68 脱力
空には雲1つ無く、太陽がその瀰漫な光を奏で海は高らかに呼応して歌い、砂浜は星辰のように煌めき、まるで、夢幻を描き続けているようである。人は多い。
はじめは、海パンのサトルが恒例のアホになって、砂浜を走っていったが、水着のアンナも負けじず劣らずサトルの跡を追いかけた。
迫り来る波に漂う、妖精をサトルは払い除けた。
【二人だけの世界にしてくれ!】
それからサトルとアンナは、波に時々攫われながら、成熟した大人に、憧れるかのように戯れた。
しばらく、顔面がしょっぱくなるほど、それを続け、はじけていたが、ある程度のところで、二人は疲れてしまい、所謂、海の家で休むことにした。
肌がやけに褐色に焼け、逞しく見えてしまう、店員に、サトルはテキトーな顔をしてドリンクを頼んだ。
「メロンソーダーとこの……ブルーハワイのかき氷」
「ええっと、オレンジジュースと……イチゴで」
店員は、白い歯をここぞとばかりに魅せながら、フレンドリーあるいは、ハートフルに言った。
「はい、かしこまりました!ごゆっくりどうぞ~」
サトルとアンナは、しばし黙り込んだ後に、いつものように、お喋りをはじめた。
「じゃん、これなんでしょう」
「えっ、それは……、遠い日の追憶」
「違うよ、これは、た・だ・の貝殻だよ」
「もう、ふざけないでよ」
「ふ、ふざけました。も、申し訳ございませんでした」
「それ、心から謝ってないでしょ?」
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○脱力のスケッチ
・子供のようになる。
・自然体。傾聴。
・おなら。デトックス。忘れる。
・自分から抜け出す。対象と1つになることにより、自分から抜け出す。忘我。無心。無漏の善。無我夢中。
・日頃の自分からワープする、非日常感。
・象徴的な意味の酒。
・気付いたら、頭が下がっている。
・頼る、託す。自分以外の何かに頼り切ってしまう。全託。
・アストラル体を眠らせて、カラーナやプルシャの意識を起こす。仮死状態。
・自分や他者に、余計な注文はしない。必要以上できるだけ行わないようにする。また、必要以上してしまった場合、その人や状況を背景まで考慮して、理解して、赦す。
・喜怒哀楽をハッキリと出す場を設ける。
・時々夢の世界で起きたことを現実に持ち込む。




