見にくいアヒルの子
他の子たちと色が違うアヒルの子がいます。
目がよくなくて見にくい子です。視力が悪く、目が悪いので世界がぼやけてました。
「見にくいなあ」
はっきり見えず、ぐぐっと近づかないと見えません。皆の邪魔しちゃいけないと、ひとりで遊んでました。黄色いお花に、ぐぐっと近づいてみるとタンポポです!
やがて反抗期になるとかっこつけたり見栄はったり。強がったりしました。
「おとなしいアヒルじゃなきゃいけねえのか!」
体の色を染めたり、夜遅くまで遊んで帰らなかったり。タバコ吸ったりしました。
ぼんやりながめながら、白鳥の美しい群れに憧れてました。
「別世界の連中だなあ」
ある日、釣り糸に絡まった白鳥の子を助けました。白鳥たちに感謝され仲良くなりました。
月夜の水面に映った自分の姿を見て。
「オレは白鳥だ。な?」
「吸わないの?」
「吸わんよ。白鳥だよ」
「?」
「スワンさ!」
「スワンか!ハハ!」