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20 僥倖

 20××年9月11日

 加藤悟


 どうして?あのとき、帰り道で、なんでもない街中をアンナと手を繋いで歩いたら、街中がまるで天界のように輝いて見えた。行き交う人々、ビルから見える小さな空、アスファルトから生える雑草、幾つかの美しく崩れていく思い出や概念、昇天していくかのように忘れていく欲望、こんなにも世界が輝いていたなんて!知らなかった……、本当に知らなかった!もしかしたら、この輝きをすでに体験し、その幸せをふりまいてきた人々こそが、芸術家や神秘家と呼ばれる人々ではないだろうか……きっと、芸術や神秘はこういう瞬間さえも、永遠のものにしてしまう魔法だ!アンナは天使だ!アンナは、ぼくのどこかどんよりしていた暗い世界に、光の匙を投じて、愛の国の門を開かせてくれたんだ!開いただけじゃない、手を繋ぎ、連れていってくれるんだ!


 書いていて自分でも恥ずかしいぐらいだけど、不思議なほど嘘はない!この目に見えない幸せを具現化したときに、きっと愛はもっと大きくなり、成長するんだ!う~ん……こういう気持ちこそがアートなのかも知れない!!その時、その時、正直に、真摯に、出来るだけまじりけがなく、まっさらに表現するんだ!!今、風は青い!!ぼくが感じる青は赤でもあって、黄色だし、緑だ!!緑を純化して使いつつ、青を深くしていく!!そこから青、青、青だ!!!

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