ターゲッティング広告
追記を入れました。
前回オークションについて触れましたが、あと有名なターゲッティング広告のストラテジについて。
ターゲッティング広告は、ユーザーの行動や属性に基づいて表示する広告内容を決めるというものです。このために、エロ広告が出る、と言ったら「あんたがエロサイトに行ったり、検索するからだろ」というレスが返ったりするものです。しかし、これもまた必ずしも正しいとは限りません。
実際に特定のサイトを訪問したりすると、一気に別のサイトの広告が、訪問したところの内容になる、っていうことはよく経験することです。
ターゲッティング広告の大手と言えば、やはりGoogleのAdSenseになるでしょう。Googleにログインした状態で検索を掛けると、検索履歴がGoogleに残ります。それはログインによって名寄せできます。そして広告を出す段階で、IPアドレスなどを手掛かりに(検索に使用したIPアドレスと広告表示のためのIPアドレスが同じならユーザーと考えられる)、表示する広告を選択するわけです。この場合、確かに行動内容が広告に反映されます。
ただし、まずこれが実現されるのはAdSenseだけです。他の広告配信会社が使用されている場合、当然ながらGoogleの検索履歴が提供されるわけは無いので、そちらが配信内容に影響する、という事は考えられません。また、AdSenseについても、検索にBingを使用していたら、その結果を使えるという事は考えられません。
なお、GoogleのAdSenseは、この行動参照を抑制することは可能です。「パーソナライズされた広告をオンまたはオフにする」あたりを検索してください。また、オフにしない場合Googleにログインしていれば、表示内容をカスタマイズすることも可能です。完全ではないようですが特定の広告を表示させないようにする設定もあるようです。こちらは「表示される広告を広告の表示時に管理する」を検索ですね。
このほかにも、AdSenseは広告に対するフィードバックが可能なようです。
その他の配信業者については、後述します(追記部分)。
以上より、Googleのような大手以外の場合、検索のトラッキングはできません。行動トラッキングは、以前はクッキーを使って訪問したサイトを報告する、という方法を採っていたことがありましたが、ブラウザのプライパーシー強化で、他サイトの情報を収集することは困難になってきました。
このため、IPアドレスから把握できる所在地を基にした広告選択や、広告元のユーザー総体の行動様式(あるサイトのユーザーは、このカテゴリの広告をよくクリックするので、サイトユーザー全体にその広告を配信するとか)みたいなことをやっている場合もあるようです。
というわけで、AdSense以外は行動トラッキングの能力がそう高くはできなくなったと思われるので、広告のトレーニングってあまり機能しなくなってきているのではないかと思います。そして、なろうに限っていえば、AdSenseは使用されていないように思います(クリック報酬は予測しづらいので、単価は安くなっても表示報酬の方が売り上げを計算しやすい)。
だから、ことなろうに関していえば、広告内容が自分にとってよろしくないものだったとしても、それを自己の行動トラッキングによるものだと考える必要はあんまりないし、広告トレーニングとかも有効に機能するとは言い難いのでは、と思っています。
<<追記部分>>
なろうでは、MicroAd Compassという所を使っているようです。さらに、このMicroAd Compassは他の多くの配信業者をまとめ上げて、それから選択を行って広告表示を委譲しているようです。
このため、実際に配信を行う会社は多岐にわたっていて、それぞれで特性が異なります。例えば
・ヤフー広告
広告に右上にリンクがあり、それをクリックすることにより、当該広告の一時的な非表示化・広告に対するフィードバックが可能。yahooにログインしていれば、行動トラッキング等のオプトアウトが可能。
・i-moble
広告にフィードバック用の設定は見当たらない
・CRITEO
右上にリンクがあり、行動トラッキングのオプトアウトは可能。広告フィードバックも可能であるが、非表示設定については存在しないよう。
などがあります。全ての配信業者が各種設定や一時非表示に対応しているわけではありませんが、対応しているところも存在しているので、もしどうしてもいやな広告が表示されて、右上とかに何かアイコンが表示されていたら、押してみて何らかのアクションが可能であるかどうかを見てみるのも良いかと思います。
あと、私はPCを主体にしたりもしますが(特に何か書くときには)、スマホから各種アクセスをすると、スマホの固有IDのようなものがサイトに通知される(設定を拒否しない限り)ようです。これはかなり強い行動トラッキングのキーとなり得るので、注意が必要です。
すべての配信会社で統一的に設定が可能になるといいのですけれどね。