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1そして、彼は死んだ

連載作品10作目です!

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風を切る、音がする。





「ほらよ、豚。いいからブーブー泣いてみな?」


ああ...


「うっわ。こいつ泣いてね?だっせーっ!後なんかめっちゃくせぇし」


なんで...


「バケツの水ぶっかけたのお前だろ!」


「あ、そーっした!サーセンwww」


こんなときに思い出すのがこれなんだよ。



「逆らってごめんなさいは?ちょうど四つん這いだし?ほらほら。言ってみ?さんはいっ!」


三人の男は変わる変わる目の前に現れて、手を叩いて笑い蹴飛ばす。



嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だーー。


苦しい苦しい苦しい苦しい苦しいーー。



足の先でつつかれ、嬲るように蹴られ、トイレの水をぶっかけられ。


まるでサッカーボールにでもなった気分だった。




俺は頭を腕で覆って蹲る。


ギャハハハッ!!と笑う声もどこか遠くに聞こえた。



なんで俺は、生まれてきたんだろう。


蹴られる中でそんな途方もない人類の問のような疑問が頭に浮かんだ。



だって、だってあまりにも俺の人生に意味が無さすぎる。


友達も出来たことがなくて、陰キャのぼっちで。


高校から心機一転。誰も自分を知らない高校を選んでようやく少し話せるかな?って奴らと出会いーーそしてこうなった。



なんで。


俺たち友達じゃなかったのか?


そう問うと一人が顔を顰めた。


『は?俺らがトモダチ?バッッカじゃねぇのっ!』





「ギャハハハッ!」という下品な笑い声は今でも思い出せる。




辛くて、苦しくて、哀しくて、ずっと一人で。



なんでだろう。


何が悪かったのだろう。



もし、今も後悔しているそれぞれのポイントに行けたのなら、絶対に後悔しないやり方を選べるのに。


こんな未来を生み出さない世界を創るのに。




最後の最後まで、俺の頭は後悔と苦しみでいっぱいだった。







そして凡そ二十メートルの距離はあっという間に詰められ、地面に衝突すると同時に意識は途切れた。


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