13.
影夜と笙人が進んでいき、無愛たちはと言うと、研究者たちを捕まえていた。
「どうなってるのよ。国の研究機関がメノウを作ってるなんて」
青海がそう聞くも、研究者たちは「何故」「バレるはずが」「もう少しで」などとブツブツと呟いているだけ。
「これで全員ね」
「副隊長と影夜は?」
「あっち進んでったけど」
二人が向かった部屋は話が聞こえないように扉が閉められているため、何をしているかは分からない。
「……随分、また、やった、みたい、だね」
ペラペラと側にあった資料を見る無愛は、何の感情も籠っていないような声音そう言う。
「あんたら、結局こことどういう関係なのよ」
「…………ここに、生まれてすぐ、捕まって、実験に、使われてた」
「実験って、メノウと人間の……?」
「そう、聞いてる」
「聞いてる?」
無愛は、あまり生まれてからのことは覚えていない。ある日、急に脳が覚醒し、認識することができるようになっただけ。それ以前のことは、全て影夜から聞いたこと。
「私は、生まれてから、約十年、何も知らない」
「十年も?」
どうやって生まれたのか、どうしてここにいたのか。それは無愛がこかで造られたからなのだが、それを知らない無愛には、たどり着くことが不可能に近い。
それを知っている影夜も、それを聞いた笙人も、無愛に伝えるつもりがないから。
「戻った」
青海が何かを言おうとしたところで、二人が戻ってきた。
「あっちには何があったの」
「あいつらの気味悪い実験」
そう言い、奥の部屋で回収したのであろう実験レポートをヒラヒラと見せてくる。
「無愛、USBあるか」
「ん」
影夜は青海たちを無視して近くにあるパソコンにUSBを差し込む。そうすると、先ほどまでうわ言を呟いていた研究者たちが声をあげた。
「止めろ! 穢らわしい手で触れるな!!」
「それは貴様らなんぞが見ていいものではない!!」
叫ぶ研究者たちを横目に、影夜は興味がないとパソコンを操作し始まる。
「……あった。これだな」
影夜が見つけたのは、メノウについての資料ファイル。
「何重にもロックかけてる。随分慎重だな」
その抵抗も無に等しい。
影夜は【死月の災厄】のサポートをするためにあらゆる電子空間に潜り込み、情報操作、位置情報の偽造などをしていた。そのときに比べれば、この程度のセキュリティは、
「開いた」
赤子の手をひねるようなモノだ。
「さて、何が入ってるのやら」
そのファイルには、更に複数のファイルが入れられており、「メノウの生態」「異能の復元」など。そして、
「………やっと見つけた」
「実験No.01~No.08の実験記録」と「完成品No.00の成長記録」と記されているデータ。影夜と無愛、【闇月の災厄】と【死月の災厄】についてのデータがあった。




