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第二部26 姉と弟 その2

「よっ・・・と。はい!姉さん」

「ありがとう、ラザール」

僕はマウンテンバイクを降りて、後ろに立ち乗りしていた姉のクラリスが

降りやすいように、手を差し出す。


ちなみに、『街中での使用を前提としてるので、乗り降りしやすい

ママチャリタイプのSSフレームにした』とシャルロッテ様に言われた。


何でもママチャリタイプというのは、『女性向け』という意味らしい。


『三角フレームの方が丈夫だけど、山道や長距離を走るんじゃないから

問題ないはずだぞ。もし、何かあったらそのへんも使用記録に書いてくれ』

ということである。


確かに、アレックス様が使っているやつのように乗降時に足を高く上げて

跨がなくていいので使いやすい。


「んっ・・・??!」

気が付くと、姉のクラリスに周囲の視線が集中していた。


身内の欲目を差し引いても充分に美人であるが、アレックス様と出会ってから

ホリデイ領特産の化粧水をはじめとしたコスメ類を支給され、使用しているので

さらに美しさに磨きがかかっている。


その上、着ている私服もアレックス様が経営する服飾店のリウス店長が

仕立てた最新のものである。


透き通るような肌のブロンド美少女が流行の服を着て、誰も見たことがない

乗り物に乗ってやって来たのだ。


当然、注目の的である。


周りからは、『どこの大貴族の令嬢だ??』とか『まさか王族じゃない

だろうな?!』とか言う声が聞こえてくる。


実際は、貴族では最下級の男爵なんだけどね(笑)


うん、『どこかに護衛が隠れて・・・』とか言ってる人もいるけど、

そういうのもいないからね。


とか思っていたら、


「若奥様!いらっしゃいませ」

店から出てきた10歳ぐらいの男の子が声をかけてきた。


若奥様??! 何を言ってるんだ?!こいつは!


「あら?!エルト、今日はここで働いているのね。ご苦労様」

姉さんは、子供の頭を撫でながら答える。


えっ?!知り合い?!それはいいとして、何で『若奥様』なんて呼ばれてるんだ??!


「今日は、お客として来たのよ。案内よろしくね」

「はいっ!かしこまりました!どうぞ、こちらへ・・・」

エルトと呼ばれた子供は、姉さんの出した優待カードを受け取ると

僕たちを店の中へと案内する。


「かわいいでしょ、うちの孤児院の子よ」

姉さんが振り向いて言うが、


いや説明するのは、そっちじゃないだろ?!

あと、『うち』って・・・、完全に関係者になってるな。


さらに、店の中では、店員が皆、『代行様、いらっしゃいませ』と

挨拶してきた。


うん、食事をしながら、いろいろと聞かせてもらおうか・・・。

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