表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/73

闘技場へ

殺人事件を終え、再び舞台は仮想世界へ

 田黒の一件は、被疑者逮捕で幕を閉じたが、世間からのバッシングはかなりの物だった。


 まぁ、現役警察官による殺人事件が起きたのだ。

 仕方のないことだろう。


 これを教訓に、組織の業務負担が改善されることを願うばかりだ。


 今回の一件で、警察だけでなく、社会的にもパワハラなどの相談が増えたそうだ。


 しかし、『これお願いね』と仕事を渡しただけなのに、『それパワハラですよ。訴えますよ? 自分でやって下さい。』と返す、勘違い若者が急増しているらしい。


 これに伴い、各会社で『パワハラとは?』をテーマに教養が行われているとか……世の中どうなっているんだか。


 国会でも、パワハラについて話し合っている中継が流れているが、貴方方は、人の発言の揚げ足取ってやり合っていないで、ちゃんと国のことを考えてもらいたいものだ。


 特に、仮想世界への法律の適用を早く進めるべきでは無いだろうか? と考えてしまうが、じゃぁお前がやれよと言われても困ってしまうがな。


 それと田黒の妹で、アイドルとして活動中の田黒姫もかなりバッシングを受けていた。


 アイドルの兄、殺人を犯す!


 別に、姫ちゃんが人を殺した訳では無いのにな。


 ただ、ファンの多くが応援してくれているので、ひめちゃんの批判は直ぐに鎮火した。


「神さん、この度は兄が大変ご迷惑をお掛けしました。」

「姫ちゃんが悪いんじゃ無いんだから。……俺も、田黒に寄り添っていたらこんなことにはならなかったかも知れない。ごめん。」

 起きてしまったことを後悔しても、もう遅い。


 しかし、少しでも田黒のことを気に掛けていたら、本人を助けることが出来たかも知れないと思うと遣る瀬無い気持ちになる。


「姫ちゃんも、何か困ったことがあったら相談してね。」

「……はい。」

 犯罪者の家族に世の中は、冷たい視線を送る。


 姫ちゃんのファンは別としても、近所との付き合いや学校生活で苦労することはあると思う。


 田黒の一件が落ち着き、俺は再びNMの世界へログインした。




「中々、ゲームをやる雰囲気じゃ無かったな。」

「……そうだな。まぁ、今後もプレイヤーキラーが現れたら、気を付けた方が良いかもな。」

「……だな。」

 俺と風雅は、雑談しながら目的地である闘技場へと辿り着く。


 闘技場のシステムは、ランダムで登場するNPCと戦闘し、倒すことでポイントが付与され、ポイントに応じて報酬が得られる仕組みだ。


 登場する対戦相手は、1から9勝負目までが、レベル1から10のNPCがランダムで登場する。


 10勝負目から19勝負目までが、レベル11から20のNPCがランダムで登場となるシステムである。


 負けたら連勝ストップとなり、また低レベルのNPCとのバトルからだ。


 効率良くポイントを貯める為には、連勝するのが重要となる。


 ここでは戦闘は、dead扱いにはならず、負ければloseと表示されるだけである。


 闘技場でのバトルは、1対1もあれば、タッグバトル、パーティーバトルも設けられている。


 闘技場のバトルに参加せず、観客席に入ると、見たいバトルを映像で見ることが出来る。


 また、戦闘は特設ステージに飛ばされるため、闘技場では、同時にいくつもの戦闘が行われている。


「今日は、1対1でやろう。」

「だな。」

 パーティー仲間のシャイン、スノウ、シグレがろぐいんしていないので、パーティーバトルは皆んながいる時にやろうと思う。


 俺とヴァンは受付へと足を運ぶ。


「こんにちは。こちらは戦闘の受付となります。」

 NPCの女性が丁寧にお辞儀して応対する。


「1対1の戦闘受付をお願いします。」

「かしこまりました。お二人とも1対1のバトル参加でよろしいでしょうか?」

「はい。」


 俺達は受付を済ませ、特設ステージに飛ぶ為の円盤上に立つ。


 俺が円盤の上に立つと円盤が光輝き、次の瞬間には、

 闘技場の特設ステージへと飛ばされた。


 地面は土で出来ております、ステージは、サッカーコートくらいの広さがある。


 周りを壁が覆っており、その上は観客席となっている。

 勿論、初回バトルの俺のバトルを見たいと思う人はいないようで、観客席はガラガラだった。


 突如として、目の前にNPCの男性キャラが現れる。


「お前が俺の相手か。」

 俺は、剣を構え戦闘態勢に入る。


「よろしくな。」

 男性キャラも剣を構えた。


「試合を開始します。……(スリー)(ツー)(ワン)、開始!!」

 カウントダウンのアナウンスが流れ、試合開始を合図する。


 俺は、そのまま相手へと間合いを詰める。


 相手も駆け出して剣を振るう。


 俺は相手の剣に自身の剣を当てる。


「ん?」

 俺の剣が相手の剣に当たると、相手の剣が大きく弾け飛ぶ。


「うおっ!?」

 相手は、自分の剣が弾かれると思っていなかったのか、驚いた声を上げる。


 相手の身体は、剣が後方に弾き飛ばされたため、大きく仰け反り、胴体がガラ空きだ。


「ハッ!」

 俺は、返す刃で相手の胴体を斬りつける。


「ぐはっ!?」

 俺の剣で相手の胴体に斜めの剣筋が入り、loseの文字が表示された。


「くっ!? 俺の負けだ。お前、相当強いな。」

 相手は俺に賛辞を送ると、そのまま光を発して消えてしまった。


「ん〜、俺が強いのか?」

『1勝目 1ポイント』

 俺が悩んでいると、勝利したことで得たポイントが表示されると共に、『次の対戦に進みますか?』とが表示される。


「まだまだ戦い足りないな。」

 俺がYESを選択すると、再び目の前に対戦相手が現れる。


「今度の対戦相手は槍使いか。」

 アナウンスが流れ、戦闘開始となる。


「ふっ。剣で俺に勝てるかな? 槍の方がリーチが長いんだぜ!」

 槍使いは、槍の間合いまで詰めると、槍を突き出す。


 俺は剣を槍の側面に当て、槍の矛先を身体から逸らした。


「なにっ!?」

 俺は、そのまま槍使いへと一歩を踏み込み、剣を突き刺す。


「がはっ!?」

 loseの文字が表示され、俺の勝利が確定する。


「な、何故だ!? 槍の方がリーチが長いのに!」

「逆に懐に入られたら、対処が難しいのが槍だろ? 矛先を逸らされることも考えて攻撃しないとな。」

「む、無念。」

 槍使いが目の前から消え、2連勝3ポイントと表示された。


 ポイントは、敵の強さによって変わり、更に連勝によってもポイントが付与される仕組みだ。


「連勝ポイントも考えると、最初と今の奴はどっちも1ポイントの敵だったってことか。」

 手応えの無い筈である。


 俺は、更に次の対戦に進んだ。


 その後も幾度と無く戦闘を繰り返し、俺は20連勝となっていた。


「だいぶ強くなってきたな。」

 この頃には、魔法や魔剣技も使いながら戦っていた。


 更に、15連勝を過ぎたころから、観客席の人が増え始めた。



「なぁ、アイツってこの前のイベントの上位ランカーだろ?」

「ああ、クラウドって名前だったから、間違い無いだろう。」

「めちゃくちゃ強えぇな。」

 観戦者は、観戦したいバトルを選ぶ時に、バトルしている者の名前と戦績が見れるのだ。


 その為、知り合いや戦績の良い者の試合を選んで観戦出来る。


 そこから更に9連勝し、俺の戦績は29連勝となる。


「おいおい、29連勝もしてやがるぞ!」

「俺達のパーティーに入って欲しいな。」

「今迄の最高連勝記録って、いくつだっけ?」

「確か、メガネくんって奴が35連勝じゃなかったか?」

「そういやメガネくんって奴も、前回のイベントで名前があった奴だな。」

「クラウドが35連勝より上に行くか賭けないか?」

「乗った!」

 クラウドの29連勝も闘技場においては、上位なのだが、更にメガネくんはその上を行っている。


 そんな、メガネくんも実は観客席でクラウドの試合を観戦していた。


「次で30人目か。」

 俺の前には、レベル30から39のNPCが現れたのだった。




今回のおまけ


バーニング;オラオラどうしたっスか!


NPC;ぐはっ!? lose


バーニング;よっしゃ19連勝っス! あれ、観客が減って来てるっスね? いつもならもっと観客が入るってのに。


NPC槍使い;来い。


バーニング;同じ槍使いっスか。行くっスよ!!


NPC槍使い;はぁーー!!


バーニング;ぐはっ!? lose ……マジっスか。


NPC槍使い;俺のレベルは29だ。まだまだ修行がたりないな。


バーニング;いきなり20台の最高レベルとは、運がなかったっス。


男性プレイヤー;おい! クラウドって奴が29連勝してるそうだぞ!


他のプレイヤー;観戦しに行こうぜ!


他のプレイヤー;バーニングなんて奴の試合見てる場合じゃなかったな!


バーニング;……いいだろう。俺も見てやるっス。


男性プレイヤー;あっ!? バーニングだ!


他のプレイヤー;い、いやあんたもいい試合してたぞ!


バーニング;お世辞は結構っス。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ