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09 王都まで・・・

まあ部品があっても、すぐにサスペンションを取り付けられる

わけがない。


昼間は王都に向かって走るし、夜は休まないとやっていられない。

特にサスペンションのない他の馬車に乗っている使用人たちは。


ということで、取り付けるのは王都に着いてからということになった。


そうすると、どうなるかというと・・・


「まあ、そんな方法があるのですの?!」

「さすがです!アレックス様!」

俺が話したことについて、オーバーアクションぎみに感心する

マンデイ母子。


そう、こっちの馬車に彼女たちがずっと同乗しているのだ。


正直、自分たちの馬車に戻ってほしいのだが、


『あんな快適なことを覚えさせた責任をとってくださいませ』

と言われて、『知らんわ!』なんて言える相手ではない。


おかげで、ずっと相手をさせられている俺・・・。


ソフィア様はうちの領の発展の秘訣ひけつを知りたがるし、マッティオは

俺のことを過剰に尊敬してるっぽい。


しかも2人とも過剰にボディタッチをしてくる。


だから俺には熟女属性もショタ属性もないって。

つか今の俺自身がショタだが。


だから、俺の隣に座ろうとするんじゃない!

母上、メリンダ、ちゃんと俺を護ってくださいね!


「アレックス様」

マッティオが俺に話しかけてきた。

「『アレックスお兄様』と呼んでいいでしょうか?!」


「は?!」

突然のことに一瞬、思考停止した俺。


確かに俺の方が年上(マッティオはメリンダと同じ11歳です)だけど

俺は、そういう属性は持ってないからね。


「ダメです!『アレックスお兄様』と呼んでいいのは私だけです」

お!メリンダ、よく言った。


「では、『兄貴』では?!」

「いえ、言い方の問題ではありませんので・・・」

何を言ってるんだ?!まったく・・・。


「そうだ!うちの姉様と結婚したら自動的にお兄様に?!しかも、

アレックス・マンデイになれますよ!!」


(俺はロ〇ート・ワ〇ナーか?!!)

心の中でツッコミながら言う。

「俺は嫡男だから婿むこにはなれませんし、

まだ嫁もとるつもりはありませんので。

それに、マッティオ様の姉ということは俺より年上でしょう?」


そこに横からソフィア様が入ってきた。

「あら?!ことわざにも、『年上の女房はかね草鞋わらじ

履いてでも探せ』というのがあるではないですか」


「この国に草鞋わらじなんかありません!というか、何でそんな

ことわざを知ってるんですか?!」


「おほほほ・・・」

笑って俺のツッコミを受け流すソフィア様。

「ところで、先ほどの畑の単位面積あたりの収穫量を増やし、

質を向上させる方法のことですが・・・」


だから迫ってくるんじゃない!手を握るな!

「お、俺が直接指導しなくても出来そうなことは教えてあげますので・・・」

うちの領の農民は皆、知ってることだしね。


「おお!ありがとうございます!」

だから、近いって!ソフィア様!!

マッティオ!お前まで迫ってくるなよ。


「ちゃんとメモをとってくださいね。、何度も説明しませんよ」

「はい、わかりました」

いそいそとメモの用意をするマッティオ。


そして、説明する俺と熱心に聞くマンデイ親子。


王都まで、ずっとこんな感じのやりとりが続いたのであった。

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