64 day by day
「このボールはどうかな」
トモヤは生気汪溢なまま、ちょっと大袈裟に振りかぶって、投げた。
「おっ、……これはカーブ?」
「あれ、スライダーのつもりだったのに」
「ほいじゃ、これは」
サトルは、やけに神妙な顔つきになってから、腕を大きく振った。上腕二頭筋はつりそうになった。
「ただのスローボールじゃん」
「違う、これはサトルスーパーナックルボール」
「ははっ!!こんなんじゃ、サトルスーパーナックルボールも打たれ放題だな」
「じゃあ、怪談話」
「お、」
「確かに確かに」
「お前とも、シンクロ率上がってるな、無駄に」
「ぐふふっ」
「上手くなってから、マウンド上がってたら、白髪生える、ぞ」
「ぞぉ!」
***
「ぱせり」
あなたが
その気にさせるなんて
あなたは
あなたのままでいいのに
あなたが
その気にさせないで
あなたは
あなたは
あなたのままでいいの
本当によかつたの
あなたは
わたしのものだったのに
だったのに、ね
ねっこ、こあら、らっぱ
ぱせり
ぱせり
あれは、茜雲ではなかったの
あれは、羊雲ではなかったの
あれは、フェンメルさんだったの
見えないの、見えてないの
わたしにもあなたにも
見えてないものが
あつたの
あつたの
それは悔しいかも知れません、わ
和事とは、なに?
和白とは、なに?
この気持ちを
なんと喩えたら、いいわけ?
あなたでもわたしでもない
あなたは
なんと喩えられたの?
わたしは
ただ向日葵のオルゴールを
聴いていただけだつたの
わたしは
ただ黄色いクマさんだつたの
いっそのこと
ぬいぐるみになりたつかつたの
わたしなんてあまつちょろい
ただ、ぼぉーーーっとしていた
ただ、ただ
ぼぉーーーっとしていた




