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詩ですⅡ

みたされるとき

作者: みなはら



満たされるとき

それ以外のものが要らなくなる


それだけあれば生きられるのだ

他は必要なくなってしまうほど



創作は特にそう


かきたい気持ち

だしたい想いををすべて

そこに注ぎ込むから


生きることは創作と同じ


1か0か

どちらか片方が全てで

完全に満たされていればいい


片方は全く無くてもいい

中途半端よりもいいと

そう思っていた



あの人と一緒に居た時はそうだった

あの人がしたようにだ


あの人がしていた

心に響いた絵も小説も書かなくなったように

あの頃の自分自身も

書くことも描くこともしなくなっていた


生きていれば一緒に居ることだけで

満たされることもある


相手がいて自分がいて

生きる歩みを描いてゆけばいいと

そう信じていた



ボタンの掛け違いのように

二人で描いていたものが壊れて



いつか


一人の空虚なときのうちから起き上がって


それから


独りで描くこと書くことを始めようと思った



自分の手に収まるものは小さくて

残したいものはこぼれ落ちるばかり


今までの道行きを振り返り

足りない孤独をそう感じていた



描くことは好きだったけれど

今はそれも横に置いて物語を書いている



書くことは楽しくて苦しくて


時には怒りに満たされたこころが

書きたいはずの心を押しやって

溢れる感情のために書く気持ちが追いやられ

いつかの空虚のときを感じたりもするけれど


書くことが

書くことこそが


書きたい気持ちで満たされているときが

この上も無く総てが満たされる時であると

そう感じていることに

そう信じていることに気づく



何かを書くだけで

綴られた物語を読むだけで

総てが満たされる


そんな気持ちになる至福の時がとても好きだ



この天空(あまそら)(もと)

物語とその世界と自分自身


それは孤独だけれど

とても満たされている



世界を綴り

世界を見つめるとき

胸の内は響きに満たされて

輝いている



文字だけの世界を

その隙間を想像で埋めるとき

新たな世界を創造するかのごとき

わが心の満たされるとき



そうして至福に満たされるときを夢みて

こうして文字を書きつづける


満たされていたときの欠片を胸の奥に

そっと握りしめながら




自らの何かを綴るときの

心の満たされるときの如く



綴る世界を心の輝きで満たすように




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― 新着の感想 ―
満たされている時、それ以外はどうでもいいと感じてしまう。 私も経験があります。 ただなにかを伝えたい、伝えなければと渇望して、作品ができた時のあの感動は筆舌に尽くしがたいものがありますよね。 ドラえも…
 頭の中に在る世界を文字起こしに執筆した折は快感に浸れもしますが、そこに到るまでの経緯は苦悶する事も多くある。  頭の中の世界を動かす選択肢に満たされている時は良くも、選択肢が少ない所は綱渡りしている…
こんばんは。お久しぶりな気がします。 こちらは、みなはらさまの、自分語り…? 意外と珍しい気がしていますが、そんな気分の時もありますねー。と勝手に思ったりしました。 わたしは、自分、語れないですから、…
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