表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/73

連勝最高記録保持者メガネくん

闘技場で遭遇したのは、前回イベントの上位ランカーメガネくん。


メガネくんは、なんの為にクラウドへと声を掛けたのだろうか?



 闘技場で俺に話しかけて来たのは、メガネくんと名乗る人物。


 メガネくんって、確か前回イベントの上位入賞者だったよな。


「初めまして、でいいんだよな?」

「はい。先程の試合、観戦させてもらいました。素晴らしい試合でした。」

 わざわざそれを言うために来たのだろうか?


「そりゃどうも。まぁ、負けちまったけどな。」

「アネモネさんは、強いですからね。」

「戦ったことがあるような口振りだな?」

「ええ。僕の36戦目で対戦したのが、アネモネさんでした。」

 は? 36戦目? メガネくんは俺よりも連勝してるってことか。


「そりゃ凄いな。メガネくんは、アネモネさんに勝ったのか?」

「いえ。アネモネさんには勝てませんでしたよ。恐らくアネモネさんが30連勝から39連勝の間で一番強い対戦相手でしょうね。」

 俺よりもここで対戦しているメガネくんが言うのだから、そうなのだろう。


 それよりも、俺は一番強いアネモネさんといきなり当たってしまったと言うことか。


「30戦目でそうそうにアネモネさんと対戦した俺は、運が悪かったってことか。」

「そうですね。」

 コイツ、笑顔でそうですねって返しやがったよ。


「俺の運の悪さを笑いに来たのかよ?」

「あっ!? ご、ごめんなさい。そんなつもりじゃないです!」

 メガネくんは、頭を深々と下げて俺に頭を下げた。


「で、何か用があったんだろ?」

「はい。来週、この闘技場でプレイヤー同士のバトルイベントが開催になるので、是非ともクラウドさんと戦いたいと思いまして。」

 プレイヤー同士のバトルイベント? そんなのが開催されるのか?


「へぇ、イベントがあるなんて知らなかったな。」

「クラウドさんのバトルが始まったころに、NMニュースで流れていました。勿論、参加しますよね?」

 そんなにメガネくんは、俺と戦いたいのか? てか、顔が近いよメガネくん!?


「そうだな。……この日は参加出来そうだ。」

「決勝戦で対戦するのを楽しみにしてますね。」

 おいおい。いきなり決勝戦の話とは、気が早いな。


「おい。連勝最高記録保持者のメガネくんと、連勝最高記録第二位のクラウドがいるぞ!」

「クラウド様、カッコイイ!」

「次のイベントで、メガネくんとクラウドの試合が見られるかも知れないぞ!」

 俺とメガネくんが会話しているのを目撃したプレイヤー達の会話が盛り上がっていた。


「みんなも僕達の試合を楽しみにしているようですね。」

「そうだな。勝つのは俺だ。」

「僕は、自分で言うのも何ですが、強いですよ。」

 随分と自信があるみたいだな。

 メガネくんとは、フレンド登録して別れた。


 バトルイベントが楽しみだ。


「……俺だけ蚊帳の外かよ。」

 ヴァンが何か言っているようだが、気にしないでおこう。


 因みに、ヴァンは21連勝したそうだ。

 レベルは現時点でかなり高い筈だが、やはり盾では攻撃力が足りないのだろう。


 俺とヴァンは、獲得したポイントを交換しようと報酬の景品を見に行ったが、現在装備している物を上回る装備や素材が無かったので、ポイントの交換はしなかった。


「なぁクラウド。次のイベントがプレイヤーとのバトルなら、今の内に強いプレイヤーのバトルを観戦しておかないか?」

「だな。えっと、連勝しているプレイヤーは……知ってる名前があるな。」

 初イベントで一緒にボスを倒した、リンとバーニングの名前を見つけた。


「俺がバーニングの観戦をしてくるから、クラウドはリンのを観戦して来てくれよ。」

「了解。」

 俺とヴァンは二手に別れて、観戦することにした。



「中々強かったアルね。」

 俺が観戦席に移動すると、丁度リンが25連勝したところのようだ。


 俺以外にも、リンのバトルを観戦している者は、大勢いる。


「かなりの格闘術だな。」

「リアルでも格闘技やってる奴なんじゃないか?」

「動きが綺麗過ぎるもんな。」

「次のバトルイベントでの要注意人物だな。」

「リンちゃん、可愛い!」

「前回のイベントでも、ランキング上位の奴だしな。」

 他のプレイヤー達も、次のバトルイベントに向けて、情報収集を始めたようだ。


 リンの次の対戦相手が現れた。


 対戦相手は剣を構え、試合開始の合図を待つ。


 試合開始の合図と共に、リンが地面を強く蹴り、剣士へと向かって行く。


「ハッ!」

 剣士が斜めに剣を振る。


「遅いアル!」

 剣士が振り始めた剣の腹部分を掌底で弾き飛ばす。


 おいおい。あの剣士の剣は、かなりの速さだったぞ!? あれを掌底で弾き飛ばせるのかよ。


「くそっ!?」

 そのままリンは懐へと潜り込み、殴る蹴るの連打を繰り出す。


 あれだけ接近されては、剣を振っても当てられない。


 リンの連打により、剣士の負けが確定した。


「リンに接近戦は危険だな。」

 俺は、リンと自分が戦った場合をイメージし、取り敢えず遠距離攻撃で攻めようと決める。


 しかし、その考えは直ぐに打ち砕かれる。


 次の対戦相手は、杖を持った魔法使いだった。


 魔法使いは、魔法を連発して、リンを近付けさせないようにしていたのだが。


「鬱陶しいアルね。『ウイングフィスト』!」

 リンは、腰を低く落とし、正拳突きを放つ。


 リンの正拳突きは、風の弾丸となって魔法使いの魔法を消し飛ばし、そのまま魔法使いを吹き飛ばして戦闘不能とした。


「……マジか。本職の魔法使いの魔法を吹き飛ばすのか。」

 サンダーブレッドじゃ、ダメだな。

 ブルージェットなら、少しはダメージを与えられるだろうか?


 その後、リンは30戦目で登場したアネモネに倒されたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ