バトルイベント開催
バトルイベント開催です!
俺とヴァンは、スノウ達と合流し、バトルイベントに参加することを伝えた。
スノウとシグレ、シャインも参加出来るらしく、俺達のパーティーは全員参加することに決まる。
バトルイベントまで、まだ時間があった俺達は、レベル上げやクエストをこなして過ごしていた。
そして、バトルイベント当日を迎える。
「いよいよこの日がやって参りました! バトルイベント開催です!」
闘技場は、実況席に座る女性のアナウンスで大いに盛り上がっている。
「それでは、バトルイベントの詳細を説明します! バトルイベントの参加者は、1,000名となりました! 凄い参加人数ですね!」
「そうですね。これは楽しみで仕方がないですよ!」
そのまま、バトルイベントの詳細が説明され、今回のイベント参加者が1,000名いることから、500名ずつの2組に分けたバトルロイヤルを行うそうだ。
各組1名になるまで戦い続け、バトルロイヤルを生き残った2名で、1対1の決勝戦を行う。
第1グループが、俺とヴァン、シグレの3人だ。
第1グループには、バーニングとリンの名前があった。
その他の注目選手は、前回イベントの最大攻撃値部門第3位の破壊神と第4位の殺し屋、回復部門第4位の性女だな。
性女って、前にも思ったけど変換ミスなのだろうか?
第2グループは、スノウ、シャインだ。
第2グループに、メガネくんの名前を見つけた。
他には、討伐数部門第3位のミナゴロシ、コンボ数部門第3位ロック、第4位ゴンザレスだな。
「これより第1グループの試合を開始します。選手の方は、特設ステージに移動して下さい。」
闘技場中に、第1グループの召集アナウンスが流れる。
「みんな頑張ってね。」
スノウとシャインに見送られ、俺達は特設ステージへと移動した。
特設ステージは、500人のバトルロイヤル用に変更されており、広大な土地が広がっている。
「俺が勝っても恨むなよ。」
「どこからその自身が来るのか知らんが、お前には負けないぞ。」
ヴァンには絶対負けたくないからな。
「気を抜いていると、矢で射抜いちゃうわよ。」
何だがシグレが怖いことを言っているが、本当に射抜かれそうなので、遠くも気にしておかなければならないようだ。
続々と特設ステージに人が集まってくる。
「えーー、500名全員が特設ステージにいることを確認しましたので、これより第1グループのバトルロイヤルを開始したいと思います!」
今回は特別仕様で、戦闘不能になると強制的に特設ステージから観客席に移動となる。
また、パーティーシステムがあるため、パーティーメンバーへは通常攻撃が通らないが、この特設ステージ上ではダメージが通るようになっているそうだ。
「それでは、皆さん存分に戦って下さい! バトルスタート!」
アナウンスと共に、観客席から歓声が巻き起こる。
そして、特設ステージ上では、色取り取りの魔法が飛び交うのだった。
「さて、やりますかっと!」
俺を狙って放たれた矢を回避する。
「うぉ!?」
ヴァンも何とか盾で矢を防ぐ。
まさか、本当に俺達を狙ってくるとは。
「あら、防がれちゃったわね。」
シグレはそう言いながらも次々と矢を放つ。
俺は剣で矢を叩き落としたり、体捌きで矢を避ける。
「いきなり俺達狙いかよ!?」
いずれ戦うこともあると思っていたが、まさか最初から俺達を潰しに来るなんて。
「当然でしょ? 貴方達が一番厄介なのだから。『クイックアロー』!」
シグレは、高速で矢を放ち続ける。
「だぁーー! 『シールドアタック』!」
ヴァンは盾を構えたまま、シグレへと突進した。
「チッ!?」
シグレは、構えていた弓を下ろし、サイドステップで距離を開ける。
ヴァンに気を取られていた隙を見逃すことなく、接近していた俺は、シグレへと剣を振る。
「お返しだ! 『サンダースラッシュ』!」
「きゃっ!?」
俺は、このままシグレを倒すつもりで、連続で剣を振った。
「係長痛いですよーー。」
「!?」
俺はいきなり係長と呼ばれた為に、手を止めてしまう。
「お前……今なんて?」
「雲河原係長ですよね? 私ですよ。日影時雨です。」
「いや、日影はこんなに胸が大きくないだろ? アイツはまな!?」
まな板と言おうとしていたヴァンに向けて、やが放たれ、ヴァンは咄嗟に盾で防ぐ。
「そう言うところがダメなんですよ。桃木部長は。……キルしますよ?」
間違いない。
シグレは、日影時雨だ。
「日影、あのタイミングでリアルを明かして俺の手を止めるのは卑怯だろ?」
まんまと策に嵌まって、剣を止めてしまった。
「あはははは。すいません。序盤で負けたらみっともないじゃないですか〜。本当は、混線中にプスっとやろうと思っていたんですけどね〜。」
サラッと怖いこと言いやがったよ。
「どうする? 続きやるか?」
「2対1ですよね? 止めときますよ〜。不意打ちで倒せなかったんで、最後まで協力しま〜す。」
協力するとか言いつつ、いきなり矢で射抜かれそうだ。
「兎に角、敵の数を減らすか。」
シグレと協力するのは危険だが、シグレの全体攻撃は役に立つ。
こうして、俺のブルージェットとシグレのシャワーアローを駆使して、俺達は次々とプレイヤーを蹴散らし、特設ステージ上には、俺とヴァン、シグレ、バーニング、リン、性女の6名が残る。
俺は、破壊神と殺し屋がリンに勝負を挑むのを目撃したが、やはりリンの強さは別格だった。




