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33 エッセンシャル

20××年12月16日

菅谷杏奈


 いつかサトルくんが言っていたけれど、太古から天上のエネルギーを地上に降ろすものとして、最も純粋で有用な形態として、芸術があったそう。それは、まさしく、本来の芸術の姿だと私も思うわ。こんな私でさえも、昨日、あんなに美しい滝にサトルくんと一緒に立ち会えて、いてもたってもいられなくなるのだから、芸術家達にとっても、形に残そうと思うのも、ごく自然なこと。あのような滝を見て、感情が感情のまま、エッセンシャルなものになって、感動して、感動が羅針盤やエンジンになって、舞を舞って踊りたくなる人々や、詩を書きたくなる人々、音楽を奏でたくなる人々、絵を描きたくなる人々、陶芸や彫刻をしたくなる人々、その時、その状況や状態によっても異なるだろうから、本当に千差万別でしょう。


 そんな様々な因果関係にあるなかで、なにか形に残っていたり、後世に伝わってることじたい、地上における奇跡だわ!文化の継承、う~~ん考古学だって、たとえばエジプトのアマルナ時代の研究が何故か盛んに進んでいったのだとしたら、研究が進むことじたいが神様の御心のなのだと思うの。本当に素晴らしいことは、いつまでも伝えられていくし、思わぬ発見が今後もあるハズだわ。


 たとえば、詩は、天上の営みや波動を可視化したり、共有できるようにする手段としても、昔からかなり、用いられてきて、このような、純度の高い詩を降ろす人々が、シャーマンや預言者と呼ばれていたそう。「預言」とは、未来を語ることと、現代では捉えられがちだけれども、本来、預言とは、神様からの渾身の愛の御言葉、メッセージだそうよ。愛や知恵について語られているのが預言だから、現代人が捉えている予知だけの「予言」だけでは、理解不足だし、ちょっと神様に失礼ね。神様の御言葉を商業にしているようでは、どっかの宗教と同じよ!


 本来の宗教があるのならば、それは、争うことなく、あの自然にもあり、人々のなかにもあり、宇宙全体にもある、尊く、純粋なもの。内側にも外側にもあるの。違いは違いのまま活かし合って、支え合って、さらなる解放と自由をもたらし、全てを支えて、愛し導いている、いわば、根源の神様、本当の命の親や先祖よ。世界はひとつ。なんなの……この高鳴る想いは!(サトルくんのバイブスのようなものが、うつったのかしら)バラバラのままじゃいけない!みんなで愛を持って手を繋ぐ瞬間を予感するの!!200年300年かかっても、その時代が訪れるなら、私のこの命、喜んで捧げるんだから!!


 あの時……、サトルくんと山の頂上まで登っていったときに、感じたものは、本当に神秘的だった。やっぱり、登った者にしか見えない景色はあるものね。ちょっとでしゃばりかも知れないけれど、モーセがシナイ山で、サムエルがカルメル山で預言を(たまわ)うのも、少し、(うなず)ける私がいる。風や虫達は妖精で、鹿や兎は聖獣、鳥達は天使、花は天国に咲いているように咲きはじめるの。遠くに見える山々の稜線も、的皪(てきれき)とした日と共に、深遠な愛の国を讃美していたことには、嘘がつけないわ。


 あ、冬休みも近い。冬休みは、何しよっかな。白樺でもいいけれど、冬のひまわりでも、探しに行こうかな。てへっ、やっぱり、サトルくんのせいなんだから。

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