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58.




「……慧斗は」

「見ての通り」


あのあと、急いで戻り慧斗を治療したものの、意識不明の重体。あちらの方がダメージはあるものの、【再生】の能力を持つ無愛の傷が治ればすぐに元通りとなる。


「あの【文月】っていうのは?」

「……たぶんだが、【月】創立のときに拾ったメノウだ」

「お前らが?」

「いや、拾ってきたのは【星月(ほしづき)】だ」

「【星月】?」


何人【月】がいるんだと呆れつつも、創立したのは影夜と無愛ではないのかという疑問が浮かぶ。


「あくまで言われ始めたのは俺と無愛。元より身寄りがない奴らで集まってたんだよ」


言われ始めたのが二人だったから訂正も面倒であり、他の者たちの隠れ蓑にもなるからと何も言っていなかっただけである。創立メンバーと言うと、少し違う気もするが。


「寄せ集めのメンバーだから当時は組織って感じでもなかったからな。まとめやすいように俺と無愛二人を創立者にしておいて、他の奴らを初期メンバーって感じにしてた」

「その初期メンバーって誰なのよ」

「こいつら」


影夜は一枚の古びた写真を見せる。それは、白夜のいた廃墟に大切に飾られていた写真と同じもの。


「あんたら小さいときはこんなだったのね」

「この生き物たちは?」


音葉が指したのは写真に映る人物たちの傍にいる三匹の動物。


(カラス)と、なんだこいつら」

「一匹、およそ生き物と思えない異形だけど」

「全部メノウだぞ」


そこには(カラス)と白い毛並みの小さな獅子、写真に入りきらないほどの巨大なナニカが映っている。


「八咫烏とあと二匹はなんだ」

「白い毛並みが白澤(はくたく)。もう一匹は知らん。いつも姿変えてるからな」

「無愛の腕にツタが巻きついてるけど、なんでこんなの撮ったの?」

「そいつもメノウだからだが?」


植物型のメノウだとしたら、攻撃されないのかと不安になるが、写真を撮れるくらいには友好的だったのだろう。意思があるかは分からないが。


「お話し中申し訳ありません。新谷の親戚だと言う方がいらしているのですが」

「慧斗の親戚?」


慧斗は百年以上生きているため、家族がいたとしても生きている確率は低い。そもそも、百年以上も生きていられることがおかしいのだが。


「……そいつ、日傘差してるか?」

「は、はい。確かに日傘を持っていましたが」

「知り合いなのか?」

「俺らの親戚だ」


日傘で分かるものなのかと疑問に思うが、影夜についていき、慧斗の親戚を名乗る人物に会いに行く。


「新谷の隊の者を連れてきました」


応接室には紅色の瞳と青みのある緑の髪の女性が片眼に眼帯をして座っていた。


「久しぶりね。影夜」

「やっぱりお前か。一樹(いつき)






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