表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/21

第3話 おかしな桃太郎とおさる

偉文(たけふみ)くん、アイデア貸して?」


 安アパートの僕の部屋に従妹の胡桃(くるみ)ちゃんがきて言った。

彼女はとても元気な小学生だ。


 先日、放課後クラブで人形劇をやったところ、短いながら好評でアンコールの要請がでそうだ。

もともと『桃太郎』『かぐや姫』の2案があったが、人形が壊れてボツになっていた。


 今回は『桃太郎』が好きな子が、根性で人形を復元させることができたらしい。


「で、問題は正義の味方の役をやりたい人が多くなったの」


「桃太郎、犬、猿、キジ。主人公の側はこの4人だよね。これでも結構多いと思うよ」


「なんとかしてあと2人、桃太郎の仲間をふやせないかな」


「そうだなぁ。仲間が増えていく後半の話を少し変えよう」


 * * *


 桃太郎はキビ団子を使って、犬とキジを仲間にしました。

その後、見つけたサルに声をかけると、サルはこう言いました。


「僕は仲間と旅をしている途中なんだ。でも少しの間でいいなら、僕の仲間といっしょに手伝ってあげる」


 そしてサルは友達のブタとカッパを連れてきました。

桃太郎は犬、キジ、サル、ブタ、カッパとともに鬼ヶ島に向かいました。


 たくさんの鬼がおそってきましたが、桃太郎は仲間達と勇敢にたたかいます。


 桃太郎は刀を抜いて鬼に立ち向かいました。

イヌは鬼に噛みつきました。キジは鬼をつつきました。


 ブタは鼻息を吹いて鬼を吹き飛ばしました。

カッパは頭のお皿をブーメランのように投げて鬼にぶつけました。


 そしてサルは棒をつかって鬼と戦いました。


 鬼の親分はとても強くて、大きな金棒を振り回しています。

金棒の勢いが強くて、桃太郎は近づけません。


 その時、サルは持っていた棒を長く伸ばして、鬼の親分の頭をたたきました。

ひるんだところで、桃太郎は刀を親分につきつけて降参させました。


 鬼たちが盗んだという宝物をとりかえし、桃太郎たちは帰りの船に乗りました。

そこで、サルとカッパとブタは桃太郎に別れをつげました。

彼らの主人が待っているそうです。


 サルは魔法で小さな雲を出すと、カッパとブタを乗せて飛んでいきました。


 * * *


「ねえねえ。このおサルさんって、どーみても『そんごくう』だよね」


「人形劇でそれをいう必要はないよ。人形は『そんごくう』の絵本をみてマネしてね」


「偉文くん、ありがとー。さすがは将来の絵本作家だね」


 いや、それは冗談なんだけど。


 こうして、アレンジした桃太郎の人形劇はなかなか好評だったらしい。

サルの人形役の子がアドリブで「かめはめは~」って言って、笑わせたそうだ。


 終わった後で胡桃ちゃんの妹からツッコミがあった。


「西遊記は中国からインドにいく話だよ。逆方向の日本にきているのは変だよ?」


 細かいことは気にしないでね。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イメージソング:マリオネットショウ・ウィズ・パペット〔人形劇〕 [YouTube動画][歌詞]
i72fbzxv2ft51pjijavddiayelft_l7z_u0_mn_axbs.jpg

今回と同じ舞台のお話はこちら。
[K&K:胡桃ちゃんと暦ちゃん]

作者アホリアSSの別作品はこちら
新着投稿順
人気順
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ