55 色とりどり
サトルとアンナは学校帰りに、いわゆる「いつもの駅」で下車して、とあるファーストフード店に来た。店内は成熟はされていないが、清新な予感をもって騒つている。
「日本人はもっと好きな色の服を着ればいいのに」
「う~ん……私は着れない気持ちも分かるけど……」
「体裁のようなものに囚われ過ぎなんだよ」
「だったら、今すぐ、サトルくんもその制服脱げばいいじゃない」
「へ!!?確かにね。だけどさ、」
「だ・け・ど、ばっかりじゃね」
「やっぱり、アンナには敵わない…ははっ!!まぁ……ちょっと野に咲く花を思い出してごらんよ。色とりどりだよ」
「それは……私もそう思うわ。日本人は、気が付いたら黒やグレーのスーツばかり」
「まるでお葬式」
「お葬式は言い過ぎね。まぁ~~サトルくんの気持ちも分からんでもないけど、ただ……」
「ただ……?」
「色んなことをモチベーションにしたり、活力にするのは自由だとは思う。黒いスーツを着ることがモチベーションやバロメーターの人もいるのよ」
「好きで着てるんじゃない、とか言いながらね」
「まあまあ……」
サトルは大好きなポテトを齧り、ほうばりながら、何かを吐き捨てるかのように言った。
「腰抜けだよ」
それを受けてアンナは時を止めるほどの情熱で
「サトル!!それは言い過ぎ!!人には色んな事情ってものがあるのよ」
「……アンナ先生は、やっぱ大人だな」
「サトルくんが子供過ぎるの!!まあ、私もどうしようもない承認欲求みたいなものがあるけど」
「それに自分で気付いて、告白できるアンナは、やっぱ大人だぁ」
「……大人じゃないけど、でも……、サトルくんだけは、アンナち・ゃ・んのところ守ってよね」
「お……、おう」
「ほら、もっとしっかりして!」
***
「飛散」
赤色チョーク
王である愛は雲海を泳ぐ
橙色ジャンプ
山と湖と冥王星を走る
黄色フラワー
その香りが黄昏を呼び
緑色ストーン
太古の秘薬が隠れん坊
青色ムーン
閃きの森に住んでいる栗鼠
紺色スター
ライトニングアロー
紫色カップル
小さな種から大きな木
桃色ダイヤモンド
子供と魚の大群のオーケストラ
銀色ソング
朝露とその結晶に萌ゆる
金色ジャーニー
かみさまとあらんどざわーるど
白色サン
獅子と朱雀とお友達
透明ポエム




