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男子高校生 看護学生になる  作者: 桜小路龍
2/2

人生を左右する決定は案外くだらない理由で決断する

職員室にいた。

 看護師になると決めた木曜日、あれから先輩や顧問に事情を話し、早々に部活を切り上げとある先生の所を訪ねていた。

 つい30分前、看護師になろうと決めた富士宮は3年次に分かれる看護専攻の担任であり、医療系への進学での面倒を見てくれる矢野先生を訪ねていた。

「矢野先生は部活行ってるよ」

いきなり出鼻をくじかれた。

まあよく考えたら当然っちゃ当然である。先生はこの学校でも特に強豪なダンス部の顧問であり、通り名が「近所の147センチ」、(近所のおばちゃんみたいな人で身長が147センチだからだ)もしくは「フルフル」、(声がかん高く、声が大きいため)と呼ばれている。

 その後矢野先生のところに行き、1時間後に面談を約束したので、その間に担任のところに相談に行った。

 担任の名前は金間先生でリーマン出身の活舌が悪いよくわからない中年のおっさんである。金間先生はサッカー部の第五顧問である。そのため普段は暇なのである。本当、何やってんだあの人は。

「それで、なに?なんか失礼なこと考えてるかをしてるけど」

『どんな顔すか、それより40分前に進路決めたんすけどその先どうすればいいかわからなくて、それでとりあえず矢野先生に相談しようと思ったら忙しいそうで一時間後といわれたので先に先生にと。別に時間空いたから暇そうな先生にとか思ってないですよ』

「ずいぶんと失礼だな、まあいいや。で、なにになりたいの。まあ矢野先生っていう時点で医療系ってのはわかるんだけど」

『看護師です』

「なんか面倒なのきこえてきt

『看護師です』

「二回も言わなくてもわかるよ。しかし面倒なものになろうとしたね」

『面倒なんですか?』

「はっきり言って面倒だね。生徒側はともかく俺たち教員側は面倒なんだよ。まず最初に看護学校、特に専門学校では学校の顔ってのが大事だからね。特に学校推薦が来ている学校には生徒だけでなく、教員もオーキャンなどに顔を出さないといけない。また受験対策も小論文と面接は一般でも必須になってくるしさらに面接もかなり特殊な学校も少なくない。とにかく我々の負担後かなり大きい。さらに医療系の学校はいわゆる裏金ってのがあるんだよ。医学部では寄付金という名で堂々とやってるけど看護学校などでは今でもやってるよ。最近は個人ではなく、学校単位で癒着してるところも多々ある。うちは公立だからそういうことは色々な理由でできないからそれだけで私立より不利な条件で受験しなきゃいけない。そのうえでもう一度聞くけど、本当に看護師になりたいの?」

『それでも。どうしてもなりたいです』

別に藤田と同じ分野に進みたいという一心で今の話の半分ぐらい流して聞いてたとじゃないから。

「じゃあ僕もしっかりと対応するよ。さっきのは少し脅しみたいなものだから。嘘ではないけど君が考えるほどのことじゃないよ。そんな古いことしてる学校は少ないから。」

『そうなんですか、僕金ないんでよかったです』

「嘘つけ、結構有名なんだから」

そういやこいつにはイラストレーターのこと話してたんだった。

『そんなに有名でもないし、学費と生活費もありますから結構かつかつですよ』

実はとあるバイトをしているから正直少しは余裕はあるのだがこの学校はバイトは申告制で、成績が良く、さらには部活動によっては許可されないこともあるため内緒である。

「それはともかく、大学と専門学校どっちにするの?」

『まだ決めてなくて、どっちがいいんですか?』

「一概にどっちがいいとは言えないな、どっちもメリットとデメリットがあるから」

『大学が4年制で専門学校が3年制ってことは知ってます』

「それが一番の違いだね。それに直接絡んでくるのは学費だね、やっぱり一年分違うだけで100万円以上は違ってくるからね」

『そんなに違うんですか?てかそんなにかかるんですね。予想以上で少しびっくりですよ』

「大学だと600万以上はかかるね。それに比べて専門学校は大体病院の付属かもしくは付属の病院があってそこの奨学金を半ば強制的に貸しつけて返さなくてもいい代わりに何年かその病院で働かせられることになるけど」

『それはいいじゃないですか』

「必ずしもいいわけじゃないんだけども、それより先生これから会議だから続きは矢野先生に聞いてね。あの人のほうが詳しいから」

『あ、はい。ありがとうございます』

結局10分しか潰せなかった。

しかし専門学校と大学か、考えてなかったな。どうしようどっちがいいのかな。さっきの話からすると専門学校一択の気がするがそれだったら大学の存在意義がない。

ただ一番考えるのは藤田はどっち行くのかだな。別にお揃いだと今後色々といいかなって考えでは断じてない。別に一緒にオーキャンいけるとか考えてないからな!

ただ実際問題藤田を含め看護師になりたい、もしくは現役の人はどっちが多いんだろうか。同じ数というのは考えにくいしやはり偏りはあるだろう。

『あと50分あるからとりあえず走りながら考えるか』

うちの陸上部はグラウンドが使えない。サッカー部が強いため陸上部はグラウンドカーストにおいて最下位といってもいい。使えるのはサッカー部と野球部の間の直線だけであり短距離がたまに使う程度で基本的には走って10分のサッカースタジアムの周りの公園で練習している。長距離はそこのランニングコースを使用しているため他の部員は今学校にいない。そのため富士宮はひとり学校の外周を走って時間をつぶした。


「調子に乗った・・・」

走っている途中、サッカー部の走り込みのタイムを計測していた藤田に応援されジョグのつもりだったのにサッカー部に負けたくないと思い、調子に乗った結果かなり疲れた。わかってます。馬鹿です。

 約束の10分前に切り上げ、制服に着替え約束の3分前に集合場所についた。

「さすがに来てないか」

先生が先に来ていないことに少し安堵し、筆記用具などの準備をしていると時間通りに矢野先生はきた。スリッパのパタパタした音が聞こえたと思うといきなりドアが開き

『藤野宮はいるー?』

と、甲高いうるさい声が聞こえてきた。かなり耳にくる。

「はい、ここです」

『遅くなってごめんね』

「時間ぴったりですよ」

『知ってる、いってみただけー』

めんどくせーこいつ

『それで看護師になりたいんだっけ?』

「はい。でもよくわからなくて、進路希望調査表の提出が明日なので今日中に大学か専門学校かは決めないといけなくて」

『そっかー、いつから看護師になろうと思ったの?』

「中三です」

嘘である。実はさっき決めたなんて言えないため嘘をついた。

『じゃあとりあえず違いはわかる?』

「さっき金間先生に学費のことは聞きました。でもそれだけじゃわからなくて。特に大学のメリットがわからなくて」

『確かに学費だけで行けば専門のほうがいいもんね。1年間先に働けるアドバンテージは相当だしね』

「やっぱり専門のほうがいいんですかね」

『そんなことはないよ。大学では学校によるけど保健師の資格が取れるし、教育関係を目指すならば大学院を出ないといけないからその点を考えると大学がいいと思うよ』

保健師とは大学の教育課程にある保健師過程の単位を取得したうえで国家試験に合格しなければとれない資格である。さらに保健師の国試に合格しても看護師の国試に落ちてしまえば合わせて不合格となってしまう。

 保健師といってもよくわからない人も多いと思うが、一番みんなの記憶にあるものといえば学校の保健室の先生である。そのほかにも保健所の看護師や企業に勤めている看護師は保健師の資格を持っていることが多い。

『保健師の資格は専門学校でも卒業後に養護学校に1年間通えばとれるんだけど、大学では単位数を増やすだけで受験資格はもらえるから保健師を取りたいなら絶対に大学に行くべきよ。持っているだけで病院で働くときも給料上がるらしいから。』

「そういうことなんですね」

『さらに一年多い分、ゆとりがあって専門的なことを学べたり国家資格の勉強をゆっくりできたりという利点もあるよ』

「そうですか、ありがとうございました」

『うん、またわからないことがあったら聞いてね』

「よろしくお願いします」

矢野先生はパタパタと教室を後にした。ほんとうるさい先生だったな。


結局いまいち決めることができず、頭が整理できないためとりあえず走ることにした。いまから部活に合流してもおそらく遅いため外周を何周かすることにした。サッカー部が終わっていたのが少し残念だった。

5週ほどハイペースで走ったのちに陸上部と合流したのでそこで切り上げた。

 合流してからすぐに石田が絡んできた。

『きめた?どっちにするか。てか本当に看護師になるの?』

「看護師にはなるよ。でもどっちにするかはまだ」

『へー、お前はああいうやつがタイプなのかへー』

「やかましい!」

『決めれないんだったらさ』

そういうと石田は人を探し出し始め、ある人を見つけるといきなり叫び始めた。

『おーい!藤田!』

「ちょおま何してんの!?」

『いやだって藤田に聞いたほうが早いっしょ』

「お前何言っちゃてんの?」

『藤田は進路決まってんの?』

「うん、看護師」

『こいつがさ看護師になるって言ってんだけど大学か専門学校かで迷ってんだけどどっちが

「ふっしー看護師にするの?」

「まあもともとなりたかったからね」

「ふっしーとおそろだ!おそろ!」

「やめろお前!」

「照れるなよーw」

「うざこいおみゃーら!」

「『へ?』」

「あ」

やってしまった。最近まで愛知にいてしかも周りは年寄りが多かったためかなりなまっているところがある。こっちに来たためかなり気を付けていたのだがつい出てしまった。

「ごめんなさい、今のは忘れてください」

「何いまの?」

「何でもないです。それよりどっちがいいかな、よくわからんくて」

「お金があるなら大学がいいと思うよ、私も大学希望だし」

「そっか、ありがとう」

そうゆうと彼女は笑顔で部活に戻っていった。

『・・・だってさ』


 大学行きます!別に同じ道に行こうとかおもっております。はいすみません。


こんにちは、初めましての方は初めまして。桜小路です。今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。今回は少しだけではありますが大学と専門学校の違いを入れました。ほかにもいっぱいあるのでそれはまた別の機会に。かなり遅れてしまいましたがまたこんな感じで次回も投稿しますのでご了承ください。本当いごめんなさい。本日もありがとうございました。

 学校にもよるけども、最近は専門学校より大学のほうが入りやすいこともあるぐらいどうしようもない学校もあるんです!(私が通っている学校とは言ってない!断じて!!!)

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