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死者の杖と復活の宝玉

新たなブクマをいただけました( ^ω^ )

ありがとうございますヾ(๑╹◡╹)ノ"


昨日は立春で暖かく、今日は冷え込んでますので、皆さん体調を崩さないようにして下さい(^^)


「何とか勝てたな。」

「はい。」

 俺は、スノウに対して握り拳を突き出し、スノウもそれに応えて拳を合わせた。


「おいおい、何なんだよさっきの技は?」

「よく分からないが、凄い威力だったな。合体技みたいな感じか?」

 俺にもよく分かっていないが、単独技よりも明らかに高威力だったのは間違いない。


「そんな凄い技があったら、もっと騒がれていてもいい気がするんだが?」

「そんなこと言われても知らんよ。

 その内、運営から発表があるか、ネットで他のプレイヤーから情報が出てくるだろう。


「そう言えば、ヴァンの新技を見ていない気がするんだが、使ったのか?」

「……それを聞いちゃいますか? 使う場面が無かったんだよ!」

「そうなのか? あんまり大した技じゃないんじゃないだろうな?」

 あんな強敵に使う場面が無いって、一体どんなわざだったのか益々気になるところだ。


「それより、ドロップアイテムを確認しようよ。」

 シャインはそう言うと、パワードリッチからドロップした杖を手に取る。


「えっと、()()()()?」

 シャインは、ドロップアイテムの名称を読み上げ、詳細を確認する。


「『死者の杖』。特殊効果『リヴァイヴァル』。発動回数1日1回。使用条件『他のプレイヤーが死亡した際、10秒以内に特殊効果『リヴァイヴァル』を発動することで、死亡したプレイヤーをその場に蘇生することが出来るだって!」

 凄い特殊効果持ちの武器だな!? 現時点で、蘇生系の魔法があるという話は、ネットでも出ていないので、この杖の価値は計り知れない。


「凄い杖だね。」

「杖だからシャインさんが持つってことでいいよな?」

 ヴァンの言うように、杖を装備出来るのはシャインだけなので、反論も無く、シャインがこの死者の杖を使うことが決まった。


「みんなありがとう。」

 パーティーでゲットした物として、売ったお金を分配することも出来るが、売るにはあまりにも勿体ない代物だ。


「それと、この玉は何だ? えっと、『()()()()()』? 何か名称を見ると、杖と同じ感じがするけど。」

 俺はそう言いながらも、復活の宝玉の詳細を確認する。


「何々……『復活の宝玉』。『特殊効果』すべてのものを元の状態に復活する力を持つ。『発動回数』1回のみ。」

 うーーん。どう捉えればいいんだろうか?


「元の状態に戻すってことは、部位破壊された箇所を元に戻すとか、それこそ死者の杖みたいに蘇生させるとかか?」

 ヴァンの言うことも最もなのだが、何かスッキリしない。


「考えていても仕方ないし、一旦街に戻ろう」

 俺達は墓地を後にして、ネクストへと帰還したのだった。




「プルクラさん、只今戻りました。」

「クラウド様。お疲れ様です。」

 俺達はアンデット討伐依頼をクリアしたことを、冒険者ギルドへ伝えて来ている。


「アンデット討伐依頼完了しました。」

「え? 勝てたんですか?」

 おや? 何でそんな意外そうな表情をしているんだろう? Cランクの依頼だったのだから、勝ててもおかしく無い筈なのに。


 俺が不思議そうに思っていると、プルクラさんは、ハッと我に帰り、「確認します」と言い、クエストの達成状況を確認する。


「……ほ、本当にクリアしてる。」

「えっと、クリアしちゃ不味かったんでしょうか?」

「い、いえ!? 流石クラウド様です。パワードリッチ討伐を確認しましたので、皆様の討伐ランクはBランクとさせていただきました。」

 そう言えば、何でCランクの依頼にBランクのリッチが出てきたんだろうか?


「あのプルクラさん、一つ聞いても良いですか?」

「はい。何でしょうか?」

「何でCランクのアンデット討伐依頼に、Bランクのリッチが現れたんでしょうか?」

 俺の問いに、プルクラさんは視線を漂わせる。


「それについては、申し訳ありませんが当ギルドの不手際です。目撃情報がアンデットの多数目撃だけでしたので、Cランク依頼となっていたようです。」

「そうだったんですね。」

 まぁ、こういうイレギュラーなクエストもプレイヤーを楽しませるものだと思えばいいのだろう。


「あっ!? 分かればで良いんですけど、もう一ついいでしょうか?」

「はい。」

 俺は、紫色に光る宝玉、『復活の宝玉』を取り出す。


「『復活の宝玉』という物を手に入れたんですけど、これの使い道って、ギルドで分かったりしますか?」

 俺はダメ元で、復活の宝玉の使用方法について、聞いてみた。


「『復活の宝玉』で御座いますか? 確か、古びた物を蘇らせるようなものだったかと記憶しています。」

 おや? 俺達の考えていたこととは違う答えが返って来た。


「と言うことは、人を蘇らせるとかでは無く、物を昔の状態に復活させるってことですか?」

「その筈です。」

 物か……あ!? ボスゴブリンを討伐した時に手に入れた錆びた剣があったな。


「因みに、錆びた剣とかに使った例って聞いたことありますか?」

 この際だから、聴けるだけ聞いてみよう。


「錆びた剣にですか? 私が知っているのは、壊れた建物や家具、武器を元に戻したという話だけで、錆びた剣に使ったという話は聞いたことがありません。」

「そ、そうですか。」

 前例は無しか、イケると思うんだけどな。


「……ただ、鍛治の素材にした人がいるとは聞いたことがありますね。結果は覚えていませんが。」

 プルクラさんから話を聴き終え、報酬を受け取った俺達は、ギルドを出てからネクストにある工房へと向かった。


 何の為かって? 勿論、鍛治釜を使う為さ。




「ねぇクラウド? 本当にやるの?」

「勿体ない気がするわね。」

「取っといても仕方ないだろ?」

 俺は、どうしても錆びた剣のことが気になっていた。


 俺は、錆びた剣と復活の宝玉を鍛治釜に入れようと提案したのである。


「なぁクラウド? 別に錆びた剣を復活させたいなら、復活の宝玉を普通に使用すれば良いんじゃないのか?」

 ヴァンの言いたいことは良く分かる。


「そうなんだけどな。プルクラさんの最期の言葉を聞いただろ?」

「確かに素材にした人がいるみたいなことは言っっていたが、結果は覚えてないって言ってたろ? 覚えてないってことは、大したことなかったってことじゃねぇか!」

「そうとも言えるが、何か起きるとも捉えられるだろ?」

 まぁ、折角苦労して手に入れたドロップアイテムが無駄になったら洒落にならないが。


「……でもなぁ。」

「頼むよ。飯奢るから!」

「ノッタ! その言葉忘れるなよ!」

 ヴァンの野郎、即座に反応しやがった。

 狙ってたんじゃないだろうな。


「じゃぁ、私は買い物に付き合ってもらおうかな。」

「そんなことで良いのか?」

 シャインも話に便乗したが、そんなことでいいのだろうか? シャインは「勿論」と答えて上機嫌だった。


「クラウド。私は美味しいケーキを戴ければ。」

「お、おう。分かったよ。」

 スノウの奴もちゃっかりしてるな。

 現実世界でのことだが、職場の飲み会と大野の誕生日が重なった時、ホールケーキを頼んでやったら、見事に一人で食べ切ってたんだよな。


「私はどうしようかしら?」

 シグレは俺に何を要求するんだ? めっちゃ悩んでますけど!?


「決めたわ!」

「な、何でしょうか?」

「メイプルの店の手伝いをやってもらうわ。」

 へ? 店の手伝い? シグレの事だから無茶を言うかもと思っていたが、案外普通だったな。

 俺は、了解と答えた。


「じゃあ、シャイン頼むよ。」

「任せといて。」

 そう言うと、シャインは鍛治釜へと『錆びた剣』と『復活の宝玉』を入れる。


(お願い! 良い武器が出来ますように!)


 シャインの祈りに応える様に、鍛治釜から金色の光が溢れ出す。


 鍛治釜から出て来たのは、黒と紫のツートンカラーをした直剣。


「確認するね。……『アブソーブソード+5』」

「武器の詳細はどうなんだ?」

 名前はカッコいいが、どんな性能なんだ?


「待ってね……えっと、相手に攻撃した際に、相手のHPを吸収し、自分のHPを回復する。回復量は100だから、そんなに多くはないね。」

「いや、回復出来るだけでもかなりの武器だ!」

 確認すると、攻撃力も現在装備している武器よりもかなり上だ。


 俺が使っていたリザードブレード・上は、現在売られている装備よりも強力な為、スノウへ渡すことに。


「ありがとうございます。大事に使わせてもらいますね。」

 スノウは、俺からのお下がりになってしまったが、喜んで受け取ってくれた。


 ヴァンは、「クラウドばっかズルい」と言い始めたので、次回はみんなの装備を強化しようと言う話で纏まったのだった。

今回のおまけ


プルクラ:クラウド様、おはようございます。


クラウド:今日も笑顔が素敵ですね。


プルクラ:ありがとうございます。


スノウ:おはようございますクラウド。


クラウド:スノウも今日はニコニコしてるな。


スノウ:はい!


クラウド:何かいいことでもあったのか?


シャイン:クラウド〜!


クラウド:おはようシャイン。今日も元気だな。


シグレ:クラウドおはよう。


クラウド:シグレもいつもより表情が柔らかいけど、なんかあったのか?


シグレ:失礼ね。いつま表情が硬いみたいじゃない。


クラウド:いや、そう言う意味じゃなくて、いつもよりいい顔してると思ってな。


シグレ:そうかしら?


ヴァン:へっへっへ。


クラウド:何だよヴァン? そんなニヤケ面して気持ち悪いな。


ヴァン:俺の笑顔が気持ち悪い、だ、と?


クラウド:何で、みんなニコニコしてるんだ?


作者:今日は、ニ(2)コ(5)ニコで、笑顔の日だからだ。


クラウド:そ、そうだったのか!?


作者:そう言うクラウドだって、ずっと笑顔のままだぞ?


クラウド:無意識だったな。


作者:そうか。さて、ここまで来てからの今日は何の日コーナーだ。


ヴァン:今日は笑顔の日なんだろ?


クラウド:プロ野球の日、双子の日、日本語検定の日だな。


ヴァン:今日も盛り沢山だったんだな。


作者:今日も一日笑顔で乗り切ろう!


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