11 膝枕
途中の村や町で2泊した後、無事に王都に着いた俺たち。
「はふ~~~・・・」
現在俺は、サンデイ辺境伯王都屋敷の一室でぐったりしていた。
「いろいろとご苦労様でしたね、アレックス。おかげで、マンデイ
侯爵家と友誼を結ぶことが出来ました」
母上が太股の上に乗った俺の頭を優しく撫でてくれている。
そう、膝枕をしてくれているのだ。
この国にはそういうことをする文化はないのだが、あるとき母上から
俺の辺境伯家への貢献にたいしての褒美は何がいいかと
聞かれたときに『膝枕をしてほしい』と言ったら、とまどいながらも
してくれた。
それ以降、疲れたときにこうやってソファーに座った母上に膝枕を
してもらっている。
真似をして、ときどきメリンダもしてもらっているようだ。
あ~、落ち着く。
俺はまだ子供だからね、甘えたっていいよね。
「それにしてもよかったのですか?ソフィア様に化粧水を渡して・・・」
俺の頭を撫でながら母上が聞いてくる。
母上の美容の秘訣を知りたがるソフィア様に、
『市販化されるまで秘密』という条件で俺の開発した化粧水を
譲ったのだ。
「大丈夫ですよ。どうせ2~3ヶ月後には石鹸と一緒に販売する
予定ですから」
化粧水に使われる保湿成分のグリセリンは石鹸の副産物だ。
なのですでに量産化の準備ができた石鹸とともに化粧水も売り出す
計画がたてられている。
ソフィア様が化粧水を使った効果がでれば、当人は秘密にしていても
気が付く者がいるだろう。
特に身近な者たちは・・・。
「もしかしてソフィア様が『せめて家族の分だけでも・・・』などと
おっしゃってきたら、追加で譲って上げてください」
俺は母上を見上げながら言う。
きっといい宣伝になってくれるはずだ。
マンデイ家の馬車につけるサスペンションの改造で予備の
スプリングがなくなることだし、一緒に石鹸や化粧水も辺境伯領から
送ってもらっておかないと。
あ、マッティオが半生ドライフルーツを気に入っていたな。
それも・・・送ってもらう・・・か・・・
あと・・・やる・・・ことは・・・なかっ・・・たか・・・な・・・
母上に膝枕をされたまま、夕食の時間まで心地よく眠った俺であった。




