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75.




不利だと感じたメノウは、急いで逃走を謀ろうとする。しかし、そう簡単に逃すはずもない。メノウのすぐ横を剣が横切り、植物が動き始めた。


「お前、相変わらず投げるの下手だね~」

「何もしてない奴がうるさいわね」

「よそ見厳禁ですよ」

「これだけ【月】がいて逃すは恥だろ」


物陰から出てくる一人の女性と四人の男性。その中には、見慣れた人物たちもいる。


「慧斗!?」

「お久しぶりです」

「そこの腹黒双子が組んでるんだから、慧斗も起きるに決まってるでしょうよ」


片手に短剣を持ち、笑みを浮かべる慧斗と、日傘を差し、メノウを見る一樹。二人のそばには、見慣れない三人がいる。


「わざわざ悪いね。白夜も、あんなこと言っといてすまない」

「問題ありませんよ。【月】が欠けた原因を倒すためならば、安いものです」

「……え、これもしかして」

「生存してる【月】は全員揃ってるな」


二人のそばにいる者たちも【月】。青海たちには誰が誰かを見分ける術はないが、今は問題ないだろう。


「よく集まったわね……」

「こっちの騎士(ナイト)たちは忠誠心が高いねぇ。で、多勢に無勢だけど、どうする?」

「小娘が……」


無愛はメノウに冷めた目を向ける。無愛にとってメノウはただ詠斗と【月】の敵であるだけで、そうでなければ歯牙にもかけない相手だ。


「注意すべきはお前の乗っ取ってる身体が持ってる能力だ。お前自体に力はほとんどない」

「おまけに、持ち主が弱ってないと乗っ取れないんだろ? 諦めたら?」

「適当すぎでは……」

「【死月】だからね~。それに、俺たちとしても、こんなのを相手して詠斗の身体壊すよりさっさと出てもらいたいし」


無愛たちからしたらなんてことのないこと。自分たちの知り合いの身体を奪われたから取り返すだけにすぎない。


「私たち全員相手はキツいと思うけど、やりたいならやれば?」


れいは嘲笑うようにそう言う。勝負などしなくもも、結果は見えている。見えているはずだから。






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