47.
空にいるモノを見る影夜たちと、影夜たちにゴミを見るような目を向けるソレ。
「……人間がここに何用です」
「あんたに用があるんだよ」
「人間は殺すことしか能がないと思っていましたが」
攻撃してこない影夜たちが気圧され動けないのではなく、話し合うために攻撃しないのだと理解すると、ソレは降りてきた。
「話は中でしましょう。何、罠などありはしませんよ」
屋敷の中に入っていくソレのあとに続いて入ると、パッと明かりが付き、外観とは裏腹に整理されているきれいな内装が見えた。
「それで、私のことを誰からお聞きに?」
「【嫉妬のレヴィアタン】からだ」
「……彼はかなり前から行方不明のはずですが」
「その行方不明のときに話を聞いた」
影夜の話に根拠を持てないソレは疑問に思った。何故、自分の仲間たる彼が、人間なぞに教えるのか。
「俺が人間じゃないからだよ」
「……どういうことです」
「俺は約八割がメノウ。人間に造られた人為メノウだ」
人間ではあるものの、それは二割ほど。ほとんどがメノウの細胞である影夜を果たして人間と呼べるのか。
「彼の細胞を持つ人為的に造られたメノウ、ですか」
「あの人はあんたらのことを話してくれた。逃げ切れたのなら、あんたらの誰かに頼れってな」
だが実際、影夜は自身を生み出した場所から逃げたあと、ソレらには頼らなかった。それは、自分の正体を知らない妹がいたから。
「俺の妹は自分の出自を知らない。だからあんたらを頼れなかった」
「……その妹とやらが見当たりませんが」
「今回来たのはそれが理由だからだよ」
影夜がその後紡いだ言葉は、ソレを動かすには十分だった。
「妹、無愛はあんたの兄貴【傲慢のルシファー】と共に行動してる」
* * * *
「……一つ、お聞きしてもよろしいでしょうか」
「いいよ」
古びた屋敷の屋上。そこには一年ほど前、軍を追われる身となった少女、天月無愛と彼女に付き従うように少し後ろに待機する白髪の男がいた。
「何故、薬見史を捕らえるよう指示したのですか」
男は無愛の行動の意味が分からなかった。
何故わざわざ、自身の兄ではなく無関係の史を捕まえるように言ったのか。何故、初対面であるはずの史のことを知っていたのか。
「能力強いじゃん」
「奪うおつもりだったと?」
「うん。できればこっちに来てほしいけどね」
本来ならば能力とは一人に付き一つ。けれどその法則は、造られた存在である無愛には適用されない。
「【剥奪】からの【崩壊】。強いよねぇ」
無愛が愉快そうに空を見上げていると、深くフードを被った人物と神父服を着た男が屋上へとやって来た。
「姫、彼らが【正義のミカエル】と接触しました」
「意外と速かったね」
無愛は三人の方を向き、自身の右目を眼帯で隠す。
「さぁ、始めようか。憐れな子らの狂騒を」
「……書き手?」
久しぶりにここあるね。
「何か言うことは」
第一作のリメイク作りました!
「受験生だから二周年記念はしないみたいなの言ってたの誰だよ…」
やりたくなったの…。




