表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ショートショート7月〜3回目

人気スポット

作者: たかさば

私の靴の中は人気スポット


私が靴をはいて出かけると、いつも無邪気な小石が飛び込んでくる


小さいのに丸っこいの、尖ったの


ねこ模様の靴下に穴をあけようとする、不届きもの

私の足の裏に不快感をもたらす、無礼もの


道の端っこで靴を脱いで追い出しても、すぐに入り込んでしまう

道の端っこで靴を脱いで追い出したはずなのに、靴の中に残っている


どうしてこんなにも、私の靴の中は人気なの?

…そんなに魅力的な場所なの?


考えれば考えるほど、不思議でならない……



私の靴は人気スポット


私が靴をはかない時、ミーコとニャン次郎がいつも枕にしている


頭をのせたり、かじってみたり、爪を研いだり


お高いシューズなのに、なんてこと

穴が開いたら、困ってしまうのに


靴を脱いだ途端に、すぐに狙われてしまう

キチンとシューズラックにしまっても、引っ張り出されてしまう


どうしてこんなにも、私の靴は人気なの?

…そんなに居心地がいいの?


考えれば考えるほど、不思議でならない……



人気スポットの靴をはいている私は、ごく普通の一般人


私が靴をはいて出かけても、気になるあの人は近付いてこない


走ってみたり、歩いてみたり、ステップを踏んでみたり


目にとまるようにおどけてみても、知らん顔

靴をはいて、遠くから…あの人をちらりちらりと見るばかり


カッコいいあの人を思いながら、一人ぼっちで歩く、帰り道

ずんちゃかずんちゃか歩いていたら、いつものように小石が靴の中に突撃してきた


道の端っこで、いつものように靴を脱いで、小石を捨てた、その瞬間


「ずいぶん豪快なんだね」


どうしてこんな所を見られてしまうんだろう?

…タイミング、悪すぎない?


「…猫、好きなの?」


バッチリ靴下まで見られてしまった

なんか、笑われている、ような…


「この靴下は、うちの猫たちによく似てるから…買ったの」


恥ずかしいから、勢いよく靴をはいたら…また靴の中に、小石が…


「うちの猫ともよく似てる…ほら、見て!」


差し出されたスマホを見て驚いた

ミャーコにそっくりな…美猫がいる!!


「ホントだ…!!」


私は、その日、初めて…

靴の中の小石を、一度も気にすることなく…


カッコいい人と、一緒に、…帰ったのだった








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 靴に思いを馳せる主人公でしたが、靴のおかげで素敵なきっかけを掴めましたね。 猫好き同士、進展することを願います。 [一言] いつの間にか靴の中に石が入っていることはよくありますね…(笑) …
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ