第二部17 迎撃態勢
※ ウィークリイ王国・王立学園、校庭
アレックス・ホリデイ
「たそこい」の攻略対象者は全て魔法が使え、名字である曜日に
対応した属性の強力な使い手に成長することになっている。
つまり、クラリスとラザールはサタデイ:土曜日なので、土属性魔法が
得意なのだ。
そのラザールが『学園の地下に異変がある』と知らせてきた。
何者かが土属性魔法を使っているのを感じるというのだ。
そのことと、最近ルクスタイン王国の手の者が静かなこと・・・。
2つのことを結びつけるのは、簡単だろう。
トンネルだ!
反応は複数方向からだということなので、それぞれの穴から一気に
飛び出してきて、マルグリッド王女を襲うつもりなのだろう。
そんなこと、10人や20人で出来ることではない。
間違いなく、総力戦で一気に決着をつけるつもりだ。
こちらとしても、それは望むところだ。
いつまでも、ホリデイ領軍の兵士たちを学園に置いておく
わけにもいかないしな。
トンネルを逆にたどっていった場合、逃げられたら面倒だし、
校舎内まで入られたら、他の生徒が巻き添えになる。
というわけで、この中庭が決戦場だ。
奴ら全員、鉱山行きにしてやる!
まあ、運が悪かったら、あの世行きになるかもしれないけどね。
※ ウィークリイ王国・王立学園、校舎裏
ライアン・チューズデイ
フラン様から、近日中にマルグリッド王女への大掛かりな襲撃が
あると聞いた。
最近アレックスが変な動きをしていたのは、これに備えてか。
これって対人間の実践経験のチャンスじゃないか?!
何よりこんな面白そうなこと、アレックスだけに任せておけるもんか!
よっしゃあ! ひと暴れしてやるぜ!
※ ウィークリイ王国・王立学園、校庭
ラザール・サタデイ
う~~~ん、トンネルの状態がはっきりとは、わからないな。
相手が探知を妨害してるのもあるが、僕の魔法の精度が低いと
いうのも原因だ。
もっと鍛錬しないと・・・。
そう思いながら、中庭のマップを確認する。
中庭がマス目に区切られてアルファベットと番号がふってある。
敵の出現場所が予想出来たら、『Aの3』とか『Cの10』とか
言って知らせるというのが僕と姉の今回の役目だ。
戦闘には関わらなくてよいと言われているし、連絡兼護衛として
1人ずつ兵士がついてくれている。
なので、戦闘が始まったらすぐに校舎に逃げ込むことになっている。
ううっ、緊張するな~・・・。
※ ウィークリイ王国・王立学園、校庭
アレックス・ホリデイ
う~~~ん、今日は来ないのかな?!
そろそろ、お茶の時間も終わりだ。
暗殺者にしても、前回みたいに関係者に成りすまして校舎に入り込んで・・・
というのが出来ないから、このお茶の時間に襲うのが一番いいはず
なんだが・・・。
そう思いながら周りを見回すと、ライアンが目に入った。
今回のこと、ついフランチェスカに口をすべらしちゃったんだよな~・・・。
それがライアンに伝わってしまった。
実践経験のチャンスだと、あそこに待機している。
実力は認めるが実戦は勝手が違うから、無理はしないでほしい。
ヒロイン、つまり強力な回復魔法である聖魔法の使い手がいないんだから、
せめて大怪我はしないでくれよ。
とか思ってたら、クラリスが叫んだ。
「Hの15!Jの7!、来ます!!」




