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21.




青海たちが着いたとき、そこには窓から飛び降りた問題児たちとメノウがいたであろう場所に残った。


「あ、来た」

「………どういうこと」

「この短時間でまさかの討伐?」


慧斗の能力の詳細は一部しか知らないため、青海たちが困惑するのも無理はない。この短時間でメノウを討伐したなど、異例なのだから。


「何があった?」

「………えっと」

「私の、能力で、やった」


無愛の言葉に驚いたのは音葉と尊だけではない。青海たちもだ。


「どうやって」

「音葉の、【変速】、使って、近づいて、【崩壊】、使った」


普通なら見られておらず、それで通るだろうが、相手には青海と笙人。無愛の【崩壊】は昔幾度となく見ている。


「………今はそれで納得してあげる。けどね」


ビシッ、と指を無愛たちに向け、


「あんたたち、もううちの隊員なんだから無茶しない!!」

「……ぇ」


叱るか呆れるか、そのどちらかだと予想していた三人は、面を食らった顔をする。


「前とは違うんだからちゃんと周りを頼る。分かった?」

「……うん」

「音葉と尊は三人に付いていかない!!」

「はぁい」

「名前呼びやめろ…」

「なら今回は終わり。戻るわよ」


報告書作らないと、と戻ろうとするが、無愛たちはそこに立ったまま。


「どうした?」

「…ぁ、いや」


まさか心配されるとは思ってなかったからか、三人は罰が悪そうだった。

人として見られなかった【月】を平然と受け入れているだけでも変だと言うのに、自分たちの心配など、【月】として動いていたときは想像もしなかったのだ。


「早く行くぞ。お前らしかメノウ見てないんだ」

「ついでに報告書の書き方覚えなさい」

「……うん」


部屋に戻り、報告書を作っていると、青海たちは上に報告を先に出すと言い退室。部屋には五人だけが残った。


「ねぇ、なんで嘘ついたの?」

「………慧斗は、強い。でも、強いから、心も、強いとは、限らない」


迫害されてきたからこそ、心というのがどれほど脆く、壊れやすいのかを知っている。


「強く、鋭い矛こそ、とても、脆く、丁寧に、しっかりと、見ていないと、壊れてしまう」

「扱い方で強い力も弱くなるのと同じで、弱い力は使い方で強くもなる。それと同じように、脆くても使い方、扱い方で壊れない矛になる」


【月】という様々な理由を持つモノたちをまとめていただけあり、人の扱い方にも長けている。


「本人の前で言うんだ」

「音葉、その本人見てみろ。めちゃくちゃ満足げだぞ」

「姫に使われるのは誉れですから」

「………ちなみに、これは?」

「慧斗はいろいろ歪んでるんだ。気にするな」






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