38 ピアノリサイタル
1年ぶりの更新です。
一応、エタらせない気ではいるんですが・・・
ではまた来年にw(ヲイ!)
「うっふふ~~~ん、もっちもち~~♪」
「うにゅ~~、癒されますわぁ~~・・・」
応接室の3人掛けのソファーでシャルロッテに両側から母上とメリンダが
抱きついている。
その様子を見ていると、『さわらせてっ!シャルロッテさん』
なんてタイトルの4コマ漫画が書けそうである。
残念ながら、俺に『小悪魔ムーブ』はしてくれそうにないが・・・。
いや、頼めばワンチャンあるかな?!
正直、婚約者の俺を放置しているのはどうかと思うが、母上と
メリンダが楽しそうだし、俺も見ていて癒されるのでイイカ・・・。
ゴックン・・・
あ~、お茶がおいしい。
「ところで・・・」
俺は紅茶を一口飲んでカップをソーサーに置いてから視線を
もう1つの3人掛けのソファーに移して言う。
「なぜ、あなたたちがここにいるんでしょうか?」
そこには、マッティオ、フランチェスカ、ライアンの3人が
座っていた。
「何をおっしゃるのです?!僕たちは親友ではないですか!
一緒にいても何の不思議もないです!」
セミドライフルーツをかじりながら言うマッティオ。
「そうですわ!婚約者がいたとしても、友達でいることには何の
問題もないですわ!
それに、シャルとの婚約はまだ正式なものではないのでしょう?!」
優雅にお茶を飲みながらフランチェスカも言う。
「そうなんだよなぁ・・・、何で俺はここにいるんだろう・・・」
ライアンは頭を抱えている。
彼は、あれからずっとこの2人に巻き込まれてるんだよね。
ライアンは、なかなかの巻き込まれキャラのようだ。
うん、強く生きるんだよ。
「アレックスぅ~!」
「おぶっ!」
いきなりシャルロッテが後ろから抱きついてきた。
「いきなり何?」
チュッ
「あ!!」
「にゃーーーっ!!!」
猫のような叫び声を上げて離れるシャルロッテ。
振り向いた拍子にシャルロッテの頬にキスしてしまったのだ。
「あらあら・・・」
「お兄様ったら・・・」
楽しそうな母上とメリンダとは対照的に、
「アレックス様!何をやってるんです!」
「人前でフシダラですわ!」
マッティオとフランチェスカがマジでツッコむ。
「い、いや、今のは事故だろ?!」
俺はそう言いながらも、自分の頬がゆるんでるのがわかる。
「と、ところで、俺に何か言いたかったんじゃないの?」
「あ、そうだった!」
とシャルロッテ。
「お前、聞いたことのない歌詞やメロディーの曲を知ってるそうじゃ
ないか?!よかったら、聞かせてくれ!!」
「い、いや・・・それは・・・」
「何ですって!!」
「ぜひ、聞きたいです!!」
言い訳してごまかそうとしたら、フランチェスカとマッティオが、
思いっきりのってきた。
そして、
「お兄様!」
「わっ!!」
メリンダが俺の前に回り込んできて、期待のこもったキラキラ目で
見つめてきた。
「歌ってくださらないのですか・・・?!」
くそ~、両拳を口元で合わせての上目遣いなんて・・・可愛すぎるだろ?!!
「わかったよ・・・、じゃ、音楽室に行こうか」
楽器を演奏出来ることは上級貴族の嗜みとして重要なことである。
なので、うちの家族は全員それなりに楽器を演奏できる。
そして俺の得意な楽器は・・・
タ~ン、タラララララ~~~ン♪
ピアノである。
さて、何を弾こうかな?
「お兄様、あれをお願いしますわ!」
メリンダはそう言って、彼女の得意な楽器・バイオリンで前奏を弾く。
「ああ、これか!」
了解した俺は、メリンダの前奏が終わった瞬間に勢いよく鍵盤を叩く。
ターンタタタタンタン、タンタンターーーン♪
ターンタタタタンタン、タンタンターーーン♪
タッタラッタタッタラッタタッタタッタタッタタン♪
チャイコフスキーのくるみ割り人形行進曲をロック調に編曲した曲・
ナ〇トロ〇カーである。
ターンタタタタンタン、タンタンターーーン♪
俺はノリノリで弾いていく。
もう気分は、キ〇ス・エマ〇ソンである。
そしてラストだ。
タンタタンタタララランタタン、タンタ~~ン♪
右手を高く上げ、フィニッシュのポーズを決めてみた。
・・・・・・
あれっ?!反応がないぞ。
なかなかの演奏だと思ったんだが・・・。
そう思いながらシャルロッテたちの方を見ると、彼女だけでなく
フランチェスカやマッティオ、ライアンまでもがポカンとしている。
パチパチパチ・・・
「すばらしいですわ!お兄様!」
拍手しながらメリンダが言う。
「あ・・・、さ、さすが、アレックス様です」
パチパチパチ・・・
マッティオがあわてて拍手をする。
パチパチパチ・・・
パチパチパチパチ・・・
それに続いてシャルロッテ、フランチェスカとライアンも拍手をしてきた。
聞いたことのない素晴らしいメロディーに驚いて、反応が遅れたようだ。
「本当にすごいですわ!」
とフランチェスカ。
「アレックス!!お前、こんな才能もあるんだな・・・」
感心したようにシャルロッテが言う。
うん、彼女の中で俺の株が爆上がりのようだ。
そんなに喜んでくれるのなら、さらにサービスするかな?!
「シャルロッテ・・・」
俺は、彼女の目を見つめながら言う。
「この曲を君に捧げるよ」
そしてピアノに向かう。
ターンタンタタタ~~ン♪
「君がどこにいるのかわかってるさ♪」
今度はピアノだけではなくて、一緒に歌う弾き語りだ。
曲は、ピアノロックグループ『四月に作っちゃうよ』の『薔薇と蝶』である。
ターンタカタンタンタンタ~ン♪
「僕は君を永遠に離さないよ~♪」
歌詞は、この世界ではわかりにくい部分もあるので、適当に変更しながら歌う。
タンタタンタンタタン♪
「ずっとずっと一緒だよ~~~~♪」
タ~~~~ン♪
フィニッシュを決め、立ち上がった俺は、シャルロッテに貴族流の礼をすると、
「アレックス!!」
「おぼふっ!」
興奮したシャルロッテが抱きついてきた。
「アレックス!本当にお前はすごいな!」
そう言ってまたキラキラ目で見つめてくる。
「こんなかわいい婚約者がいるんだからがんばらないとね」
そう言って、彼女を抱きしめる。
「んふっ・・・」
シャルロッテも抱きしめ返してきた。
そして2人の世界から取り残された周りの者たちは、ある者は嫉妬の
まなざしで、ある者は羨ましそうに2人を見つめるのであった。
原稿を読み直していたら、『株』を『下部』と誤変換していました。
たったそれだけで、文章がとんでもない下ネタに!!_| ̄|○




