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17.




………てか、【遊月】は?」


今更ながら、あのとき置いていった悠悟のことを思い出したらしい。

軍の関係者ではない悠悟がうろついていて捕まった、などあったらまずい。


「あいつなら帰った。『たまに遊びに来るね~』だとさ」

「「来るな」」


軍に遊び感覚で来る者など、【月】以外にはいないだろう。いても困る。


「あなたたち、感覚おかしいんじゃないの?」

「あいつは能力の関係上、なんでもゲーム感覚なんだよ」


能力【遊戯(ゲーム)】。己の指定した範囲にいる生命を巻き込んで、自身のルールに従った遊び(ゲーム)をさせる。


「あいつは能力のせいで親に捨てられてるからあまり使いたがらないが、使えばその空間内では最強だ」

「指定した範囲全てではなく、その中の指定した生命を空間内に入れられるようになれば脅威ですからね」


本人の意思で変わる能力効果範囲。

脅威なのは、本人以外に範囲を事前に知ることができないこと。


「そう考えると、ロクなのいないわね。あんたたち」

「使い方次第じゃどうとでもなるからな」


人に対して能力を使うのに抵抗があるなしでは大いに変わる。


「【月】ってあと何人いるの」

「さぁ?」

「さぁ……って、覚えてないの?」

「数えたことがない。まぁ、そこまで多くはないとだけ言っとく」


数人だけのコミュニティが一人二人と増えていったため、正確な人数を把握しているのはおそらく無愛だけだろう。


「【月】を全員集合させるとかは無理なの?」

「無理だな。連絡手段がない。一応俺らが拠点にしてた場所はあるが、そこに留まってないだろうからな」


もしいたとしても数人のみだろう。


「それに、俺らも一枚岩じゃない。一応、危害をあまり加えるなとは言ってたが」

「【遊月】は我々の中では穏便な方ですよ」

「………あいつ、あれで穏便な方なの?」


百件もの殺人事件を起こしている悠悟が穏便な方。

【月】は人間の和から外され、迫害されていた過去がある者が多いため、敵意を持たない者の方が少ない。


「あなたはなんで軍に?」

「他のとは違い、私の能力は戦闘向きではないのでね。内部崩壊させていこうかと考えてました」

「…………誰だよこいつ入れたの」

「詠斗だろ。【月】の行動をある程度見るためにもとか言って入れてそうだし」


詠斗なら本当に入れる。その無駄にいらない信頼があるため、ないと言えないのが悲しいものだ。


「あの人、結構問題なの入れてるな」

「まぁ、そういう人だからな」






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