11.
現在、無愛たちはメノウ研究所までの道のりを歩いている。
死体と言えど、メノウを使っているため、人気のない森の奥にあるためだ。
「国の機関がメノウを造ってるだなんて」
「隠すためにも森ってのは好条件なんだよ」
どれだけ地下を拡張しようと気にすることもなく、メノウの悲鳴なども聞かれることはない。
「………ここだな」
目の前にある樹木で上手く隠されていた建物。
「行くぞ」
「あ、ちょっと!」
青海たちを無視して進む。
中に入るにはIDが必要だが、今の二人は軍の人間。簡単に入れてしまう。
「無愛」
「……うん。いる」
遠慮なく入ってく二人を必死に追いかける青海たち。そして、
「なっ、誰だ君たちは!」
それに戸惑う研究所の者たち。
「軍だよ軍。まだこんな気色悪い実験的やってんのな」
「ね、これ、壊す?」
無愛が指差すのは何も入っていない液体ポット。人一人入れる程度の大きさであり、他にもズラリと並んでいる。
「あとでな」
「ん」
「ちょっと、あんたらズカズカと入ってって!」
「こっちだ」
「先に説明!!」
二人に説明する気があるはずもなく、無視して奥へ進んでいく。一つだけ、厳重に閉められている部屋があり、そこの前て足を止める。
「ここ、何してんの?」
「そこは一部の研究員しか入れない場所です! ダメですからね!?」
「………なんだ、こいつらシロか」
「ん、クロは、こっちの奴ら、だけ、っぽい」
研究所の者が必死に止めようとするが、それで止まるはずもなく、無理やり扉を壊した。
「なっ!?」
「おー、やってるやってる」
そこを覗くと、絶句した。
その部屋には、数人の研究員。そして、メノウの死体と人間の死体。
「…………っ、何これ」
「メノウ研究所。表向きメノウの生態調査をしている機関だが」
「その、裏では、数多くの、命を、犯し、メノウを、生み出す、ゴミクズたち」
命を弄ぶかのようにメノウと人間の死体をいじくり、擬似的なメノウを生み出し、世に放つバケモノ。
「久しぶりに来たが、相も変わらず気色悪い」
「久しぶり。そして、さようなら」
そう言い、近くにあった死体を消す。
「!! 何をする!」
「お前らの胸くそ悪い実験の終了の報せ」
「これ以上、命を、弄ぶな」
「青海、こいつら現行犯。殺さないのはお前らの仕事だろ」
「あんたらねぇ!」
文句を言いながらも、殺されてはいけないと研究員たちを押さえる。
「………影夜、あっち」
「…あっちは俺が行く。無愛はここを頼むな」
無愛が指差す方へと影夜は進んでいく。
「次はなんだ」
「ちょうどいい。こっち来い」
「は?」
笙人の腕を引っ張り何も言わない影夜。
不信に思うも何かあると思い、口を閉ざす。
「…………ここだ」
「……なんだよ、これ」
そこにあったのは、液体ポットとさまざまな形をしたメノウ。
「あいつらが人型を造ろうとした結果だよ」
そのポットには「01」から「08」と書かれており、少し離れた位置には「00」と書かれたポット。
「08」「00」のみが空になっている。
「……『08』と、『00』」
影夜と無愛の名前は誰が付けたかは不明。しかし、昔呼ばれていたと言うのと、空のポットの数字が一致する。
「……………まさか」
「想像通りだよ」
「……ここが、お前らの、造られた場所だってのか?」
それこそが、二人がここを壊すと決めていた理由。




