漫才・コント大賞提出作品【ちくわ】
二人の漫才師が現れる。
ツッコミ「いやぁ〜どうもどうも、今日はよろしくお願いしますー、相方と楽しくやっていきます」
ボケ「合点! 承知の助!」
ツッコミ「ダサッ! なんやそれ、今まで聞いた漫才の出だしの中で一番ダサイで!」
ボケ「え……いやぁ、ウケるなと思ったんやけど」
ツッコミ「そんなわけないやろ」
ボケ「うわぁ〜失敗してもうた」
ツッコミ「仕切り直す為にもお客さんに謝り」
ボケ「なんやとオラァァァァァ‼︎」
ツッコミ「どこでキレてんねん! どういう感情⁉︎ 分からん分からん。お前という人間が分からん」
ボケ「俺ってなんで切れてたん?」
ツッコミ「怖い怖い! 急になんやねん、いいから、はよ漫才始めよ。挨拶から仕切り直しや」
ボケ「よし……皆様ご機嫌いかがかしら、ボケ担当の」
ツッコミ「ちょ、ストップストップ!」
ボケ「なんやいい所やねんけど」
ツッコミ「キャラ! お前のキャラどうなってんねん! ブレブレ過ぎて蛇行運転もいい所や!」
ボケ「…………」
黙っているボケに対してツッコミが頭を叩く。
ツッコミ「なんかいえや」
ボケ「いつになったら漫才始めんねん」
ツッコミ「お前のせいで止まってんねん! 」
ボケ「いいからいいから、始めるで」
ツッコミ「なんで俺が悪いみたいになってんねん。で、最近自分どうなん?」
ボケ「最近、引越したんですよ」
ツッコミ「お、ええやん! どんな所」
ボケ「家の材質がまた特別なんですわ」
ツッコミ「お〜こだわってるねぇ、どんなんどんなん?」
ボケ「ちくわの中で暮らしてるんすわ」
ツッコミ「は? ちくわ? あのおでんとかに入ってる?」
ボケ「そうなんです」
ツッコミ「そうなんですちゃうやろ! どういう事や!」
ボケ「寝る時とかちくわの柔らかさが一番いいんすわ」
ツッコミ「ちくわの寝心地とか聞いとらんわ。なんや、ちくわの寝心地って初めて言うたわ」
ボケ「で、最近、ちくわの中で蝋燭に火付けて過ごすのが、また通なんですわ」
ツッコミ「世界観が分からん。ってか火事になるやろ! 大丈夫なん? 炭になったりせーへんか?」
ボケ「いや焼きちくわがまた美味いんだわ」
ツッコミ「家を食うな! なんやねん家を食うなって、初めて言うたわ」
ボケ「え? 自分、家食わへんの?」
ツッコミ「食わんわ!」
ボケ「俺なんかおかしい事言うたかな?」
ツッコミ「全部おかしいわ、もうやめや! 今日は早めに上がらせてもらいますわ。ほらお前も謝りや」
ボケ「合点! 承知の助!」
ツッコミ「もうええわ!」
ボケとツッコミ「「ありがとうございました」」
二人の漫才師は頭を下げて漫才を終える。