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26.

明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いさます。



「まずはご帰還、おめでとうございます」


深々と頭を下げる白夜に対し、無愛は短くやめろとだけ返す。


【月】の中で一部、慧斗やこの白夜を見れば分かるのだが、無愛を、【死月】を信仰している節がある。


慧斗に関しては無愛は少し謎だと思っているが、白夜に関しては、自身の忌々しい能力で死なない存在だからである。


「ここに、ずっと、独り?」

「いえ。たまに【永月】さんが来ますので」

「森に、能力、あったね」


二人は近くのモノに腰を降ろし、【月】としてではなく、二人の人間として話をする。


「メノウの、消失は、知ってる?」

「はい。風の噂程度ですが」

「なら、話は、早い、よね」

「そうですね」


無愛が発した言葉は、青海たちが聞いたら、かなり怒るだろう。


「外へ出るな。この森を死守しろ」


青海たちがいれば、予定通り白夜を誘っていた。断るだろうと考えていたからだ。だからこそ、無愛は独断で白夜に命を下した。


「畏まりました。この白夜、必ずやメノウと人間らからこの森を護り抜くと誓いましょう」


白夜は、もし無愛が一緒に来いと言えば、行くつもりだった。傷つけたくないという思いと無愛への恩を返したい思い。後者が勝ったのだ。


「一つ、尋ねても?」

「いいよ」

「………何故」


白夜は無愛を見て、口を開く。


「何故、上手く話せないフリを?」


【死月】の頃の無愛は、流暢に話せていた。今の身体の異常かと考えたが、先ほど自身に命を下したとき、短い言葉ではあるが流暢に言ったことで確信を得た。無愛は上手く話せないのではなく、話さないのだと。


「理由は二つ」

「一つは信用できないから、ですよね?」

「うん。青海たちの実力は認めてる。でもね」


かつて殺し合った相手を信用できるほど、無愛は強くなかった。


「もし裏切られて軍を出ることになれば、青海たちは上手く話せない私を主体で捜す」


人に完全に紛れることができる影夜よりも流暢に話せない無愛を聞き回った方が捜しやすい。


「彼はそのことを?」

「言ってない。もしそういうことになったら、たぶん離れるから」

「彼は離れようとしないのでは?」

「離れるよ」


何故か確信している無愛。白夜は疑いはするものの、それがどういうことなのかは聞かない。


「後悔はされませんように」

「後悔しない選択なんてないでしょ。ほら、有名な作家も書いてたじゃん。『恥の多い生涯を送ってきました』って」


後悔しない人生など存在しない。


「罪は消えない。私の罪が赦されることはない。だって」


無愛は、とても悲しそうな、苦しそうな顔を見せた。


「私は、みんなと違うもん」






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