16.
詠斗に挨拶をして戻った青海と笙人は頭を抱え、紗菜たちはため息をついた。
「おい、さすがに寝すぎだ」
「ん~、暇ぁ」
「ゲームか何か買ってきますか?」
ソファに座ってパソコンをいじる影夜とソファに寝っ転がり再度寝ようとする無愛と無愛を甘やかそうとしている慧斗。
先ほど、慧斗を隊に入れると言われたときの表情がどんなものかは言わずとも分かるだろう。
「……お前ら、少しは自重しろ」
「やだ」
「だるい」
「必要がないのでは?」
はっきりと答える無愛に切り捨てる影夜。そこはもう良いだろう。全員半ば諦めている。しかし、
「あなたは違うでしょ」
「表はしっかりしてるので問題ないかと」
「無駄に猫被るからな…」
この三人、普段はこんな感じだが、他の者がいればしっかりする。
「内と外が激しいよね」
「人なんてこんなもんよ」
「つか、無愛また寝たぞ…」
少し目を離した隙に影夜の膝上に頭を乗せて寝始めた。
「叩き起こす?」
「起こされて機嫌が悪いと能力使おうとするから止めとけ」
「姫は眠りを妨げられるのを何よりも嫌いますからね」
無愛が寝た。ということは、必然的に影夜が動けなくなるワケであり、
「…………資料まとめないとなんだが」
「移動すればいいだろ」
「できたら苦労しない」
影夜が試しに少し動くと、無愛がギューっと強く掴み離さない。
「な?」
「こんな陰湿な奴のどこが良いのやら」
「一緒にいる時間と信頼の差」
「常に一緒なんだよね。すごい絆」
「愛が重いんでしょ。互いに」
無愛のソレは依存に近く、影夜のソレは執着に近い。
「というか、姫にまだ言ってないんですか?」
「必要ない」
「…………後々知って、傷付くのが姫だというのは分かっているでしょう。今のうちに言うべきだと思いますよ」
無愛の知らない、自身のこと。
「なんの話?」
「姫とこの阿呆のことです」
言うべきだと言いながら、自分が言うべきではないと、影夜が言うことを待つ慧斗。
「あそこで言おうとしてたこと?」
「なら今言えばいいじゃん。無愛寝てるし」
「はぁ、分かってないわね。もし途中で無愛が起きたらどうするのよ。聞かれるでしょ」
無愛に聞かれたくない。当たり前だが、無愛がいない場所で話す必要がある。寝ているとは言え、いつ起きるか分からない以上、ここでは話すことができない。
「気になるけど、また今度ね」
「そうしてくれ」
「……とりあえず、そいつどうする」
「起きるまで放置。動かせないし」
動かすつもりすらないようにも見えるが、無愛がくっついたら離れないのは誰よりも知っているため、諦めているのだろう。
「これ、メノウ来ても気付かないでしょ…」
「ぐっすりだろうな」
「軍の人間として欠点にも程がある」
happyHalloween!!
「トリトア」
略すな。そして君ら分のお菓子はない。
「番外編、やらないんだな」
まぁ、うん。ね?
「思い、付かなかった、んでしょ」
言わないで………。




