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23.

遅れてすいません!



あれから数週間。奇妙なことが起き続けていた。

出現したメノウの失踪。失踪したメノウの出現。

それらが一ヶ月足らずで既に二十を越えていた。


「それで、どう見る」

「どうって………まぁ、何かしらの意図は感じるな」


長官室。

詠斗と影夜は二人で話をしていた。


「だが、こんなことが可能なのか」

「複数犯か、能力を奪う系統の能力か」


二人の考えでは、犯人は手練れの単独犯。もしくは三から五人の複数犯。


「あるなら複数犯だろうな。それも」

「軍内部にいる、か」


軍の人間がメノウの出現した場所に向かうと既に消えている。軍の人間でなければ現場に着くよりも先にメノウを消すなど不可能だ。


「だが、問題は」

「誰か分からない。そして、目的も不明」

「人数も分からない以上、下手には動けない」


分かっているのは、何者かがメノウの失踪事件を起こし、失踪したメノウを暴れさせているということだけ。


「メノウの習性ではないんだな?」

「ないな。そんな習性聞いたことも見たこともない無愛の記憶にもなかった」

「となれば、本当にないのだろうな」


メノウの習性は影夜がよく知っている。

一度見たモノを敵と認識する理由も、暴れる理由も。


「………【月】を神聖視してた宗教集団、覚えてるか?」

「忘れるはずがない。あれには手を焼いている」


まだ【月】が活動して間もない頃、【月】を神の遣いであると祀り、信仰し始めた物好きな者たちがいた。そして、それは現在もであり、一部集落では【月】のために造られた建物もある。


「それがどうした」

「………【月】の中に、人を操る能力を持つ奴がいる」


【死月の災厄】を信じ、慧斗同様、仕えていた者。


「【信月(しんげつ)】、篠原(しのはら)信樹(しんき)。あいつの能力なら、可能だろう」


【死月の災厄】が行方知らずとなり、真っ先に思い浮かぶのはやはり防衛隊だろう。

敵対し、幾度となく死闘を繰り広げた。


「【死月の災厄】を殺した者への報復ということか」

「たぶんだがな。もしくは、あの集団の過激派」

「【月】の方が確率は高いのだろう?」

「あいつがそう簡単に死ぬとは思えないし、無愛への執着は凄まじかったからな」


二人は信樹を容疑者として見ていた。

それが本当かは分からない。だが、詠斗は長官としてこの事件を解決する義務があり、影夜には現状をどうにかしないといけない理由がある。


「青海たちと篠原信樹を見つけ出せ」

「顔変えてなきゃいいんだがな……」




「おい、遅刻魔」

貼ろうとしたら消えた。以上!

「保存、せずに、終了すれば、いいのでは」

それね。保存したあとに思い出した。

「バカ」


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