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世界は変わったのか、自身が変わったのか
「世界とは、残酷なのですね。」
魔女という肩書きがあれば、聞く耳を持たない。
まさに今。
私は冤罪で火炙りをされそうになっている。
「死刑人。
セルニーニャ・アルフェルヌ。
罪状。国家反逆。」
静かに生きていたかった、それだけだったのに。
「…。」
「最後に言い残すことは?」
冷たい目。罪状を読み上げる時の姿勢。
威圧的なほどに堅くなった口角。
少し震えた手足。
それは、例え罪人であろうとも、人を殺す罪悪感。
死ぬ前の景色としては妥当だろう。
「…私は、幸せ者です。」
「そうか。」
なぜ、彼が悲しい顔をしたのかわからない。
だが私は死んだ、彼に殺された。
はずなのに。
「セル。君の魔法は美しいよ。」
「え?」
死刑執行人の彼に手を握られている。
優しい顔……。上がった口角。
先ほどまでは目に付かなかった美しいダイアモンドのように輝く瞳。
ここは魔法によって訪れた違う世界か?
そう言う魔法もあるとかないとか。
それとも、私自身が変わってしまった?
私の、「魔女は敵である」という認識が違うのか?




