表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/83

17 社交界デビュー その3

俺はメリンダをエスコートして、大ホールの中央に進んでいく。


するとあちらこちらから、『えっ?!』とか『ほう?!』とかいう、

ため息とも驚きとも賞賛ともとれる声が聞こえてきた。


ふふふ・・・我が妹のかわいさ、そしてそれを引き立てるドレスと

アクセサリーを見よ!!


いや~、このドレスには苦労したよ。


メリンダのドレスをどうしようかと母上たちと話しているときに、

日本風の柄にしたら面白いんじゃないかと思いついた。


イメージは、フランスの印象派の画家クロード・モネのラ・ジャポネーズ

『日本衣装を着るカミーユ』だ。


もちろん、あんな武骨な武者の絵じゃなくて、もっとかわいい模様を使う。


何の模様がいいかと皆で相談して、ホリデイ辺境領の特産である花に

することになった。


この季節の草花を染め抜いた生地を縫製し、さらに刺繍ししゅうをほどこして

模様を立体的に仕上げた。


辺境領の刺繍の得意な女性たちが、『お嬢様のためなら』とがんばってくれた。

ありがとう。


問題は、メリンダが成長期に入っていることだ。(俺もだが)


なので、辺境伯領で仕立て上げるとサイズが合わなくなっている可能性が

あると思ったので、仮縫いまでしておいて、こっちに来て仕上げをした。


ここ数日にやったことで、一番大変だったよ。

まあ、俺が直接やったわけじゃないんだけど。


アクセサリーはメリンダの金髪にえるように銀細工の髪飾りと

ネックレス。


星や花、貝などをデザインした銀細工に小粒の宝石やガラスが

ちりばめられている。


材料費はたいしたことはないが、手間がおそろしくかかっている。


我が辺境領の職人たち、入魂の一品である。


俺の服装?


俺はメリンダの引き立て役だからね。


なのでえりに家紋がついているだけの濃紺で無地の特徴のない礼服に

アクセサリーも家紋入りのカフスだけだ。


「ホリデイ辺境伯家長男アレックスにございます」

「同じくホリデイ辺境伯家長女メリンダにございます」


大ホールの中央まで進んだ俺たちは順に挨拶をする。


このとき、俺は片膝をついていた。


今回は、そこまでの礼儀をしなくてもよいのだがメリンダを目立たせるためである。

観客に、俺が邪魔でメリンダがよく見えないなんてことがないようにね。


ほれほれ、どうだ俺の妹は?!!

かわいくて可憐かれんだろ?!!!


じっくり見るがよい。


「両名、前へ出よ!」

「「 え?!!! 」」


国王様の言葉で俺とメリンダのみならず、会場中の者が驚く。


声をかけられることはあっても、『前に』なんて言われた例はないはずだ。


しかし、


「2人とも、もっと近くに来なさい」

「「 !!!!! 」」


今度は王妃様がおっしゃった。


俺は立ち上がり、メリンダの手を取ってエスコートしながら前に進む。


どれぐらい近づけばいいのか?


近づきすぎては不敬になるし、遠ければ『さらに近くに』と言われて

しまうだろう。


どちらが国王様・王妃様の好感度を損ねないですむのか?!


考えろ!


国王様の意図は・・・?!


自分だったらどれぐらいの距離を望む・・・??


え~~~い!ままよ!!

(注:ままよ[(まま)よ] 意味:なるようになれ、成り行きまかせだ)


俺は、自分が判断した距離まで近づき礼をする。


メリンダも俺に続き礼をした。


すると、


「ふっふっふ・・・」


「「 ?! 」」


「わっはっはっはっ・・・」


国王様が笑い始めたのであった。

「ええい、ままよ!」は、今ではあまり使われない言葉だと思いますが、

こういう場合には一番合ってる気がして使ってみました。

いかがでしょうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ