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25 社交界デビュー その11

「な、何だよ?!嫌なのか??」

俺たちの反応にシャルロッテが眉をひそめる。


「い、嫌というわけではないんだけど・・・」

「じゃ、いいじゃねえか」

「それが、先約があって・・・」

「は?!!」


ということで、シャルロッテにフランチェスカのことを説明する。


「あんのクソエルフ~~!!」

怒るシャルロッテだが・・・、


「あらら、下品なドワーフが何か言ってますわね?!」

そこにタイミングよく、フランチェスカがバルコニーに入ってくる。


「何だ?!盗み聞きしてたのか?!」

「おほほほ、たまたま通りがかったら、誰かさんの大きな声が

聞こえてきただけですわ」


おや?!この感じは?!


この世界でもお約束の『ドワーフとエルフは仲が悪い』なのかな?!

それとも、この2人が仲が悪いだけなのか?!


「とにかく、アレックス様とのラストダンスは私のものですわ」

とフランチェスカ。


「決めるのはお前じゃないだろ?!」

そう言ったシャルロッテが俺に詰め寄る。

「アレックス!どっちを選ぶんだ?!」


「えっ?!」

いきなりこっちに話をふるなよ!


「おほほほ、もちろん私ですわよね!」

「お前にゃ、いてねえよ!」


そんなのどっちにしても恨まれるじゃん・・・。


そうだ!


「どちらもお断りするということは・・・」

そうすればメリンダとラストダンスを踊れるじゃん。


「ダメに決まってるだろ!」

「ダメですわ!」

2人は、さらに詰め寄ってきた。


あ、やっぱり。


「そんなこと言われても俺の身体は1つだし・・・」


「お二人とも、お止めください!」

メリンダが割って入る。

「お兄様が困っているではないですか!!」


お、メリンダ、ありがとう。

情けないけど、とりあえず妹の陰に隠れる俺。


無言でメリンダ越しに俺を見る2人。


そして、シャルロッテがフランチェスカに言う。


「わかった、ラストダンスはお前に譲るよ」


「「「「 え?! 」」」」


「いいんですの?!あなたが私に譲るなんて・・・」

フランチェスカは、信じられないものを見たとでもいうようにく。


「何だ?!譲ってほしくないのか?」

シャルロッテは俺の方に向かって歩きながら、顔だけフランチェスカ

の方に向けて言う。


「いえ、それは譲ってほしいですけれども・・・」

フランチェスカは納得がいかないようだ。


「こいつはいい奴だからさ・・・、困らせたくないんだよ」

そう言いながら俺の肩をポンポンと手のひらで叩くシャルロッテ。


「それにっ!」

「わっ!」


シャルロッテは、俺の左腕に自分の腕をからめてきた。


「ラストダンスを踊らなけりゃ、仲良くしちゃいけねえなんてことは

ないだろ?!というわけで行くぞ!」

「え?!どこに?」

「ラストダンスは譲ったが、それまではあたしと踊るんだよ」


シャルロッテがとてもいい笑顔で言う。


「ダメですわ!お兄様は私と踊るのです!」

今度はメリンダが俺の右腕に自分の腕をからめる。


「おう、じゃ交代な」

そう言いながらシャルロッテは俺をメリンダごと引っ張って

バルコニーから出た。


あとに残されたフランチェスカとマッティオ。


「う~ん、『試合に勝って勝負で負けた』というやつですか・・・」

マッティオがフランチェスカを見ながら、ぽつりと言う。


キッ!

「ひっ!」


フランチェスカににらまれ、ビクッとするマッティオであった。

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