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番外08 2年後その8

※ ウィークリイ王国・王都、ホリデイ伯爵家所有馬車内

  アレックス・ホリデイ


「若様、このたびのご厚意、改めて感謝を申し上げます」

俺の前の座席に座るクラリスが頭を下げ、礼を言う。


現在、彼女の礼服を作るために服屋に向かっているところだ。


サタデイ男爵家は、そんなに裕福ではないということ、そして今年は

2人の子供の社交界デビューで経済的に苦しいという報告を調査を

命じた者から受けていた。


なので俺は、サタデイ男爵邸での話し合いで、クラリスの登城のための

礼服を作らせてもらうことを申し出たのだ。


「いえいえ、うちの孤児院のためでもありますから、お気になさらないで

ください」

俺はクラリスに微笑みながら言う。


彼女と仲良くした方が情報が入りやすいしね。

彼女がヒロインなのか、それともヒロインは他にいるのか、それだけでも

わかったらだいぶ楽なんだけどな~・・・。


そして、馬車は王都の大通りの1件の服屋の前で停まる。


俺は先に降りて、クラリスの手を取って彼女が降りるのを手伝う。

何と言っても、俺は紳士だからね。


すると店先でほうきを持って掃除をしていた女の子がこちらに気が付いた。


「あ!若さ・・・、ぐっ・・・」

女の子は、思わず俺に飛びつこうとしたが、すぐに思いとどまった。


そして居住まいを正し、

「いらっしゃいませ、若様。今日は、どんな御用でしょうか?!」

おじぎをしながら挨拶をしてきた。


彼女はエレナ、うちの孤児院の子供の1人だ。

平日の午後は、職業実習で、この店で働いている。


俺は、彼女の頭を軽く撫でながら、

「うん、ちゃんと時と場所での態度の使い分けができてるね」

飛びつくのを我慢したことを褒める。


「えへへ~っ」

照れるエレナ。


この子は孤児院の中でも一番俺に懐いてる少女だ。

孤児院や学校で俺に会うと、いつも飛びついてくる。


「店長は、いるかな?」

「はいっ!」

元気よく返事をしたエレナは先に店に入って行く。


「店長~!若様がご来店で~す!」


「あらあら、若様、いらっしゃいませ~っ!」


エレナの呼びかけに応えて奥の部屋から出てきたのは、身長190cm

越えのゴツイおっさ・・・、いや、オネエさんだった。


「やあ、リウス」

俺は右手を上げながら挨拶する。


彼・・・いや彼女の本名はグレゴリウス。

ただしその名で呼ぶのは厳禁だ。

ゴリラなんて言ったら、本当にゴリラと化す。

本名に『ゴリ』が入ってるくせに・・・。


彼女と知り合ったのは1年前。

いろいろと面倒を抱えていたが、裁縫の腕を見込んで、その面倒を

辺境伯家の力でかたずけた後、この店を任せている。


つまりこの店も辺境伯家うちの経営である。


「いらっしゃいませ、店長のリウスよ」

「こんにちは、クラリスです」

リウスが、俺の横に立ったクラリスと挨拶を交わす。


「若様、今日は何の御用かしら?」

「クラリス嬢には、孤児院がお世話になっていてね、その件で今度、

王城に上がるので礼服を仕立てて欲しいんだ。

明後日の朝までに仕立ててほしいんだが、出来るかな?!」


「失礼するわね」

リウスはクラリスにそう言った後、彼女の前後に回り込みながら、

体形をチェックしていった。


「特に変わった体形でもないので、既製品に手を入れるのでよければ

出来るわよ」

「ああ、それで頼む」

「承知したわ。寸法をいただきなさい」

リウスは後ろに控えていた店員に指示をだし、クラリスを別室へと

案内させる。


「若様はこちらで基になる既製服を選んでちょうだい」

俺はリウスに案内され、既製服が並んでいるコーナーに行く。


う~~ん、清楚な感じがいいかな・・・?!

クラリスが着たイメージを頭に描きながら既製服を見ていく。


そして2日後、仕上がった礼服を着たクラリスと共に、登城したのであった。

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