第18魔 『【傲慢】』※後書きに『従魔一覧表』のおまけ有り
「いろいろと突っ込みたいことはあります。ですが――まずは、さっさと服なり鎧なりを錬成しなさい」
空中で大悪魔ブラセオが、オックスの気持ちを代弁した。
「ん? 服? 鎧? どうしてだ?」
裸の悪魔が首を傾げる。
「ど、どうしてって、あなた……恥ずかしくないのですか?」
悪魔ブラセオが困惑の声で問う。
「恥ずかしい? 何を言っているんだ? 全く意味がわからん。――そもそも、どうして服を着なくちゃならんのかって話だな。それを今日ここでハッキリさせておこうぜ」
「も、もしや、あなたは、服を着たくないと?」
女裸族の仰天発言に、オックスとブラセオの男性陣は困惑を隠せない。
ブラセオの言葉に、裸族は手を腰に大きく首肯し、巨大な乳房がブルルンと大きく上下した。その豪快な裸体には、先のドラゴンブレスの傷跡など、どこにも見当たらない。
「そういうことだぜ。どうしてわざわざ、邪魔なものを身につける? 煩わしいし、自慢の筋肉も隠れてしまう。どう考えても、いいことなど1つも無いぜ」
ふむ、とオックスは納得してしまう。人が衣服を身に纏う理由は『機能』と『ビジュアル』を補うためだとオックスは考える。
確かに『ドラゴンブレス』をも耐えきる、この裸族ならば、防御としての装備は必要あるまい。加えてこの女は悪魔であるからして、病気の心配もない。つまり『機能』としての衣服は必要ないのだ。
では次に、『ビジュアル』として衣服を必要としないのか、について議論せねばなるまい。
オックスから見ても、この女悪魔の肉体は、なるほど惚れ惚れするほど素晴らしい。
豊かなバストを支える、大胸筋。
その下で、見事に分割された、腹筋各種。
なにより素晴らしいのは、大剣を軽々と振るうことを可能にしている、広背筋だ。
起伏に富んだ筋肉が織りなす肉体美のシンフォニーに、思わず目を奪われる。
いや、巨大な尻を支える大臀筋もいい。
足を覆う見事な大腿四頭筋も捨てがたい。
そうなれば、上腕を支える僧帽筋も、三角筋も、上腕筋各種も、オックスを放って置いてはくれないのだ。
いや待てよ……。もしや、インナーマッスルか?
インナーマッスルを隠すため、筋肉の鎧をすでに纏っていると、この筋肉悪魔は主張しているのか?
さらにその上に服を纏うのは……むむむ、確かに無粋の極み。
裸体にて、完全なる美を体現していると……くそッ! そういうことか!
フッ、まさか、そこまで考えているとは……。もう、この悪魔に関して言えば、『ビジュアル』としての衣服は必要ない、と言い切ってもいいかもしれんな。
それにしても深い。
なんと深い肉体信仰なのだ。
流石のオックスも、この悪魔には脱帽するしかあるまい。
そもそも筋肉とは……
「……君! オックス君!」
ブラセオの声で、ハッと我に返る。
「筋肉筋肉と、なにをブツブツ言っているのですか。我が輩ドン引きですよ」
悪魔をドン引きさせるとは……。
オックスは自らの妄想癖を猛省した。
それから3人で、ヤイノヤイノと『衣服要不要論議』を交わすことになる。
拘束を解かれた人類代表のオックス。(現時点では衣服不要派寄り※ただし人or悪魔による)
身長5Mの裸族代表のラボホージ。(生まれながらのヌーディスト)
そして意外に付き合いの良い、男悪魔代表のブラセオ。(曰く、服とはアイデンティティを成すものである)
この3人が地べたにあぐらをかき、車座に熱く語り合う姿は、なかなかにシュールな絵面だ。
さっきまで戦っていたドラゴンが、そんな3人を大人しく見つめているのもまたシュールだった。
∮
「なるほどな……そういうことなら仕方ないぜ」
ラボホージは、再びドラゴンメイルに身を包む。
ただし、大きさは5Mのままだ。
裸族の信念を折ったのは、人類代表オックスの「やはりモロだしは、子供の情緒教育に良くないのではないか?」という発言だった。
なんと、この筋肉女悪魔は、一般常識を持ち合わせていたのだ。
意外といいお母さんになりそうだな、とオックスは思ってしまう。
「改めて自己紹介するぜ! 俺様は【傲慢】の二翼、ラボホージだ!」
バサッとラボホージの背中から羽が生えた。
その羽は、今までの悪魔達のそれより大きい。
それは、『黒い鱗』に覆われた羽だった。
つまり、この悪魔の正体は……、
「《これから先、あなたを主と見なし、忠誠を誓うと約束する》」
そして、最後の従魔がオックスと契約を交わす。
《おまけの追記》
『従魔一覧表』
1.【暴食】四翼、ボーリ
見た目20代前半 髪は金と黒のメッシュ。セミロング
「あーしは気のいいお姉ちゃんタイプっすね」
他の従魔全員から呼び捨てにされてるっすよ。でも気にしないっす。
お腹が空くと、ちょっと機嫌が悪くなる。
2.【色欲】四翼、マイトネ
見た目10代後半~20代前半 縦ロール金髪
「わたくしは貴族のお嬢様タイプですわね」
通称:『あんぱんま○子』
お腹が空いたら、わたくしを食べればよろしいですわ!
【嫉妬】シーボーギと【怠惰】ダームスタのお姉さん的存在。(めちゃくちゃ子供が好き)
3、【嫉妬】四翼、シーボーギ
見た目10代前半。髪は青色のおかっぱ。
「ボクは女だっつーの! 男っぽいって!? 髪が伸びないんだからしょうがないだろ!」
【色欲】マイトネから『シーちゃん』と呼ばれかわいがられている。
【色欲】マイトネと【暴食】ボーリに懐いている。とくにボーリのことが大好き。(ぬいぐるみ的な意味で?)
怪力少女。【怠惰】ダームスタとはケンカ仲魔。
4、【怠惰】四翼、ダームスタ
見た目10代中頃。髪は鈍色でボサボサ。
「ウチのこと? 特に話すことないなぁ。髪に艶が無いのはほっといてんか! だ、だ、 誰がホウキ頭やねん!」
ガス化能力? 【色欲】マイトネから『ダーちゃん』と呼ばれかわいがられる。
【色欲】のマイトネと【傲慢】のラボホージに懐いている。
なんだかんだ【嫉妬】シーボーギとは仲がいい。
5、【強欲】六翼、ハッシ
見た目20代中頃~後半。艶やかな黒髪の姫カット。そして麻呂眉。
[妾が従魔達をとりまとめる立場じゃな。皆聞き分けが良くて助かっておるよ]
正統派和風着物美人。のじゃ姫
おっとり平和主義だが、怒らせると超怖い。
透明化、糸使い、蟲使い。
もうこの人ひとりでいいんじゃないかってくらい強い。
6、【憤怒】?翼、ドブニ
見た目20代前半。黒髪ロングストレート。後ろで1つ結び。
「……わたしは主君の命令に従うのみ」
従魔随一の貧乳と呼ばれる。本人曰く、サラシを巻いているから。
居合いの達人。飾りっ気が無い。化粧するとかなり美人。
従魔達の中では少し浮いている。
7、【傲慢】二翼(※ただし鱗の羽)、ラボホージ
見た目20代中頃。赤い髪でボッサボサのロング。
「俺様についてだと!? まず服を脱げ! 話はそれからだぜ! カカカ!」
脳筋……と思いきや、実は従魔の中で、ハッシに次ぐ常識人。
子供が好き。食欲的な意味で無く。性的な意味でも無く。
大剣を持っているが、腕前は素人以下。
なにか大剣に思い入れがあるらしい。
【筆者の絶叫】
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