20 社交界デビュー その6
「アレックス様、誰か気になる方がいるのですか?」
マッティオが聞いてきた。
だから手を握るな。
ほんと距離感がおかしいぞ、お前。
シャルロッテとフランチェスカの方を見て、ため息をついていたので
勘違いされたのか・・・。
「いや、子供に興味はない・・・」
やんわりと手をほどきながら言う。
「え?!」
マッティオが驚いた顔をした。
いや、だって俺、ロリ趣味はない・・・って、今は俺が子供か~?!!
「おに・・・アレックス様は年上が好きなのですか?!」
また、『おに』と言ったが、今回は許してやろう。
「というか、他のことが忙しくて、そちらに気を回す余裕がないだけだ」
年上好きとかいう誤解を受けたらたまらないので、そういうことにしておく。
「ああ、そういうことなのですね。アレックス様は多忙な方ですから・・・」
マッティオが、ほっとした顔をした。
正直、元日本人で大学生なので、あんなツルペタ少女たちに恋愛感情は
もちろん、性的興味なんかない。
1人、シャルロッテだけは胸とお尻が際立っているが、それは
ドワーフの血筋のせいで、80%、いやたぶん90%は筋肉である。
大胸筋に上げ底されたおっぱいなんて・・・うん、悪くないか・・・。
『おっぱいに貴賎なし』である。
好みはあるけどね。
おっと、俺は何を考えてるんだ?!!
今、大事なのは攻略キャラの確認だ。
マッティオが何か知ってるかな?!
「マッティオ、サーズデイ家とフライデイ家に俺たちと同じぐらいの
年頃の男子はいるのかな?」
「う~ん、うちは両家とも特に親しくないもので・・・」
小首をかしげながら答えるマッティオ。
まあ、この2つの家はエルフとドワーフの血が入っている特殊な
家柄だからな。
他家と余り交流はない。
メリンダが学園に入るのは3年後なので、攻略キャラのことは
それまでに調べておけばいいと思っていたが、どうするかな?!
と考えていたら、誰かが声をかけてきた。
「おいおい君たち、何を男だけで固まってるんだ?!せっかくの
交流の機会だぞ。レディたちと話をしてダンスに誘うんだ」
話しかけてきたのは、黒髪黒目、少年のあどけなさを残しながらも
男らしい顔つきをしたイケメンであった。
ん?!なんか見覚えあるな・・・。
「あ、メイソン先輩!」
「え?!先輩?!僕を知ってるのかい?!」
おっと、おもわず名前を呼んでしまった。
彼は、メイソン・ダグラス。
軍閥派のダグラス伯爵家の次男である。
『たそこい』では、騎士団の若手のホープで、学園での誘拐事件の
イベントのときに派遣されてくるキャラである。
今はまだ学園に在学中のはずだ。
イベント時、『様』をつけて呼ばれるのを当人が嫌がったが、呼び捨ても
出来ない。
そこで学園の卒業生でもあるということで、『メイソン先輩』と呼ぶことに
なった。
「失礼しました、メイソン・ダグラス様ですね。アレックス・ホリデイです」
「あ、こちらこそ失礼したね。メイソン・ダグラスだ。
神童アレックス・ホリデイ様に知ってもらえてるとは光栄だね。
うん、『メイソン先輩』か・・・いいね、どうせ君たちも学園に入るんだし、
そう呼んでくれると嬉しいな」
うん、メイソン先輩はゲーム通りの気さくな頼れる兄貴タイプのようだ。
もし彼まで女になってたら頼れる姉御か・・・意外と悪くないかも?!
「では、私はアレックスと呼び捨てでどうぞ」
「ああ、公式の場以外ではそうさせてもらうよ」
先輩は社交デビューした者たちの交流のサポート役として来たとのことだ。
せっかく社交デビューしても交流が出来なければ意味がないが
最初は戸惑うだろうし、内気で声をかけられない者もいる。
そこで毎年、学園の在学生から選ばれて10人ほどサポートに来るのが
慣例になっているのだ。
「というわけで、お嬢様方のところへ交流に行こうか。
ほら、君たちもだぞ!!」
メイソン先輩に引き連れられ、俺は、マッティオやライアンたちと
一緒に女の子たちの方へ行くのであった。




