオレは俺の肩をポンと叩く。

「あとはオレに任せな」

止まっていた時間の

流れが、動きだす。

背中から血を滴らせながら上げた顔にあるのは、普段の俺にはあり得ない、得意気なオレの表情だった。


その状態を一言で形容するなら、


「二重人格、といったところか」

メガネの少年改め催眠術師は爆散していく

ゾンビ人間と、その中央にいる、得意気な顔の

少年を見つめながら、つまらなそうに呟いた。


「面倒な奴だな」と少年が愚痴をこのしながらこっちに少し笑いながらやってくる。

上等、っと俺の中の「オレ」が少年に向かって行った

実際自分には何が起きているかわからない、

わかることは

「二重人格」と「少年が敵」ということだけだった

「お前、オレが誰だか分かっているか?」

オレは余裕の態度を見せる少年をむしろあざ笑いながら言った。

「?」

疑問を見せる少年に対し、オレは親切に教えてやることにする。

「それがな」

次の瞬間、オレは少年の

後ろに立っていた。

「テレポートじゃないぞ」

驚いた少年が降りかえる

頃には、そのまた後ろにオレが立っていた。

「オレは、世界で一番

体感時間が早いと言われた人間だ、常人の3000倍の

長さで時間を感じられる。

そんな彼にも限界があった。

もう一人の自分が意識を戻すと活動出来なくなってしまう、いつまた出てこれるかわからない。

そういう弱点が彼にはあった

しかし、1秒につき3000秒の猶予を与えられている彼にとっては数分もてばそれは充分な時間だった

そんなことを知ってのことかフードの少年は尚も笑顔だった

なぜなら少年にはオレに対抗する事ができるすべがあるから

この対抗するすべとは

「…これだよ」

フードの少年は懐から

ロッドの様なモノを取り出した。

「?」

オレが疑問の声を上げた直後、フードの少年の頭が吹き飛んだ

いや、詳しく言えば

頭を中心に蹴り飛ばされ

たのだが。

俺の方へ飛ばされた少年はあまりの勢いに気を

失っていた。

オレはゆっくり蹴り飛ばした奴へと目を向ける

そこには眼鏡の少年が。

ハイキックの体制のまま

無表情でこちらを見ていた。

すると眼鏡の少年が

「ここでは場所が悪い、またあとで会おう」

そう言い残して彼らは消えた。

そしてオレから俺へ、いつの間にか変わっていた

勿論俺はそんなこと知る由もなかった。

なぜかって?

気を失っていたからだ、

覚えていることはフードの少年と眼鏡の少年が襲ってきたということだけだった

なんだかよくわからないが危機は去ったらしい早くこの地域から脱出しなければ

よし、ここらへんまで来たらもう大丈夫だ…


ん?看板?なになに、

『一之江』

クッソ、迷った

『一之江』

ここはラーメン屋か…

「よお、無事に生き残ったみたいだな」

見ると高校生ぐらいの少年が無表情にこちらをみていた

この夏だというのに上着含んだ学ランを

きっちりと着ている

背中になんか背負ってる

部活の道具だろうか…?

(なぜさっきのことを知っている?こいつが何かを知っているのか?)そんなことを考えていたら

反強引にメニューを渡された、

・醤油ラーメン

・味噌ラーメン

・店長のオススメ

しょ、醤油ラーメンで…


いやまて、味噌ラーメンもなかなか…

でも醤油ラーメンはサッパリしていて割と好きだ、

でもでも味噌ラーメンだって味噌のコクがなんとも言えない、


味噌ラーメン?醤油ラーメン?どっちにしよう…


ここは間をとって店長のオススメにしよ

「つかその前にこの店のメニューこれだけですか?」

俺は飽きれ顔で聞く。

「当たり前だこんな裏路地の店で…」

少年はぶっきらぼうに答えた

「俺的には激しくとんこつなんだが…」

「お前の好みなど知るか」

仕方ないじゃあ醤油味噌で迷うの嫌だし

「店長のオススメもらいます」

と言った

少年は少しだけ頬を緩め厨房に向かって

「店長〜オススメ〜」

と叫んだ

厨房から優しいおばさん風の声が応えたのが聞こえる

「えっ⁇店長そっち⁈」

俺はカウンターに仁王立ちする少年が店長じゃないことを知った

しばらしてでてきたラーメンを見る。


とんこつだった。

「て、店長ォ…」

「うるさい早く食え。そして俺は店長じゃない」

ラーメンがでてきたのはいいがいろいろなことがあって少し手が止まってしまった。

あの少年は一体何なのか.何故こんなことになったのか、そう思っていると

少年に「まだ状況が理解できないのか、まぁしかたないか」と言って厨房に入って行った、

やっぱりアイツは何か知っている!

そんなことを考えているうちにラーメンが少し伸びていた

若干のびたラーメンをたいらげ少年に質問をするために厨房に向かった。

しかし厨房には少年はいない店長らしい人もいない

よく調べたが出口もない

何が一体どうなっている?

カウンターに戻ったが驚いたことに器がなくなっていたのだ。入り口も開かない「何かが起こっている」

俺はオレに助けを求むことにした。

俺(携帯2つもっててよかった)

とりあえずもう1つの携帯に電話だ、、、


もしもし、あ俺だけど、ラーメン屋のドアが開かなくってさぁ、どうしよ?

わかんなーい、切るよ、バイバイ…


ドアをどうにかして開けたい、あこれスライド式か、ガラガラガラガラ(開いた…)


ドアをスライドした瞬間、はめ込まれていたガラスが全て砕け散った

不意に肩に手が置かれる。

「店長!」

「だから店長じゃないって…」

「店長!」

俺は震える指で仮店長の

後ろを指す。

フードの少年が、そこに立っていた

「違う」

俺が何かをいう前に仮店長は即座に否定する。

そして、フードの少年かと思われた人は、

「あれは弟です」

平然とそう返した


「弟?それにしてはに過ぎてないか?」

そう聞くと

「彼と私は双子の兄弟なんです、似ていてもおかしくないですよね?」

それはそうだ、双子なら似ていて普通だ、

しかし、何故にラーメン屋の店長(?)がフードの奴と関わりがあるんだ?

そんな疑問を浮かべていると、何処からか「変われ、」と言う言葉が聞こえてきた、

その瞬間に意識が飛んだ、

きっとあの時のように奴が出てきたんだろう、

もう一人の「オレ」が

「お前は何で兄の仲間じゃないんだ?いやそんなことはどうでもいいが奴らを倒せる方法を教えろ」

仮店長は答えた。

「彼は過去のトラウマで話すことができないんです」

少年「…………」

「ちっ、しょうがねえな弱点を話すとストーリーが早く終わってしまうからっていういつものパターンか」

仮店長に問いかけた「ちなみにお前の能力は何なんだ」

自分の能力は相手の心が読める能力です。

「その能力でコイツの心を読めばいいじゃねえか」

「それがだめなんですよ、過去のトラウマが強すぎて心が見えないほどきづついてるんです、きっと」

「弱点を聞くには彼の心の傷を治すことができないと無理です。」


「違うよ」

不意に入り口から声が聞こえた。

「フード…⁈」

声の主は今度こそフードの少年だった

「あんたら皆、1年以上前の記憶がないのだろう?それはトラウマじゃない。」

フードの少年を除くその場にいる全員が固まった。

「それとお前、入れ代わってないだろう。」

「…は?」

オレは、いや、俺は驚く。オレがオレじゃなくなっている…⁈

「危険があったからって

自分に自己暗示をかけるのはやめようぜ、なんも意味ないから」

フードの少年は蔑むようにそう言った

「あんたらは皆、手っとり早く殺した方がいい。

俺の、心変わりだ」

「八つ当たりにきたのか」

黒川は冷静に言った

「催眠術師から捨てられて、さぞご立腹なのだろう?」

「ッ…死ね」

そう言って、フードの少年が空中に投げた物は、

「手榴弾⁈」

間に会わない…全員死ぬ…それが、その時の俺の最後の思考で、

「よう、久しぶり」

次に目を開けた時、俺は

自らの手で避難させた二人に向かって、親し気に話かけていた

俺は何が何だかわからなかった、自分が見ているのに自分が動いてるわけじゃない、少し頭が痛くなってきた

(もう、元に戻ろうか)

そんな声がした、どういうことだ?そう思っているうちにだんだん頭痛が激しくなった、

そして俺は思い出した、何故襲われたか、何故もう一人の「オレ」が居たかを、そうだ!俺は眼鏡の少年に既にあっていた

昔、あっていて何かをされて人格が二つに別れたんだ、そう思い出した途端に力がぬけた

俺の中で何かが目覚めたオレとは違う別の能力が、どうやら能力は一精神に一つらしい

(…この能力で何ができる)


(謎の男)ホントに能力の使い方、忘れちまったのか?

しかし、何かをされた、

その何かとは…?

「人格が二つに別れたんじゃ、ない…?」

「オレの身体に、無理矢理もう一つ分の魂が、埋め込まれた…?」


ep1 終了

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