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13 隠し部屋

※ホリデイ辺境伯王都屋敷

 メリンダ・ホリデイ


現在、私は自室で待機しています。


まもなく知らせがくるはず、うふふふ・・・。


コンコン


ドアがノックされました。


キタ~~~!!


急いでドアを開けます。


そこには、予定どおりメイドのリリーがいました。


「ターゲットが予定の場所に移動しました」


リリーの報告を受けて、私は彼女と一緒にある場所へ移動します。


それは、隠し部屋。


今では使われなくなっていますが、この国の政情が今よりずっと

不安定だった時期に使われていた護衛が潜むための部屋です。


応接室や寝室、客間などに隣接して作られ、何かあればそこに潜んでいた

護衛が飛び出して家の者を護れるようにと作られたものです。


そして、私たちが行く隠し部屋は・・・浴室用です!


いえ、覗きなんてしませんよ。

本当ですよ。


ただ歌を聞きたいだけです。


何を言ってるのかわかりませんよね?!

私も同じことを言われたらそうだろうと思います。


ところで、私はさっきから誰に説明しているのでしょう?


妖精のいたずらか何かでしょうか?!


まあ、自分の行動を自問自答して確認することはよいことなので

気にしないことに致しましょう。


ということで、回想に入りますよ。


ある日、ホリデイ領の屋敷で廊下を歩いていると、どこからか

歌が聞こえてきたのです。


耳をすまして聞いてみると、その歌の旋律も聞いたことがないものでしたが、

歌われている言語も、今までに耳にしたことがないものでした。


いったい誰が?!・・・なんて思いませんけどね。

この声は間違いなくお兄様です。


声のする方へ向かうと浴室でした。


こっそりと覗く・・・なんてしませんよ。

私はレディですからね。

アーマロイドの方じゃありませんよ。


でも、耳をすますぐらいはいいでしょう。

レディとしても許容範囲です。

今、決めました。


本当に素敵な歌。


お兄様がこんな歌を知ってて歌えるなんて。


これは、お兄様がお風呂から上がったら、さっそく歌ってもらわなくては。


と、思っていたら、『適当に歌っただけだから再現できない』と

とぼけられました。


いや、あんなにはっきりした旋律で歌っていたではないですか。

それに、あの聞いたことのない言語は?


え?!『適当にスキャットしただけ』?!嘘だぁ~!!

(注:スキャット・意味のない音を即興的に歌うこと)


「スキャットマン・アレックスと呼んでくれ!ビーバッパッパラッパ♪」


いえ、そんなのでごまかされませんよ。

あ、逃げた!


まったく、お兄様ったら・・・。


というわけで、リリーに相談してみました。


すると、彼女もお兄様が自室や浴室などで人気のないときに、たまに

歌っていることを知っていました。


彼女もお兄様に歌のことを聞いたところ、私と同じようにあしらわれた

そうです。


何かお兄様の歌をちゃんと聞く方法はないでしょうか?


リリーに相談していたら、彼女が王都屋敷の隠し部屋のことを思い出しました。


というわけで、今回、作戦を実行することにしたのです。


今日、お兄様はお母様の膝枕でリラックスしています。


そういうときは、浴室で歌を歌うことが多いのです。


さあ、隠し部屋の入り口にやってきましたよ。

お兄様に気づかれないように壁に偽装されたドアをそっと開けます。


「え?!」


隠し部屋にはすでに誰かがいました。


「お!お母様!!」

「メリンダ!」


そう、お母様がいたのです・・・そして・・・


「誰?!!誰かいるの?!!」

浴室からお兄様の声が!!


気づかれてしまいました。

逃げなくては!


きゃっ!お母様、何をなさるのです?!

服を掴まないでくださいませ!


逃げようとして、よろめいたお母様にしがみつかれました。


「母上!メリンダ!」

浴室から出てきたお兄様に見つかってしまいました。


「きゃっ!お兄様っ!」


お兄様は裸なので、お兄様のポークがビッツしていました。


「あにゃ!!」

変な声を出して、お兄様は浴室に戻って行きました。


ザブンッ


湯舟に飛び込んだ音の後、

「母上!メリンダ!後でわけを話してもらいますからね!!」

隠し部屋の壁の向こうからお兄様の叫ぶ声が聞こえました。


そして、その後、お母様と私は、お父様とお兄様に叱られたのでした。

    ・

    ・

    ・

    ・

※ホリデイ辺境伯王都屋敷

 アレックス・ホリデイ


俺のは、フランクがフルトだよ!!

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