第二部24 秘書クラリス
※ ウィークリイ王国・王立学園、校庭
アレックス・ホリデイ
俺は、昨日の戦闘で荒れた校庭の修復作業の現場に来ていた。
「やあ、ご苦労さん!昨日に続いてすまないね」
俺は、クラリスとラザールに声をかける。
「いえいえ、お安い御用です。ねっ、ラザール」
「はいっ!お任せください!」
昨日の分と合わせて充分すぎる報酬を約束してあるので、2人とも
ホクホク顔である。
まあ、その報酬の大半は王家に出してもらうつもりだけどね。
「じゃ、よろしくね~・・・」
「「 は~~いっ! 」」
2人と別れて他の修復場所も見ながら、作業員に声をかけて回る。
面倒だが、こういうことも人を使う上で大事なのである。
一回りして、ほぼ全体の様子を見たところで
(それにしてもやっぱり相当違うな~・・・)
と心の中で思う。
クラリス&ラザールが加わっている部分と他の部分の進捗が
まるで違うのだ。
一応、他にも土属性魔法を使える者がいるのだが、あの2人とは
比べ物にならない。
さすが、ゲームの主要キャラだ。
優秀すぎる。
この2人を中心にして工兵部隊を作れば、間違いなく成果が上がるな。
工兵部隊とは支援部隊の1つで、陣地の構築や川に橋をかけたり、
爆破や罠を仕掛けたりする地味だが現代においては必須の兵種だが、
この国、というかこの世界では聞いたことがない。
まあ、男爵家の跡継ぎであるラザールがホリデイ領軍の軍に
入るなんて無理だし、クラリスは能力的にもったいない。
現在、彼女には俺の仕事をいろいろと手伝ってもらっている。
おかげでいろいろと助かっている。
工兵部隊をやらせるぐらいなら、学園を卒業したら正式に
俺の秘書になってもらいたい。
まあ貴族の令嬢は基本的に、いい嫁入り先を探すのが最優先なので、
そんなことは無理・・・でもないな!
現代日本では無理だが、この世界なら俺の側室になってもらえば可能だ。
まあ、シャルロッテが、そんなこと許してくれるはずないか、と
思っていたのだが・・・。
※ ウィークリイ王国・王立学園、サロン
アレックス・ホリデイ
「いいよ」
「いいんかい?!!」
シャルロッテの返事に思わずツッコむ。
校庭修復の現場の視察の後、サロンでお茶をしているときに、ふと
このことを思い出してシャルロッテに『まあ、ダメだよね~』なんて
冗談っぽく言ってみたら、思わぬ返事が返ってきた。
「本当にいいの?!」
改めて聞き直す。
「クラリスがアルの役にたってるのは、わかってるしな。
第一、彼女は性格もいいし、友達だし・・・」
「ふむ・・・」
「と言うか・・・」
同席していたメリンダが話に入ってきた。
「シャル姉様、苦手な社交や面倒な事務仕事とかを押し付けて、好きな
物作りに専念するつもりでは・・・?!!」
「ぎくっ!!」
思いっきり動揺するシャルロッテ。
そういうことか~~~い!!
というか、実際に『ぎくっ!』て言う人、初めて見たよ。
「それに、こっちで勝手に話を決めたって、クラリスさんが承諾するか
どうかわからないでしょ?!」
「まあ、そうだな」
「卒業するまで、まだ2年近く残ってるので、その間に誰かいい人を
見つけるかもしれないわよ?!」
メリンダの冷静な意見が続く。
「というわけで、その話は少なくとも来年までは保留ね!」
「そっか・・・」
「そうだよね・・・」
というわけで、その後は、たわいのない話をして今日のお茶会は
終わったのであった。




