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第二部30 ご褒美は?

※ ウィークリイ王国・学園

   マッティオ・マンデイ


アレックス様がいつものようにシャルロッテ嬢、メリンダ嬢、クラリス嬢と

一緒にサロンでお茶を飲んでいる。


そこに僕は割って入り、

「アル様ぁ~っ・・・」

しゃがんで軽く曲げた両こぶしをテーブルにかけ、上目遣いで呼びかける。


上級生のお姉さま方に評判の『にゃんこのポーズ』だ。


「中庭での戦闘のときのご褒美をいただきたいんですけど~~・・・」

とおねだりをする。


「ああ、あのときはライアンをよくサポートしてくれたね」

「はい!」

にっこり微笑みながら言うアレックス様だが、


「だが、断る!!」

「え~~~~っ?!」


すっと立ち上がったアレックス様は、腰をひねって右手を腰にあてるポーズをとり、

開いた左手で顔を隠し、その指のすき間からこちらを見る。


「このアレックスが最も好きな事のひとつは、当たり前のようにご褒美が

貰えると思ってる奴に『NO』と言う事だ!」

「ええええ~~~~?!!!!」


僕が驚いていると、シャルロッテ嬢も立ち上がった。

そして、


「わけのわからないことを言う奴は、こうだ!」

どすっ!

「ろはんっ!」


アレックス様の横腹にボディーブローを決める。

変なうめき声を上げるアレックス様。


「ご褒美ぐらい、素直にあげたらいいだろ?!」

仁王立ちのシャルロッテ嬢が言う。


「ごめんね、マッティオ。お兄様のいつもの病気だから・・・」

メリンダ嬢もフォローしてきた。


「大丈夫です。わかってますから」

うん、アレックス様、たまに今のような変な言動をするんだよね。


しかも、こちらが意味がわからなくて、ノーリアクションだと寂しそうな顔を

するし・・・。


「シャルさん、ちょっとツッコミが強すぎませんか・・・」

横腹を抑えながら言うアレックス様だが、どことなく嬉しそうだ。


「背中だと十手があるじゃん。それに今のパンチぐらい、お前の腹筋なら

全然大丈夫だろ?!」

「まあ、そうだけどね・・・」


アレックス様によると、こういうやりとりは、ある国ではドツキーマザーイ

とかいう伝統芸能らしい。

仲のいい男女の場合は、メオートマザーイともいうそうだ。


「それでマッティオ、何が欲しいの??」

改めて全員テーブルにつき、お茶を飲みながら話の続きをする。


「アレックス様に特別区を案内して欲しいんです」

「んっ・・・?!紹介状を書いたり、優待券をあげるのじゃダメなの??」

「店を周るんじゃなくて、街中を歩きながら説明してもらって、うちの領の

今後の参考にしたいんです」

「ああ、そういうことか・・・」

「もちろんアレックス様と一緒なら信用されるし、いろいろと便宜を図って

もらえるでしょうけど、それよりも施設の構想や説明をしていただきたいと・・・」


もちろん、この理由は嘘じゃないけど、一番の目的はアレックス様とデートを

することだ。

いいよね?!ご褒美だもん。


「ふむ・・・」

「アル様・・・」

考えるアレックス様にクラリス嬢が耳打ちする。

「あっ!いいな!それ!」


そして僕に向き直って

「いいだろう。ただし、回る順番は俺に決めさせてくれ」

と言う。


「それはいいんですが、何かたくらんでません?!」

「たくらみというほどの事じゃないよ。ちょっと役にたって欲しいだけさ・・・」

とてもいい笑顔で言うアレックス様。


う~ん・・・、絶対何か、たくらんでるよね。

アレックス様が僕を傷つけるようなことをするわけないんだけど、ちょっと

気になるな・・・。


まあ、イイカ。

とりあえずデートの約束を取り付けたということでヨシとしよう。


うん、その日が楽しみですね、アレックス様!

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