39.
東遙翔の死、そして天月無愛の離反はすぐに広まった。
「……は?」
「何度も言わせないで」
「無愛は約束は破らない」
「本人が殺したって言ってたのよ」
影夜と慧斗は無愛は無実だと青海たちに言うが、それが聞き入られることはない。
本人の自白。そして温室に残った血溜まりは遙翔のモノだと分かり、出血死するには少ないが、無愛の能力ならば血が出ずとも殺せる。遙翔の身体が残っていないのは、無愛が能力で壊したのだろうという結論に至った。
「私たちもあの子が本当に殺したかは疑ってる」
「ならなんで!」
「それが上の判断だからだ」
「私たちはあなたたち三人と関わってきたからこそ、どんな人間なのか分かってる。けど、周りはそうじゃないの」
無愛が【死月の災厄】だと知っているモノは極少数。【死月の災厄】であることを除外しても、青海たちと同じように百年以上前から軍に尽くしてきた遙翔が死に、その遙翔を殺したと言った無愛を庇うはずがない。
「だからこそなんでしょうね」
青海は二人に一つの封筒を渡してきた。
「長官からよ。どうせ納得しないだろうからって」
中には十枚ほどの資料が入っていた。
天月無愛に関するモノ。【死月の災厄】に関するモノ。今回の東遙翔殺害に関するモノ。
「『納得できないならそれ使って無愛の無実証明してあのバカ連れてこい』だそうよ」
「……お見通しってワケだ」
事件の資料を見ていけば、細々と書いてあり、さすが軍と言ったところだ。
「………複数の血液?」
「あぁ、それね。現場には遙翔の血以外にもあったみたいなのよ」
検査をしたが、持ち主は不明。
「………慧斗」
「姫のと一致します」
「なんであの子の血液とか覚えてるの…」
「普通に怖い」
資料では、明らかに持ち主不明の血……無愛の血の方が遙翔よりも多い。
「青海、無愛は怪我してたか」
「血塗れだったけど、そこまでは」
二人の記憶が正しいのであれば、遙翔よりも無愛の方が血を流しており、更には遙翔の出血量は死ぬほどのモノではない。どこに攻撃されてかは定かでないため一概には言えないが、
「……遙翔がいなかったのは治療するためか」
「どういうこと? ここに残ればそんなこと」
「それでは間に合わない場合があります。もし、第三者がいたとして、遙翔を生かしておく理由はない」
「じゃあ、遙翔は別の誰かに殺されたってこと?」
「まだ生きてる可能性もある」
可能性の話。それでも、無愛が無実だと信じている者たちからすれば、確かな希望。
「どちらにせよ、探さない理由はない」
「探して、何があったのか聞きましょう」
「居場所が分かるかもしれない【月】たちを回ってみます」
「絶対見つける」
離反者、天月無愛を捕縛するという名目で、東雲詠斗から秘密裏に託された任務。
これが吉と出るか凶と出るのかは分からないが、少なくとも、この事件は何かが動くきっかけとなった。
……えー、ね。第一章終わり!!
「おい」
はい…。
「何回やるの?」
ね、寝ちゃってたの……。
「バカなの??」
最近眠気が…。
「明日周年」
今年受験生なので特にやりません。強いていえばこれの第二章が始まるって感じです。
「投稿ペース増やせ」
無理ですマジで進路何も決まってないんです。




