番外04 2年後その4
※ ウィークリイ王国・王都、孤児院
「野うさぎ ぴょんぴょん♪ 丘の上~ 丘の上~♪」
「ぴょんぴょんぴょ~~ん♪」
「ぴょんぴょんぴょ~~ん♪」
俺の歌に合わせて女の子たちが歌いながら飛び跳ねる。
「王都の街にガオ~ッ♪ 夜の大通りにガオ~ッ♪
ビューッと飛んでくド~ラゴン28匹~♪」
「ガオ~ッ!」
「ガオガオ~ッ!」
今度は男の子たちが跳ね回る。
とても楽しそうである。
うんうん、やっぱり子供はこうでなくっちゃ!
貧民街の片隅でお腹を空かせてうずくまってるなんてダメだ!
俺の手の届く範囲の子供たちは、それなりに救うよ!
まあ、成人したら当人次第だけどね。
とかやってると、
「「 若様~~! 」」
女性職員が2人、部屋に入って来た。
「「 私たちにも歌ってくださいませ~~! 」」
うん、ちゃんと歌うよ。だから自分たちでハモる必要ないからね。
タ~ン、タタタタ~~~ン♪
前奏に続いて、以前来たとき、彼女たちに好評だった恋の歌を俺は、
情感たっぷりに歌いあげる。
子供たちは意味がわからない歌詞が多いので、ぽかんとしてる子が
多いが、職員ペアはうっとりである。
タ~ン・・・・・・♪
パチパチパチ・・・
フィニッシュを決めた俺に拍手が送られる。
立ち上がって振り向き、拍手に応えて礼をする。
「若様!」
「わっ!」
職員の1人が急に近くに寄って来た。
「若様には、決まった方はおられるのですか?」
ああ、そういうことか。ならば、
「はい、同い年の婚約者がいますよ」
あっさりと希望を砕いてあげましょう(笑)
「そうなのですか?!!」
明るい声で言う職員。
え?!何で嬉しそうなんだ??
俺の配偶者の座を狙って・・・とかじゃないの?
「お相手は、どういう方なのですか?!」
もう1人の職員もキラキラ目で聞いてくる。
あ!なるほど。これ、知っててわざと聞いてきたな。
こいつら、恋バナを聞きたいだけだ。
う~~ん、どうやってかわそうか・・・?
なんて考えていたら。
「若様!お相手は、どんな方なんですか??」
とクラリス。
お前まで参加するんかい?!!
心の中で思いっきりツッコミながら、
「すみません、さすがにそのへんはプライベートなので・・・」
と、やんわり断る。
「あ、ごめんなさい。もうすぐ学園に入学するので、両親からいろいろと
言われているもので・・・」
あ、なるほど。
貴族の身分としては男爵家は下の方だから、いい結婚相手を見つけろって
言われるよね。
一瞬、納得しかけた俺だが、微妙に違和感を感じた。
・・・・・・『もうすぐ学園に入学する』??!!
ヒロインはメリンダと同じ歳のはずで入学は来年のはずだぞ?!
じゃないとメリンダが悪役令嬢として活躍できない。
まあ、そんな活躍なんてさせないけどね。
「失礼ですが、お歳は・・・?」
「14歳ですわ」
そうだよね、入学するんだから、俺と同じ歳だよね。
一年後のことを『もうすぐ』なんて、エルフジョークでも言わないし・・・。
またも出てきた俺の知っている『たそこい』との大きな違いに
俺は困惑するしかなかった・・・。
『同じ歳』よりも『同い年』という方が、
なんとなく趣があっていいですよね?!




